「多機能ペンなんて、4色ボールペンとシャープペンが付いていれば全部同じでは?」
そう思っているなら、かなり危ない。
パイロットの「ドクターグリップ4+1」と三菱鉛筆の「ジェットストリーム4+1」は、どちらも黒・赤・青・緑の4色ボールペンと0.5mmシャープペンシルを1本にまとめた定番の多機能ペンだ。
価格帯も近い。サイズも近い。見た目も「ちょっと太めの多機能ペン」で似ている。
ところが、実際に選ぶときに重要になる「握ったときの感覚」と「書き味」はかなり違う。
結論から言えば、長時間書くならドクターグリップ4+1、書き味と万能性を優先するならジェットストリーム4+1だ。
そして私が「1本だけ選べ」と言われたら、ジェットストリーム4+1を選ぶ。
ただし、これはジェットストリームの圧勝という意味ではない。長時間ノートを書く人や、筆圧が強い人なら、むしろドクターグリップ4+1のほうが快適になる可能性が高い。
似ているようで、かなり性格が違う2本なのだ。
ドクターグリップ4+1とジェットストリーム4+1の違いを比較
まずは基本的な違いを整理する。
| 比較項目 | ドクターグリップ4+1 | ジェットストリーム4+1 |
|---|---|---|
| メーカー | パイロット | 三菱鉛筆 |
| ボールペン | 黒・赤・青・緑 | 黒・赤・青・緑 |
| シャープペン | 0.5mm | 0.5mm |
| インク | アクロインキ | ジェットストリームインク |
| ボール径 | 0.5mm・0.7mmなど | 0.5mm・0.7mmなど |
| 軸の太さ | 最大径約14.1mm | 約13.7mm |
| 全長 | 約148mm | 約148.8mm |
| 特徴 | 太いグリップで疲れにくい | なめらかな書き味 |
| 向いている人 | 長時間筆記 | 日常・仕事全般 |
両者とも多機能ペンとしての基本性能はほぼ同じだ。
だから問題は「何色使えるか」ではない。
握り心地を取るか、書き味を取るか。
ここが最大の違いになる。
ドクターグリップ4+1については、パイロット公式Webカタログで仕様を確認できる。
ジェットストリーム4+1については、三菱鉛筆公式サイトや三菱鉛筆公式オンラインショップを確認してほしい。
書き味ならジェットストリーム4+1が強い
ジェットストリーム最大の武器は低摩擦インク
ジェットストリーム4+1を選ぶ最大の理由は、やはりジェットストリームインクだ。
三菱鉛筆はジェットストリームについて、従来品と比べて「なめらか」「濃い」「速乾性に優れる」という特徴を挙げている。
実際、この3つは普段使いではかなり重要だ。
軽い力でもペン先がスッと進むため、
・仕事のメモ
・手帳
・授業ノート
・会議
・電話中のメモ
といった場面で使いやすい。
特に大量に文字を書くとき、ペン先の抵抗が小さいことは想像以上に効いてくる。
「高級感のある書き味」というより、とにかくストレスなく書けるという方向だ。
これが強い。
ドクターグリップのアクロインキも十分になめらか
ではドクターグリップ4+1の書き味が悪いのか。
そんなことはない。
ドクターグリップ4+1には、パイロットの「アクロインキ」が使われている。
パイロットによれば、アクロインキは一般的な油性ボールペンより粘度を低くし、ボールの摩擦を減らしている。
