ChatGPT Codexを開くと、「GPT-5.6 Sol」「GPT-5.6 Terra」「GPT-5.6 Luna」というモデルが表示されます。
名前だけ見ても、何が違うのか分かりません。太陽、大地、月と並べられても、こちらは天体観測ではなくアプリを直したいだけです。
しかも、単純にSolが一番新しく、Lunaが古いという関係でもありません。3つともGPT-5.6シリーズですが、性能、速度、コスト、向いている作業が違います。
では、ChatGPT Codexでは毎回Solを選べばよいのでしょうか?
結論から言うと、難しい開発はSol、普段の開発はTerra、簡単で速さを求める作業はLunaという使い分けが基本です。何でもSolに投げる方法は確かに強いですが、軽い修正まで最高性能モデルに任せるのは、大型トラックでコンビニへ行くようなものです。
私は実際にCodexでアプリの修正を繰り返していますが、モデルは性能だけで選ぶより、作業の重さで変えた方が効率的だと感じます。
この記事では、ChatGPT CodexとGPT-5.6 Sol、Terra、Lunaの違いを、初心者にも分かる言葉で整理します。
ChatGPT CodexとGPT-5.6は同じものではない
最初に理解したいのは、ChatGPT CodexとGPT-5.6は同じ種類の名前ではないことです。
ChatGPT Codexは開発作業を進めるためのサービス
ChatGPT Codexは、コードを書くだけのAIモデルではありません。
プロジェクト内のファイルを読み、コードを変更し、テストを実行し、問題があれば修正するところまで進めるコーディングエージェントです。
OpenAI公式では、Codexは機能開発、複雑なリファクタリング、システム移行などを最後まで進めるためのサービスと説明されています。また、ChatGPT、エディター、ターミナルから利用でき、同じChatGPTアカウントで連携できます。
つまり、Codexは作業する場所や仕組みです。
GPT-5.6 Sol・Terra・LunaはCodexの頭脳
GPT-5.6 Sol、Terra、Lunaは、Codexの中で動くAIモデルです。
たとえるなら、Codexが作業場で、Sol、Terra、Lunaが作業を担当する技術者です。
同じプロジェクトを開いていても、選ぶモデルによって次の部分が変わります。
- 複雑な指示を理解する力
- コードの問題を見つける力
- 作業が終わるまでの速さ
- 消費する利用枠やAPI料金
- 長い作業を続ける安定性
なお、「GPT-5.6 Terrra」と書かれることがありますが、OpenAI公式の正しい表記は「GPT-5.6 Terra」です。「r」は2つです。AIの名前までスペル確認が必要とは、人間の仕事は減るどころか細かくなっています。
GPT-5.6 Sol・Terra・Lunaの違いを一覧で比較
3モデルの位置づけを簡単にまとめると、次のようになります。
| モデル | 特徴 | 速度 | 能力 | 向いている作業 |
|---|---|---|---|---|
| GPT-5.6 Sol | 最高性能のフラッグシップ | 遅め | 最も高い | 大規模開発、原因不明のバグ、設計 |
| GPT-5.6 Terra | 性能と速度のバランス型 | 標準 | 高い | 普段の開発、機能追加、一般的な修正 |
| GPT-5.6 Luna | 最速で低コスト | 最も速い | やや低い | 小さな修正、定型処理、簡単な確認 |
OpenAIは、Solをフラッグシップモデル、Terraを日常業務向けのバランス型モデル、Lunaを高速で手頃な価格のモデルと説明しています。TerraはGPT-5.5に匹敵する性能を持ちながら、APIコストは半分とされています。
単純な上下関係というより、目的が違う3モデルだと考えた方が正確です。
GPT-5.6 Solとは?
