30代、月収15万円、そして負債600万円。
かなり厳しい数字だ。
「食費を削って、遊びをやめて、毎月少しずつ返していけば何とかなるのでは?」
本当にそうだろうか?
私は、この状態で一番危険なのは「もっと節約すれば返せる」と思い込み、何年も同じ返済を続けることだと思っている。
もちろん節約は必要だ。しかし、月収15万円に対して負債600万円あるなら、問題の中心はコンビニで500円使ったことではない。収入に対して負債が大きすぎることだ。
だから現状打破のために必要なのは、根性ではない。
借金を増やさない。
家計を黒字化する。
収入を増やす。
そして、必要なら債務整理を使う。
この順番で生活そのものを作り直す必要がある。
借金600万円は重い。しかし30代なら、ここから生活を立て直す時間はまだ十分に残っている。
むしろ危険なのは、何も決めないまま40代へ突入することだ。
月収15万円・負債600万円は「普通に返す」だけではかなり厳しい
まず現状を直視する必要がある。
月収15万円しかない状態では、そこから家賃、食費、水道光熱費、通信費、社会保険料、税金などを支払わなければならない。
残った金額から借金を返すことになる。
仮に生活費をかなり削って毎月3万円返したとしても、元本600万円だけで長い年月が必要になる。さらに実際の借金には金利が付く場合がある。
ここを無視してはいけない。
「毎月返済できているから大丈夫」
そう思いたくなる。
しかし、毎月返しているのに元本がほとんど減っていないなら、それは前進しているように見えて、ほぼ同じ場所を歩いている可能性がある。
まず確認するのは「毎月いくら返しているか」ではない
私なら最初に次の数字を全部書き出す。
- 借入先
- 現在の残高
- 金利
- 毎月の返済額
- 完済予定日
- 滞納の有無
- 保証人の有無
- 車や住宅など担保の有無
借入先すら正確に分からなくなっている場合は、信用情報機関への情報開示という方法もある。
金融庁も、借入状況を確認する方法としてCIC、JICC、全国銀行個人信用情報センターを案内している。
借金問題は、数字が分からない状態が一番怖い。
600万円という総額だけを見て落ち込むのではなく、600万円の中身を分解することから始めるべきだ。
最初にやるべきことは「借金を増やさない」
借金600万円から抜け出そうとしているのに、新しい借金を増やしていたら話にならない。
特に危険なのが、
「今月の返済が苦しいから別の会社から借りる」
という行動だ。
返済のための借入を始めると、一気に状況が複雑になる。
法テラスも、借金返済のためにさらに借金を重ねる状態を多重債務として説明し、返済に無理があるなら早い段階で債務整理を検討する必要があるとしている。
クレジットカードを生活費に使い続けない
家計が赤字なのにカードで生活費を払うと、赤字が見えにくくなる。
現金が減らないので、一瞬だけ生活が楽になったように感じる。
当然、錯覚だ。
翌月以降へ支払いを移動させただけである。
リボ払い、キャッシング、後払いサービスなどで生活費を補っているなら、まずそこを止めたい。
金融庁も「即日現金化」「後払い現金化」などについて、経済状態をさらに悪化させ、多重債務につながる危険があると注意している。
苦しいときほど、怪しい「現金化サービス」が救いに見えてくる。
そこには近づかない方がいい。
自分で借入を止められないなら貸付自粛制度もある
「借りない」と決めても、また借りてしまう。
そんな場合には、日本貸金業協会の「貸付自粛制度」という仕組みもある。
本人が申告すると、その情報が信用情報機関に登録され、新しい借入を抑えるために利用される制度だ。登録されたから絶対に借りられなくなるとは限らないが、借金を繰り返してしまう人にとっては一つの選択肢になる。
意志だけで止められないなら、仕組みを使って止めればいい。
月収15万円なら「節約」より収入アップを優先する
もちろん支出削減はする。
ただし、私は月収15万円という状況なら、節約だけに時間を使うのは効率が悪いと思っている。
食費を月5,000円削ることには限界がある。
