自作PCに、これまで200万円ほどかけました。組み直しは20〜40回です。それでも今、自作するかと聞かれたら、私は「今は自作はやめたほうがいいのでは」と答えます。
理由は、パーツの値段が高いことです。ただ、後悔していることとは別に、よかったと思っていることもあります。
では、自作PCのどこで後悔し、どこでこだわっても差が出なかったのか。BTOやメーカー製と比べて、どう選べばいいのか。
自作PCを選んだ理由と費用
自作を選んだ理由
最初のきっかけは、友人とゲームをするためでした。パーツを実際に見て、BTOパソコンより自作のほうがいいと感じて、組み始めました。
決め手を一言で言えば、かっこよかったからです。パーツは、見た目を重視して全部選びました。メモリもシルバーやホワイト系の色にそろえています。カスタマイズしていくのが楽しかった、というのが当時の正直なところです。
最初の構成と、そのあとパーツを足していった今の構成は、自作PC沼にハマった「たっく」の構成で紹介しています。
組むのにかかった時間とお金
組むのにかかった時間は、組み直しも含めて数十時間です。組み直しの回数は、全部で20〜40回くらいになります。一度組んで終わり、ではありませんでした。
かけたお金は、今までで200万円ほどです。自作PCにかかる時間とお金は、最初に組むときだけでは済みませんでした。
自作PCで困ったこと
RTX3090のVRAMの温度
一番困ったのは、RTX3090のVRAM(グラフィックボードのメモリ)の温度でした。
GPUの温度だけを見ていると、気づきにくい問題です。RTX3080・3080Ti・3090などのグラフィックボードは、GDDR6Xというメモリを使っています。このメモリは熱くなりやすく、110℃で性能を落とす動き(サーマルスロットリング)が始まります。メモリメーカーのMicronが想定している動作温度は、以前の記事で調べたとおり95〜105℃です。
私はサーマルパッドの交換などで対処しました。部品が届くのを待つ時間も含めて、片付くまでに2〜3週間かかりました。
温度を下げるために試したことは、RTX3090/3080Ti/3080のVRAM温度が危険?にまとめています。ケースを開けた状態にする、扇風機の風を当てる、ヒートシンクやファンを足す、という順に試した記録です。
Aura Syncのライティングのずれ
次に手こずったのが、RGBメモリの光り方でした。Aura Syncで、左右のメモリの光るタイミングがずれたのです。
調整には、1週間くらい、ちょこちょこ触っていました。最終的には、Aura Syncのリンクの仕方を工夫したら直りました。
ずれる原因は、メモリの故障よりも、ソフトの問題であることが多いです。たとえば、Armoury CrateやAura Syncが古いままになっている。ほかのメーカーのRGBソフトとぶつかっている。BIOSやマザーボードが、メモリを正しく認識していない。こうしたことが考えられます。順番に確かめる手順は、Aura Syncでメモリのライティングが左右でずれる原因と直し方に書きました。
こだわっても差が小さかったこと
困ったことの反対に、こだわったわりに差を感じなかったこともあります。
CPUのグリス
最近は、CWTPのグリスがいいと思っています。ただ、温度の差がはっきり出るのは特定の使い方をしたときで、普段使いでは気持ち程度でした。グリスの記事では「10℃以上損している可能性がある」と書いていますが、これは比べるグリスや環境によって出る差です。CWTPの種類ごとの違いは、CWTPエクストリームグリス全種類の記事で比べています。
PCIeのスロット
グラフィックボードは×16のスロットに挿していますが、×8との性能の差を感じたことはありません。×16を使っているのは、気持ちの問題です。数字の上でも、フルHDやWQHDのゲームでは差は1〜3%ほどで、4KやVRで数%〜10%ほどになる程度です。詳しくはPCIEスロットの帯域差の記事に書いています。
グリスとスロットは、こだわっても差が小さかった。一方で、VRAMの温度は、気づかないと大きな問題になった。差が出る場所と出ない場所は、パーツの見た目や数字の印象とは一致しませんでした。
自作PCで後悔していること
パーツの選び方
後悔していることの一つめは、パーツの選び方です。見た目を重視して全部選んだので、性能重視や、コストパフォーマンス重視で選んでもよかったと思っています。
