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分離課税でも基礎控除は使える?株・FX・不動産の利益と所得控除の仕組みを徹底解説【2026年版】

「株やFXの利益は分離課税だから、基礎控除は使えない」

こんな説明を見たことがある人も多いと思います。

しかし、これはかなり危険な理解です。

分離課税とは、基本的に「ほかの所得とは分けて税率を計算する仕組み」です。「所得控除が一切使えない」という意味ではありません。

しかも、2025年分から所得税の基礎控除そのものが大きく見直されています。以前の「基礎控除48万円」という知識だけで考えるのも、もう古いです。国税庁によると、2025年分・2026年分の基礎控除は合計所得金額によって最大95万円となっています。

私も税金について調べれば調べるほど感じますが、「分離課税だから別物」と一言で片付けるのは危険です。

結論から言えば、申告分離課税の所得があっても基礎控除は関係します。さらに、総合課税の所得から引ききれなかった所得控除が、分離課税の所得の計算に回るケースもあります。

株、FX、不動産売却などをしている人ほど、この仕組みは理解しておいたほうがいいです。

この記事では、2026年時点の制度を前提に、分離課税と基礎控除の関係をできるだけ簡単に解説します。

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目次

分離課税と基礎控除の結論

「分離課税=基礎控除が使えない」は間違い

最初に一番重要な部分です。

「申告分離課税だから基礎控除はまったく使えない」という理解は正しくありません。

国税庁は申告分離課税について、「他の所得金額と合計せず、分離して税額を計算する制度」と説明しています。

一次情報はこちらです。

国税庁「申告分離課税制度」

ここで大切なのは、

所得を分離すること

と、

所得控除まで完全に切り離されること

は別の話だという点です。

確定申告書では、基礎控除、社会保険料控除、生命保険料控除、扶養控除などを「所得から差し引かれる金額」として計算します。

申告分離課税の所得がある場合には第三表を使って税額計算を行いますが、国税庁の説明でも、各所得から所得控除を順番に差し引いていく仕組みになっています。

つまり、

「分離課税だから所得控除ゼロ」ではありません。

ここを間違えてはいけません。

そもそも分離課税とは?

給与などと分けて税金を計算する制度

所得税は本来、いろいろな所得を合計して税金を計算します。

これが「総合課税」です。

代表的なのは給与所得、事業所得、不動産所得などです。

一方、一部の所得については他の所得とは分けて税額を計算します。

これが「申告分離課税」です。

代表例としては、次のような所得があります。

  • 株式等の譲渡所得
  • 上場株式等の配当所得で申告分離課税を選択したもの
  • FXや一定の先物取引による所得
  • 土地や建物の譲渡所得
  • 退職所得
  • 山林所得

国税庁も、土地建物、株式等、先物取引などを申告分離課税の代表例として挙げています。

例えば上場株式の売却益なら、基本的には給与の所得税率が何%なのかとは別に税金を計算します。

だからこそ「分離課税」と呼ばれるわけです。

ただし、税率計算が別だからといって、確定申告全体まで完全に別世界になるわけではありません。

税金というものは、そんなに親切で単純には作られていません。

基礎控除とは?

2025年から基礎控除は大きく変更された

基礎控除とは、所得税を計算するときに所得から差し引くことができる「所得控除」の一つです。

以前は「基礎控除48万円」と覚えている人も多いと思います。

しかし2025年分から制度が変わりました。

2025年分・2026年分では、合計所得金額に応じて基礎控除額は次のようになります。

合計所得金額132万円以下なら95万円、132万円超336万円以下なら88万円、336万円超489万円以下なら68万円、489万円超655万円以下なら63万円、655万円超2,350万円以下なら58万円です。

さらに所得が高くなると48万円、32万円、16万円と減り、合計所得金額2,500万円を超えると基礎控除は0円になります。

詳しくは国税庁の一次情報を確認できます。

国税庁「基礎控除」

国税庁「令和7年度税制改正による所得税の基礎控除の見直し等について」

ここは古い記事ほど間違いやすい部分です。

2026年現在、「基礎控除は基本48万円」とだけ覚えていると制度を正しく理解できません。

分離課税の所得も「合計所得金額」に影響する

株やFXの利益を無視して基礎控除を計算してはいけない

さらに重要なのが「合計所得金額」です。

基礎控除額は合計所得金額によって決まります。

そして国税庁は、合計所得金額について、申告分離課税の所得がある場合には、その所得金額も加算すると説明しています。

一次情報はこちらです。

国税庁「合計所得金額」

つまり、

給与所得500万円

株式の申告分離課税所得200万円

という人なら、基礎控除の判定で株の200万円を完全に無視できるわけではありません。

申告分離課税は税率を別に計算しますが、所得控除の適用条件を見るときには再び登場してくるわけです。

このあたりが非常にややこしいです。

「分離したなら最後まで分離しておいてくれ」と思いますが、税制度はそう簡単ではありません。

所得控除はどこから差し引かれる?

まず総合課税の所得から控除される

実際の税額計算では、給与所得や事業所得など総合課税となる所得があります。

そこから基礎控除や社会保険料控除などの所得控除を差し引きます。

例えば、

総合課税となる所得300万円
所得控除150万円

なら、

300万円-150万円=150万円

というイメージです。

この150万円が総合課税側の課税所得になります。

控除しきれなければ分離課税側へ回る場合がある

問題は所得控除のほうが大きい場合です。

例えば、

総合課税所得50万円
所得控除100万円

なら、総合課税所得だけでは50万円分しか使えません。

では残り50万円は完全に消えてしまうのでしょうか?

