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予備タイヤや修理キットを用意してないと違反?スペアタイヤの搭載義務と車検・高速道路のルールを解説

「車に予備タイヤがない。しかもパンク修理キットも見当たらない。これって道路交通法違反では?」

車を確認して、少し不安になった人もいるだろう。

昔の車ではスペアタイヤが当たり前だった。その感覚が残っていると、「タイヤの予備くらい法律で積むことになっているだろう」と考えてしまう。

しかし、2026年現在、一般的な乗用車ではスペアタイヤを積んでいないだけで違反になるわけではない。パンク修理キットについても、基本的に搭載そのものが法律で義務付けられているわけではない。

実際、最近の新車ではスペアタイヤを積まず、パンク応急修理キットを採用する車種がかなり増えている。国土交通省の保安基準でも、応急用スペアタイヤを「備える場合」の性能基準は定められているが、一般的な乗用車すべてにスペアタイヤを積むことを要求する仕組みにはなっていない。

ただし、「じゃあ何も準備しなくていい」と考えるのは危ない。

特に高速道路では話が変わる。

パンクして車が止まれば、停止表示器材を使う義務が発生する場合があるからだ。つまり、問題になるのは「スペアタイヤを積んでいるか」より、トラブルが起きたあと安全に対処できるかなのである。

目次

予備タイヤを用意していなくても基本的に違反ではない

一般的な乗用車にスペアタイヤの搭載義務はない

まず一番気になる部分から確認しておこう。

一般的な乗用車では、スペアタイヤを積んでいないという理由だけで道路交通法違反になるわけではない。

国土交通省の「道路運送車両の保安基準」では、走行するタイヤについて強度や安全性などの基準が定められている。また、応急用スペアタイヤを備える車については、そのスペアタイヤにも技術基準がある。

ただし、これは、

「すべての乗用車にスペアタイヤを積め」

という規定とは違う。

応急用スペアタイヤを装備するなら安全基準を満たしてください、という話である。

一次情報として確認したい場合はこちら。

国土交通省「道路運送車両の保安基準の細目を定める告示」

そのため、最近の車でスペアタイヤが最初から付いていなくても、それだけで異常というわけではない。

パンク修理キットも絶対的な法定装備ではない

では、

「スペアタイヤがないなら、パンク修理キットは絶対必要なのでは?」

と思うかもしれない。

これも一般的な乗用車については、パンク応急修理キットを積んでいないだけで直ちに違反になるとはいえない。

そもそも現在販売されている車でも、

・スペアタイヤを搭載する車
・パンク応急修理キットを搭載する車
・ランフラットタイヤを採用する車

など、パンクへの考え方が違う。

トヨタでも、スペアタイヤを搭載せずパンク修理キットを利用する車種が実際に存在する。たとえばGR86の取扱説明書にも、修理キット装着車にはスペアタイヤが搭載されていないことが明記されている。

車にスペアタイヤがないからといって、「メーカーが必要な装備を忘れた」という話ではないのだ。

そんな豪快な納車ミスが全国で起きていたら、さすがに別の意味で大事件である。

スペアタイヤや修理キットがなくても車検は通る?