お金の使い方
二つめは、お金の使い方です。そのお金を投資に回したほうがよかったかな、と思うこともあります。それでも、ブログやAIに触れられているのはよかったと思っています。
自作で後悔しやすい点
私の後悔とは別に、自作PCで後悔しやすい点は、一般的にいくつかあります。パーツどうしの相性を確かめずに買ってしまう。電源の容量が足りない。ケースに入らない大きさのパーツを選ぶ。こうしたことです。組んだあとに困るのは、どのパーツが原因かを自分で切り分けなければならない点です。
初心者がつまずきやすい点は、自作PC初心者にありがちな失敗12パターンにまとめています。
自作PCとBTO・メーカー製の比較
3つの違い
自作するか迷うときは、BTOパソコンやメーカー製と並べてみると、違いがはっきりします。一般的には、次のように分けられます。
| 自作PC | BTOパソコン | メーカー製(Macなど) | |
|---|---|---|---|
| パーツの選び方 | 全部自分で選ぶ | ショップの構成から一部を選ぶ | 決まったモデルから選ぶ |
| 組み立て | 自分で組む | ショップが組む | 組み立て済み |
| 見た目のこだわり | 自由に決められる | ある程度は選べる | ほとんど選べない |
| 困ったときの相談先 | パーツごとのメーカーや買った店 | 買ったショップ | 製品のメーカー |
| 組む・直す手間 | かかる | 少ない | 少ない |
BTOパソコンの仕組みと選び方は、BTOとは?で詳しく書いています。
費用の内訳の考え方
自作PCの費用は、主にCPU、グラフィックボード、メモリ、ストレージ、マザーボード、電源、ケース、冷却の合計です。OSのライセンスも別にかかります。どこにお金をかけるかで、全体の金額は大きく変わります。
注意したいのは、パーツの値段が時期によって動くことです。調査会社のTrendForceは、2026年2月に見通しを出しています(TrendForceの発表)。PC向けのメモリ(DRAM)の契約価格が、2026年1〜3月期に前の期から2倍以上に上がる、という内容です。AIやデータセンター向けの需要で、需給が締まっていることが背景にあるとされています。
予算ごとの構成の例は、予算15万で自作PCを組むなどの記事にまとめています。
どれを選ぶかの目安
どれを選ぶか迷ったら、次のように考えると決めやすくなります。
見た目や構成を全部自分で決めたい → 自作PC
性能を選びつつ、組む手間は省きたい → BTOパソコン
今使っているスマホや道具とそろえたい → メーカー製(Macなど)
自作は、決める自由が大きい分、組む・直す手間がかかり、こだわるほどお金もかかります。
今、自作するか迷っている人へ
今はパーツが高い
私の今の正直な気持ちは、「今は自作はやめたほうがいいのでは」です。理由は、パーツの値段が高いからです。
それでも自作するなら、私が好きなメーカーはASUSです。
次に買うならMac
一方で、iPhoneを使っているなら、PCもAppleでいいのでは、というのが今の気持ちです。次に買うなら、MacBookならMacBook Air。MacBookを考えるのは、AIが使いやすそうだからです。ただ、一番欲しいのはMac miniです。
まとめ
自作PCに200万円ほどかけ、20〜40回組み直しました。それでも今は、自作はやめたほうがいいのでは、と思っています。理由は、パーツの値段が高いことです。
自作で困ったのは、VRAMの温度やライティングのずれのように、組んでから気づく問題でした。逆に、グリスやPCIeのスロットは、こだわっても差が小さかった。後悔しているのは、見た目を重視してパーツを選んだことと、お金の使い方です。
迷っているなら、自作するかを決める前に、今のパーツの値段を確かめてみてください。iPhoneを使っているなら、PCもAppleでいいのでは、というのが私の今の気持ちです。20〜40回組み直したPCを前にして、次はMac miniが欲しいと書くのは、少しおかしく聞こえるかもしれません。それでも、自作で困ったことと、よかったことの両方を知ったうえでの、今の答えです。

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