そうとは限りません。

国税庁の確定申告の説明では、申告分離課税などがある場合、各所得金額から「所得から差し引かれる金額」を順次控除して計算する仕組みが示されています。特に退職所得の記載方法では、ほかの所得から引ききれなかった所得控除を、その後の所得から差し引く計算方法が明記されています。

したがって、

「株などの申告分離課税所得には基礎控除を絶対に使えない」

と一律に説明するのは不正確です。

実際には総合課税所得、申告分離課税所得、退職所得などを含めた申告全体で計算を見る必要があります。

株式投資と基礎控除の関係

特定口座の利益は申告するかどうかでも変わる

株式投資ではさらに注意が必要です。

上場株式の売却益は申告分離課税です。

ただし、源泉徴収ありの特定口座なら、確定申告をしないこともできます。

この場合、その所得を申告に含めるかどうかで影響が変わってきます。

一方、確定申告して申告分離課税として扱う場合には、申告書第三表を使って税額を計算します。

国税庁「株式等の譲渡所得等」

「株の利益は約20%税金を払えば終わり」とだけ考えるのは少し乱暴です。

所得税だけではなく、確定申告によって所得控除やほかの制度に影響する可能性まで考える必要があります。

FXも申告分離課税になる

国内FXは原則として申告分離課税

国内の一定のFX取引についても申告分離課税となります。

国税庁によると、一定の先物取引に係る雑所得等については、他の所得と区分して所得税15%、地方税5%で課税されます。さらに復興特別所得税もかかります。

国税庁「先物取引に係る雑所得等の課税の特例」

ここでも「分離課税だから基礎控除とは無関係」と決めつけるべきではありません。

ほかに給与所得や事業所得がどれだけあるか、所得控除がどれだけあるかによって最終的な計算は変わります。

特に本業の所得が少なく、FXなどの申告分離課税所得が中心になっている人は確認したほうがいいでしょう。

株の損失と基礎控除は別物

損益通算と所得控除を混同してはいけない

ここは非常に間違えやすいポイントです。

「所得控除を分離課税所得から差し引ける場合がある」

という話と、

「株の損失を給与所得から差し引ける」

という話は別です。

上場株式の譲渡損失は、原則として給与所得や事業所得などから自由に差し引くことはできません。

国税庁も、株式等の譲渡損失について、給与所得など他の所得との損益通算は原則できないと説明しています。

国税庁「株式等の譲渡損失(赤字)の取扱い」

ただし一定の上場株式等については、申告分離課税を選択した配当所得との損益通算や、損失の3年間の繰越控除が認められる場合があります。

つまり、

基礎控除=所得控除

株の赤字=損失

です。

似ているようで税務上は別物です。

ここをごちゃ混ぜにすると確定申告で迷子になります。

配当所得は課税方法の選択にも注意

総合課税と申告分離課税では扱いが変わる

上場株式等の配当については、条件によって総合課税または申告分離課税を選択できます。

申告分離課税を選択した場合、所得税率は原則15%となりますが、配当控除を受けることはできません。

国税庁「利子所得と配当所得の課税方法」

そのため、

「申告分離課税のほうが税率が低そうだから得」

とも限りません。

所得水準、配当額、株式の譲渡損失、所得控除などを合わせて判断する必要があります。

私は税金を考えるとき、一部分の税率だけを見るのはかなり危険だと思っています。

最終的にいくら手元に残るのか。

ここを見るべきです。

分離課税がある人が確定申告で確認すべきポイント

e-Taxで計算するのが現実的

分離課税と所得控除を手作業で完全に計算しようとすると、一気に難易度が上がります。

総合課税所得、申告分離課税所得、基礎控除、社会保険料控除、生命保険料控除、損失の繰越などが絡むからです。

申告分離課税所得がある場合、国税庁も申告書第三表を使用するよう案内しています。

個人的には、自分で計算式を組んで税額を確定させるより、国税庁の「確定申告書等作成コーナー」に数字を入力して確認する方法が安全だと思います。

国税庁「確定申告書等作成コーナー」

特に株、FX、不動産売却などが重なっているなら、「分離課税だから税率を掛ければ終了」と考えないほうがいいです。

まとめ|分離課税でも基礎控除は無関係ではない

「分離課税には基礎控除が使えない」

これはかなり雑な説明です。

申告分離課税とは、ほかの所得とは分けて税額を計算する制度です。しかし、所得控除まで完全に無関係になるわけではありません。

さらに2025年分以後は基礎控除自体が見直され、2025年分・2026年分では合計所得金額によって最大95万円となっています。

そして申告分離課税の所得も、基礎控除額などを判断する「合計所得金額」に含まれる場合があります。

だからこそ、

「分離課税=基礎控除なし」

と覚えるのは危険です。

株、FX、不動産などの利益があるなら、「どの所得に何%かかるか」だけではなく、「所得控除を含めて最終的に課税所得がいくらになるのか」まで確認するべきです。

税金は一部分だけを見ると簡単ですが、全体をつなげた瞬間に急に牙をむきます。

だからこそ、分離課税、所得控除、損益通算を別々に理解し、最後に確定申告全体で確認する。

これが一番確実です。

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この記事を書いた人

30代ブロガー
いろいろあって苦労したことの備忘録
少しでも皆さまのお役に立てれば幸いです✨

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