一方で収入を月3万円増やせれば、年間ではかなり大きな差になる。
固定費は一度だけ徹底的に削る
まず削るなら固定費だ。
例えば、
- 高すぎる家賃
- 不要な保険
- 使っていないサブスク
- 高額なスマホ料金
- 維持費の高い車
- 不要な有料サービス
このあたりは確認したい。
逆に毎日スーパーで20円安い商品を探し続けるような節約は、時間に対する効果が小さい。
借金600万円を相手にしているのだ。
20円では戦えない。
固定費を整理したら、収入を上げる方へ時間を使う。
月収15万円を20万円、25万円へ近づける
30代なら、私はここをかなり重要視する。
現在の仕事で月収15万円から上がる可能性が低いなら、
転職、副業、資格取得、勤務時間の増加などを検討する。
いきなり年収500万円を目指す必要はない。
まず月3万円。
次に月5万円。
これだけでも家計は変わる。
特に借金問題では「収入が増えた分を生活レベルの上昇に使わない」ことが重要だ。
月収が3万円増えたら3万円使う。
人間は実に器用に生活水準を上げる。
それをやっていたら永遠に終わらない。
生活費を維持したまま、増えた収入を生活再建へ回すべきだ。
600万円を自力返済することだけが正解ではない
ここはかなり重要だ。
日本には債務を整理する制度がある。
法テラスは主な方法として、
- 任意整理
- 破産手続
- 個人再生手続
- 特定調停
を案内している。
「借金したのだから全部自力で返さなければならない」
そう考える人もいるだろう。
気持ちは分かる。
ただ、返済によって生活そのものが壊れる状態になっているなら、法的な仕組みを調べる価値はある。
任意整理だけで解決できるとは限らない
任意整理では、弁護士や司法書士などを通して債権者と返済条件について交渉する。
裁判所を使わずに進められる場合があるため、債務整理としてよく知られている方法だ。
ただし、借金600万円、月収15万円という条件では、私は「とりあえず任意整理」と決めるのは危険だと思う。
重要なのは、整理後の返済額を本当に払い続けられるかどうかだ。
返済額を少し下げても生活が赤字なら、問題を数年先へ送っただけになる。
法テラスも、任意整理後に返済が難しくなった場合には、家計状況を改めて確認し、自己破産、民事再生、再度の任意整理、特定調停などを検討する場合があるとしている。
最初から「完済できる返済計画なのか」を見るべきだ。
個人再生なら600万円が大きく減る可能性もある
600万円という金額で特に知っておきたいのが個人再生だ。
個人再生は、継続的な収入が見込める人が裁判所を利用して生活を再建する手続きである。
裁判所によると、個人再生を利用できる債務総額は原則として5,000万円以下などの条件がある。
さらに裁判所が示している一般的な最低弁済額の基準では、債務総額が500万円を超えて1,500万円以下の場合、基準となる金額は債務総額の2割となっている。
600万円なら、単純な2割は120万円だ。
これはかなり大きな差である。
ただし、
「600万円が必ず120万円になる」
という意味ではない。
保有資産の金額や手続きの種類によって、返済すべき金額が120万円より大きくなる場合がある。給与所得者等再生では可処分所得による基準もある。
また、裁判所によれば個人再生の返済期間は原則3年で、特別な事情がある場合は5年まで延長できる。
だからこそ、一度専門家に数字を出してもらう価値がある。
600万円をそのまま返すケースと、個人再生を利用するケースでは、生活再建までの道がまったく変わる可能性があるからだ。
自己破産も「人生終了」ではない
自己破産という言葉だけで拒否反応を起こす人は多い。
私も、その気持ちは理解できる。
しかし、制度を知らずに怖がるのはもったいない。
裁判所は破産・再生手続きを、返済が事実上困難になった人が経済的に立ち直るための裁判手続きとして説明している。
個人の場合、破産しただけで借金の支払義務が消えるわけではなく、裁判所から免責許可を受け、それが確定することで、原則として対象となる債務について返済責任を免れることになる。