GPT-5.6 Solは、GPT-5.6シリーズの中で最も高性能なモデルです。
複雑で長い作業に強い
Solは、単にコードを1行直すためのモデルではありません。
複数のファイルを確認し、問題の原因を考え、修正方法を決め、コードを変更し、テストするような長い作業に向いています。
特に、次のような場面ではSolが強いです。
- 原因が分からないバグの調査
- データベースを含む大きな機能追加
- 認証や権限管理の設計
- コード全体のリファクタリング
- セキュリティ上の問題の確認
- 古いシステムから新しい環境への移行
- 仕様が曖昧な状態からの開発
OpenAI公式では、Solはコーディングだけでなく、研究、科学、コンピューター操作、デザインなどの複雑な作業向けに設計されています。さらに難しい作業や長時間動かす処理には、GPT-5.6 Sol Proも用意されています。
設計から任せるときに向いている
私は、作る機能がまだ完全に決まっていない場合はSolを選ぶべきだと考えます。
たとえば、「ワイン管理アプリに複数ユーザー機能を追加して、管理者と一般ユーザーの権限を分けたい」という指示です。
この作業では、画面だけでなく、データベース、ログイン処理、権限確認、既存データへの影響まで考える必要があります。
Lunaでもコードを作れる可能性はあります。しかし、見えている部分だけ直して、別の場所を壊す危険があります。大きな変更で数分を惜しみ、後から数時間失うのは笑えません。
Solの弱点は重いこと
Solは高性能ですが、軽い作業では能力を持て余します。
ボタンの文字を変える、余白を調整する、変数名を変更するといった作業では、Solを選ぶ必要性は低いです。
API料金も3モデルの中で最も高く、100万トークン当たり入力5ドル、出力30ドルです。
ChatGPTの定額プランでは毎回この金額を直接支払うわけではありませんが、高性能モデルほど利用枠を重く消費する可能性があります。難しい仕事に残しておく方が賢い使い方です。
GPT-5.6 Terraとは?
GPT-5.6 Terraは、性能、速度、コストのバランスを取ったモデルです。
普段使いではTerraが最も使いやすい
Codexで日常的にアプリを開発するなら、私はTerraを基本モデルにします。
一般的な機能追加やバグ修正であれば、Terraで十分に対応できる可能性が高いからです。
具体的には、次のような作業に向いています。
- 入力項目の追加
- 一覧画面の修正
- 検索や絞り込み機能の追加
- 一般的なPHPやJavaScriptの修正
- エラーメッセージの改善
- テストコードの作成
- 既存機能の小規模な変更
- WordPressや個人開発アプリの修正
OpenAIはTerraを、日常的な作業において性能、速度、コストのバランスを提供するモデルと説明しています。
「どれを選べばよいか分からない」という場合は、まずTerraで始めるのが安全です。
Terraで失敗したらSolへ切り替える
Terraは万能ではありません。
同じバグを何度直しても改善しない、関係のないファイルを変更する、修正後に別の不具合が出る場合は、Solへ切り替えるべきです。
私なら、次の流れで使います。
- 最初はTerraで修正する
- テストで問題がなければ完了する
- 原因を特定できない場合はSolへ変更する
- Solにこれまでの修正内容と失敗内容を確認させる
最初からすべてSolに任せるより、利用枠を抑えながら開発できます。
無料プランとGoではTerraがCodexの基本
OpenAI公式情報では、CodexのFreeプランとGoプランではTerraが利用できます。Plus、Pro、Business、EnterpriseではSol、Terra、Lunaを利用できます。
無料ユーザー向けにTerraが選ばれている点からも、日常的な開発を広く処理できるモデルだと判断できます。
GPT-5.6 Lunaとは?
GPT-5.6 Lunaは、GPT-5.6シリーズで最も速く、最も低コストなモデルです。
小さな修正を素早く終わらせるモデル
Lunaは、難しい設計を深く考えさせるより、内容が明確な作業を速く進める場合に向いています。
たとえば、次のような作業です。
- ボタン名の変更
- 誤字の修正
- CSSの余白調整
- 色や文字サイズの変更
- コメントの追加
- 単純な関数の作成
- 同じ形式のコードを複数追加
- 既に原因が分かっているバグの修正
指示内容が具体的で、変更する場所も分かっているなら、Lunaはかなり便利です。
Lunaに大きな判断を任せすぎない
Lunaは速い反面、複雑な条件がある作業では注意が必要です。
たとえば、「アプリ全体を確認して、将来問題になりそうな構造を改善して」といった曖昧で広い指示には向きません。
このような作業では、重要なファイルを見落としたり、その場では動いても後から問題になる修正をしたりする可能性があります。
Lunaには、変更箇所と目的をはっきり伝えるべきです。
「ログイン画面の送信ボタンを青から緑に変更する」
この程度ならLunaで十分です。
「ログイン機能を安全に作り直す」
こちらはSolを使うべきです。速さだけで認証機能を直すと、あとで人間が恐怖する設計になりかねません。
API料金はSolの5分の1
LunaのAPI料金は、100万トークン当たり入力1ドル、出力6ドルです。
Solは入力5ドル、出力30ドルなので、Lunaの料金はSolの5分の1です。Terraは入力2.50ドル、出力15ドルとなっています。
APIを使って大量の処理を自動化する場合、この差は非常に大きくなります。
ChatGPTの通常チャットでも3モデルを選べるのか?