スペアタイヤは通常の車検では必須ではない

ここも誤解されやすい。

「スペアタイヤがないと車検に通らないのでは?」

と心配する人もいるが、一般的な乗用車ではスペアタイヤの搭載自体は通常の車検の必須条件ではない。

タイヤで重要なのは、実際に車へ装着して走行するタイヤの状態だ。

タイヤの溝や損傷、取り付け状態などが保安基準を満たしている必要がある。スペアタイヤをトランクに積んでいるかどうかとは別問題になる。

ブリヂストンも、スペアタイヤは法規上の搭載義務がなく、車検時にも装備は不要と案内している。

パンク修理キットがなくても基本的には車検不合格にならない

パンク修理キットも同じだ。

修理キットを積んでいないことだけを理由として、一般的な車が車検不合格になるわけではない。

したがって、

「パンク修理剤の期限が切れているから、法律上絶対交換しないと車検に通らない」

と単純に考える必要はない。

ただし、ディーラーや整備工場が安全上の理由から交換をすすめることはある。

法律上の車検基準と、販売店が設定している点検・整備方針は別である。

ここをごちゃ混ぜにすると話がおかしくなる。

ただし大型トラックや大型バスは話が少し違う

スペアタイヤを備えている大型車には点検義務がある

「スペアタイヤは義務ではない」とだけ書くと、少し雑になる。

大型車には別のルールがあるからだ。

国土交通省は2018年10月から、車両総重量8トン以上または乗車定員30人以上の大型自動車について、スペアタイヤなどを備えている場合の点検を強化した。

対象となる大型車では、

・スペアタイヤ取付装置の緩み
・がたや損傷
・スペアタイヤの取付状態
・ツールボックスの取付状態

などが定期点検の対象になっている。

これは、道路上へスペアタイヤが落下した死亡事故を受けて導入された制度だ。

一次情報はこちら。

国土交通省「大型トラック・大型バスのスペアタイヤの点検が義務化されます」

普通の自家用乗用車を所有している人が過度に心配する必要はないが、「すべての車でまったく同じルール」と考えないほうがいい。

むしろ注意すべきなのは高速道路の三角表示板

高速道路で故障して停止すると表示義務が発生する

私なら、スペアタイヤより先に確認しておきたい装備がある。

停止表示器材だ。

高速道路でパンクや故障が発生し、本線車道や路肩などで車を運転できなくなった場合、道路交通法第75条の11によって、故障などで停止していることを表示する必要がある。

警察庁の「交通の方法に関する教則」でも、高速道路で故障などによって停止した場合には、自動車の後方に停止表示器材を置くよう明記されている。

一次情報はこちら。

e-Gov法令検索「道路交通法」

つまり、

スペアタイヤがないことより、停止したのに停止表示をしないことのほうが法律上問題になりやすい。

ここは覚えておきたい。

三角表示板は「車に積んでいないだけ」で違反になるわけではない

少しややこしいのだが、三角表示板についても、

「高速道路を走るなら積んでいない時点で即違反」

という意味ではない。

問題になるのは、故障などで高速道路上に停止し、表示が必要になったときに表示しないことだ。

ただ、持っていなければ当然表示できない。

警察庁も高速道路を利用する前に停止表示器材を準備するよう案内している。

法律の言葉遊びをしても、路肩でトラックが後ろから突っ込んできたら何の慰めにもならない。

高速道路を使うなら、三角表示板や対応する停止表示灯は車載しておいたほうがいい。

パンク修理キットがあれば何でも直せるわけではない

修理できるのは基本的に小さなパンク

スペアタイヤの代わりとして便利なのがパンク応急修理キットだ。

ただし万能ではない。

JAFによると、一般的なパンク修理キットが使えるのは、主にタイヤの接地面に釘などが刺さった小さな穴だ。

一方、

・タイヤ側面の損傷
・大きな亀裂
・大きな穴
・複数タイヤのパンク
・タイヤが大きく破損した状態

などでは対応できない場合がある。

「修理キットを積んだからパンク対策完了」と考えるのは少し危ない。

修理キットには有効期限がある

もう一つ忘れやすいのが修理剤の期限だ。

パンク修理キットには液体の補修剤が入っているタイプが多く、製品ごとに使用期限が設定されている。

JAFも、修理キット非搭載車ではなく「修理キット搭載車」について、説明書や修理剤の有効期限を確認するよう案内している。

一度も使っていないから新品、とは限らない。

車を買って何年もトランクの底に眠らせている場合は、一度期限を見ておいたほうがいい。

スペアタイヤと修理キットならどちらを用意するべき?