もちろん何でも消えるわけではない。
養育費など、免責されない債務もある。資産の状況や借金の理由などによって手続きも変わる。
だから自己判断で決める話ではない。
それでも、
「自己破産だけは絶対に嫌だから、生活費が残らなくても返済を続ける」
という考え方も危険だ。
守るべきなのは借金ではない。
自分の生活だ。
月収15万円なら法テラスを使える可能性も確認する
「弁護士に相談したいけれど、お金がない」
借金問題では、この矛盾がよく起こる。
しかし法テラスには、経済的に困っている人を対象として、弁護士・司法書士による無料法律相談や費用の立替制度がある。
利用には収入や資産などの条件と審査がある。
借金600万円を抱えて月収15万円という状況なら、最初から「弁護士費用を払えないから無理」と決めつけず、利用条件を確認した方がいい。
また、公益財団法人日本クレジットカウンセリング協会(JCCO)では、借金について無料相談を行い、希望や条件によっては無料で任意整理や家計改善の支援も行っている。
金融庁も全国の財務局などに多重債務相談窓口を設けている。
相談先は一つではない。
借金問題で一番やってはいけないのは、誰にも話さず一人で計算し続けることだ。
私なら「返済」より先に生活再建計画を作る
もし私が30代、月収15万円、負債600万円の状態なら、次の順番で動く。
まず新しい借金を止める。
次に借入先、残高、金利、毎月の返済額を一覧にする。
そのうえで家賃、通信費、保険、車などの固定費を見直す。
そして仕事を変える、副業を始めるなどして、月収を3万円でも5万円でも増やす。
同時に法テラスなどで債務整理について相談する。
ここが重要だ。
収入アップしてから相談するのではない。並行して動く。
600万円の借金を抱えている状態では、「半年頑張ってから考えよう」という半年すら高くつく可能性がある。
債務整理するかどうかは相談してから決めればいい。
相談したから自己破産しなければならないわけではない。
制度を知った上で、自力返済できるなら返済すればいい。
選択肢を知らないまま返済するのと、全部調べた上で返済を選ぶのでは意味が違う。
30代なら現状打破は十分可能。ただし放置はしない
月収15万円、負債600万円。
楽観できる数字ではない。
しかし、「もう人生は終わった」と考える必要もない。
30代なら、働ける時間はまだ長い。
収入を増やせる可能性もある。
生活費も見直せる。
そして日本には債務整理の制度もある。
つまり、打てる手は残っている。
問題なのは、借金600万円そのものより、
「何となく毎月返しているだけ」
という状態を続けることだ。
私はここを最初に変えるべきだと思う。
借入残高を全部確認する。
新しい借金を止める。
家計を黒字化する。
収入を増やす。
そして専門家に相談し、自力返済、任意整理、個人再生、自己破産などを数字で比較する。
600万円を600万円のまま真正面から殴り続ける必要はない。
使える制度まで含めて戦略を作ればいい。
まとめ|600万円の借金より怖いのは、何もしないまま時間を失うこと
月収15万円で負債600万円なら、節約だけで解決しようとするのはかなり厳しい。
必要なのは、
借金を増やさないこと。
支出を減らすこと。
収入を増やすこと。
そして債務整理を含めた選択肢を専門家と確認することだ。
特に個人再生や自己破産は、名前だけを見て避けるのではなく、「自分の場合はいくら返すことになるのか」「何を失う可能性があるのか」を数字で確認した方がいい。
私は30代なら、まだ十分に立て直せると思っている。
ただし、それは今日から動いた場合の話だ。
借金は、考えているだけでは1円も減らない。
600万円という数字を眺め続けるのは終わりにして、まず借入先と残高を全部書き出す。
現状打破は、そこから始まる。
※債務整理の結果は、借金の種類、資産、収入、保証人の有無などによって変わります。具体的な手続きを検討する場合は、法テラス、弁護士、司法書士などの専門家へ相談してください。

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