GPT-5.6 Sol、Terra、Lunaは、すべてのChatGPT画面で自由に選べるわけではありません。
通常のChatGPTではSolが中心
通常のChatGPT会話では、推論の「中程度」「高い」「非常に高い」を選ぶとGPT-5.6 Solが使用されます。
一方、TerraとLunaは通常のChatGPT会話では選択できません。
OpenAI公式によると、TerraとLunaは、対応プランのChatGPT Work、Codex、OpenAI APIで利用できます。
つまり、「通常の質問でLunaを使いたい」と思っても、一般的なチャット画面のモデル選択には出ない場合があります。
Codexでは作業ごとに選ぶ意味が大きい
通常のChatGPTでは文章の回答を受け取ることが中心です。
Codexでは実際にファイルを変更し、コマンドを実行し、テストを進めます。そのため、モデルの判断力や速度の違いが作業結果に強く出ます。
小さな修正ではLuna、大部分の作業ではTerra、重大な変更ではSolと分ける価値があります。
ChatGPT Codexでおすすめの使い分け
モデル名を毎回見て悩む必要はありません。次の基準でほぼ対応できます。
新しいアプリを設計するならSol
仕様作成、データベース設計、認証、複数画面の作成など、プロジェクトの土台を作る場合はSolが向いています。
最初の設計を間違えると、後から修正する量が増えます。土台には性能を惜しまない方がよいです。
普段の機能追加や修正ならTerra
既存アプリに項目を追加する、表示を変える、一般的なバグを直す場合はTerraで十分です。
個人開発では、全作業の多くをTerraで処理できると考えます。
単純作業をまとめて進めるならLuna
名称変更、CSS修正、定型コードの追加など、判断が少ない作業はLunaに向いています。
作業内容を細かく分け、明確に指示すると速さを生かせます。
修正に失敗したら上位モデルへ切り替える
Lunaで難しければTerra、Terraで難しければSolへ変える方法が合理的です。
逆に、Solで設計した内容をもとに、細かい修正だけTerraやLunaへ渡す方法も有効です。
モデルを固定するより、開発の段階で変更した方が効率は上がります。
結局どのモデルを選べばいい?
ChatGPT Codexはコーディング作業を進めるためのサービスであり、GPT-5.6 Sol、Terra、Lunaはその中で使うAIモデルです。
3モデルの違いは、次のように整理できます。
- GPT-5.6 Sol:難しく長い作業に使う最高性能モデル
- GPT-5.6 Terra:普段の開発に使うバランス型モデル
- GPT-5.6 Luna:単純作業を速く進める軽量モデル
迷った場合はTerraを使い、難しいと感じた時点でSolへ切り替える方法がおすすめです。
Lunaは能力が低いから不要なのではありません。簡単な仕事に高性能モデルを使わず、速く終わらせるために必要なモデルです。
私なら、設計や原因不明のバグにはSol、通常の機能追加にはTerra、文字やデザインの小さな変更にはLunaを使います。
毎回Solを選ぶ方法も間違いではありません。しかし、性能、速度、利用枠のバランスを考えるなら、作業内容に合わせて切り替えるべきです。
AIモデルは最も強いものを選べば終わりではありません。適切な仕事を適切なモデルへ渡せる人の方が、Codexを明らかに使いこなせます。

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