そのため、油性ボールペンらしい安定感を残しながら、かなり軽く書ける。
詳しくはパイロット公式「アクロボール」ページでも確認できる。
アクロインキも十分優秀だ。
ただ、私がこの2本から「書く気持ちよさ」で選ぶならジェットストリームを取る。
文字を書いた瞬間の軽さが分かりやすいからだ。
握りやすさならドクターグリップ4+1が強い
太いグリップにはきちんと意味がある
ドクターグリップ4+1を初めて持つと、おそらく最初に感じるのは太さだ。
最大径は約14.1mm。
しかもグリップにはシリコーンラバーが使われている。
これは単なるデザインではない。
ドクターグリップはもともと、長時間筆記するときの手への負担を考えて作られたシリーズだ。
パイロットのドクターグリップ公式ページでも、人間工学をもとに握りやすいグリップ径を採用していることが説明されている。
実際、筆圧が強い人ほど、この太さには意味がある。
細いペンを強く握り込むよりも、太い軸を軽く持ったほうが指への負担を減らしやすい。
長時間勉強するならドクターグリップはかなり有力
学生なら、この差は無視できない。
1〜2行メモを書く程度なら、グリップの差はそれほど大きくない。
しかし、
「授業中ずっとノートを書く」
「問題演習で何時間もペンを持つ」
「仕事で紙に大量に記録する」
という使い方になると話が変わる。
私はこういう用途ならドクターグリップ4+1を優先したい。
ジェットストリーム4+1も十分握りやすいが、握ることそのものを重視して設計されたドクターグリップはやはり強い。
サイズと持ちやすさはジェットストリーム4+1がやや有利
ドクターグリップ4+1は存在感がある
ドクターグリップ4+1は最大径約14.1mm、全長約148mm。
多機能ペンなので仕方がない部分もあるが、かなりしっかりしたサイズだ。
さらに重量もある。
そのため、ペンケースに入れたときも「太いペンが1本入っている」という存在感が出る。
長時間筆記ではこの太さがメリットになる一方、持ち歩きではデメリットにもなる。
ここは表裏一体だ。
ジェットストリーム4+1は仕事用として扱いやすい
ジェットストリーム4+1も細いペンではない。
それでも、ドクターグリップ4+1と比べると少しスッキリしている。
スーツの胸ポケットやバッグに入れたり、会議室へ持って移動したりするなら、私はジェットストリーム4+1のほうが扱いやすいと感じる。
特に仕事では、
「黒で文章を書く」
「赤で修正する」
「青や緑で分類する」
「シャープで一時的なメモを書く」
という使い方を1本で完結できる。
多機能ペンとして非常に完成度が高い。
4色ボールペン+シャープの使いやすさは互角
どちらも1本で5役
ドクターグリップ4+1もジェットストリーム4+1も、
・黒
・赤
・青
・緑
・0.5mmシャープペン
を搭載している。
つまり1本で5役だ。
この構成が絶妙に便利である。
3色ボールペンではなく緑まであるので、色分けを多用する人には特に使いやすい。
学生なら、
黒:通常
赤:重要
青:補足
緑:自分の考え
のような使い分けもできる。
仕事なら、
黒:通常
赤:修正
青:確認
緑:完了
と分けてもいい。
正直、5本持ち歩く必要がないだけでも十分価値がある。
人類はペンケースをパンパンにして安心する謎の習性を持っているが、実用品だけ考えるなら4+1は合理的だ。
シャープペンをよく使うならどちらがいい?