街乗り中心ならパンク修理キットでも対応しやすい

街中を中心に走るなら、私はパンク修理キットでも十分現実的だと思う。

理由は単純だ。

街中なら、

・ロードサービスを呼びやすい
・タイヤショップを探しやすい
・ガソリンスタンドや整備工場が多い
・長距離を自力で走る必要が少ない

からだ。

JAFでは、スペアタイヤがない車でもパンクの応急修理や修理工場までの搬送などに対応している。

そのため、

「スペアタイヤがない=完全に詰む」

というわけではない。

山道や長距離移動が多いならスペアタイヤは強い

一方で、山間部や地方、高速道路を頻繁に走るなら話は変わる。

パンク修理キットでは直せない損傷が起きた場合、その場ではどうにもならない。

特にタイヤ側面を大きく傷つけた場合などは厳しい。

スペアタイヤならホイールごと交換できるため、対応できるトラブルの範囲は広い。

ただし、スペアタイヤにも空気圧管理が必要だ。

何年も確認せず放置していたスペアタイヤを出してみたら空気が抜けていた、では意味がない。

JAFもスペアタイヤ搭載車について、スペアタイヤの空気圧を定期的に確認するよう案内している。

パンクしたら無理に走らないほうがいい

パンク状態で走り続けると被害が大きくなる

タイヤがおかしいと感じたら、無理に目的地まで走ろうとしないほうがいい。

空気が抜けたタイヤで走り続ければ、タイヤだけでなくホイールまで傷める可能性がある。

安全な場所へ移動できるなら移動し、状態を確認する。

高速道路ならさらに慎重になる必要がある。

警察庁は、高速道路で車両が停止した場合、

・停止表示器材などで後続車へ知らせる
・運転者と同乗者はガードレールの外側などへ避難する
・110番や非常電話などで通報する

よう案内している。

車内でロードサービスを待つのも危険だ。

高速道路では「車を直すこと」より「人が道路から離れること」を優先したほうがいい。

一次情報はこちら。

警察庁「高速道路での緊急事態」

私なら最低限この3つは車に積んでおく

法律上の義務と実用上の必要性は分けて考える

結局、「違反ではないなら何も積まなくていいのか」という話になる。

私はおすすめしない。

最低限、

・停止表示器材
・車に適合したパンク応急修理キット、またはスペアタイヤ
・ロードサービスの連絡手段

くらいは準備しておく。

特に高速道路を使うなら停止表示器材は優先度が高い。

また、自分の車が、

「スペアタイヤ搭載車なのか」
「修理キット搭載車なのか」
「ランフラットタイヤなのか」

くらいは一度確認しておいたほうがいい。

パンクしてからトランクを開け、「さて、何が入っているんだ」と探索を始めるのは遅い。

まとめ|予備タイヤも修理キットもないだけなら原則違反ではない

一般的な乗用車では、スペアタイヤやパンク応急修理キットを用意していないだけで、直ちに道路交通法違反になるわけではない。

スペアタイヤがなくても、通常はそれだけで車検に通らなくなるわけではない。

パンク修理キットについても同じ考え方でいい。

ただし、高速道路で故障やパンクによって停止した場合には、道路交通法に基づいて停止していることを表示する必要がある。ここは別問題だ。

整理すると、

スペアタイヤ → 一般的な乗用車では搭載義務なし

パンク修理キット → 一般的な乗用車では搭載義務なし

車検 → どちらも通常は必須装備ではない

高速道路で故障して停止 → 停止表示が必要

という理解でいい。

私は「法律で義務ではない」と「持っていなくても困らない」は別だと考えている。

特に地方や高速道路を走るなら、パンク修理キットかスペアタイヤのどちらかは準備しておきたい。そして、それ以上に三角表示板などの停止表示器材は確認しておくべきだ。

法律違反を避けるためだけではない。

タイヤ一本のトラブルで、道路上に身動きの取れない車を作らないためである。

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この記事を書いた人

30代ブロガー
いろいろあって苦労したことの備忘録
少しでも皆さまのお役に立てれば幸いです✨

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