シャープ機能は「便利なおまけ」と考えたほうがいい
両方とも0.5mmシャープペンを搭載している。
ただし、ここは少し注意したい。
どちらも本格的なシャープペン専用機と比べると、シャープ機能が主役ではない。
あくまで、
「ボールペンを使いながら、ときどき鉛筆書きもしたい」
という人向けだ。
シャープペンを8割、ボールペンを2割使うなら、4+1を買うより専用シャープペンを別に持ったほうが快適だ。
反対に、
ボールペン7割、シャープ3割程度なら4+1が非常に便利になる。
この使い分けは重要だ。
替芯の入手しやすさはどちらも優秀
ドクターグリップ4+1はBVRF系替芯
ドクターグリップ4+1では、モデルに応じてパイロットのBVRF系替芯が使われる。
本体を使い切りにする必要はない。
気に入った軸を長く使える。
替芯についてはパイロット公式Webカタログで確認できる。
ジェットストリーム4+1はSXR-80系
ジェットストリーム4+1ではSXR-80系の替芯が使われるモデルがある。
ジェットストリームは利用者が非常に多い定番シリーズなので、替芯を探しやすいのも魅力だ。
公式の対応替芯については三菱鉛筆のジェットストリーム替芯ページで確認できる。
個人的には、多機能ペンは本体価格より替芯の買いやすさのほうが重要だと思っている。
本体を買った瞬間だけ便利でも、半年後に替芯が見つからなければ意味がない。
その点、この2本はどちらも安心して使いやすい。
デザインはジェットストリーム4+1のほうが仕事向き
ジェットストリームはクセが少ない
デザインは好みだが、仕事用なら私はジェットストリーム4+1を選ぶ。
理由はシンプル。
主張が強すぎないからだ。
スーツ、デスク、手帳、ビジネスバッグなどに合わせても違和感が少ない。
学生から社会人まで使える。
1本だけ買って長く使うなら、この万能さは強い。
ドクターグリップは機能的な見た目
一方のドクターグリップ4+1は、グリップ部分が太く、「握りやすさを重視した道具」という印象が強い。
私は嫌いではない。
むしろ実用品らしくて好きだ。
ただし、スリムな筆記具が好きな人には少し大きく感じる可能性がある。
見た目より快適性を取る人向けだ。
ドクターグリップ4+1がおすすめな人
ドクターグリップ4+1をおすすめしたいのは、次のような人だ。
長時間ノートを書く人
勉強や仕事で何時間も文字を書くなら、ドクターグリップの太いグリップが生きてくる。
書き味だけでなく「握り続ける疲れ」まで考えるなら強い。
筆圧が強い人
ペンを強く握ってしまう人にも向いている。
太いグリップを軽く握る使い方ができれば、細い軸より負担を抑えやすい。
握り心地を最優先したい人
ペン先の滑らかさより、手に持ったときの安心感を優先するならドクターグリップ4+1だ。
ここはジェットストリームにはない魅力である。
ジェットストリーム4+1がおすすめな人
書き味を最優先したい人
紙の上を軽く滑るような書き味を求めるなら、まずジェットストリーム4+1を候補にしたい。
低摩擦インクのメリットが分かりやすい。
仕事で1本にまとめたい人
会議、電話、手帳、資料への書き込みまで1本で済ませたい人との相性がいい。
4色+シャープという構成が非常に実用的だ。
どちらを買えばいいか迷っている人
特別な好みがなければ、ジェットストリーム4+1を選んでおけば失敗しにくい。
これが私の結論だ。
クセが少なく、書き味がよく、用途が広い。
「とりあえず1本」の完成度が高い。
結局どっちがいい?多機能ペンの王者はジェットストリーム4+1
ドクターグリップ4+1とジェットストリーム4+1は、スペック表だけを見るとかなり似ている。
しかし、実際の狙いは違う。
ドクターグリップ4+1は、握りやすさと長時間筆記の快適性が強い。
ジェットストリーム4+1は、書き味と日常での使いやすさが強い。
私なら、総合評価ではジェットストリーム4+1を選ぶ。
理由は、仕事、手帳、メモ、勉強と用途を選びにくく、ジェットストリームインクの軽い書き味を毎日のように生かせるからだ。
ただし、長時間ノートを書く人だけは話が変わる。
手や指の疲れが気になるなら、ドクターグリップ4+1を選んだほうが満足できる可能性が高い。
最終的にはこう考えればいい。
握りやすさならドクターグリップ4+1。
書き味ならジェットストリーム4+1。
迷ったらジェットストリーム4+1。
多機能ペンは機能数だけで選んではいけない。
毎日触れる道具だからこそ、「どう書けるか」より「どう書き続けられるか」まで見て選ぶべきだ。

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