買ったばかりのベッドが、寝返りをするたびに「キシキシ」「ギシギシ」と鳴る。これはかなり腹が立つ。
安眠するために買ったはずなのに、少し動くだけで音が鳴るなら、巨大な楽器を寝室に置いたのと同じではないか?
しかも、新品だから音が出るのは仕方がないと思い、そのまま使い続ける人もいる。しかし、買ったばかりのベッドがキシキシいう場合、必ずしも「新品だから」という理由だけではない。
多くの場合、原因はネジの締め不足、部品同士のこすれ、すのこのズレ、床の傾きなどだ。簡単な調整だけで改善する可能性は高い。
一方で、フレームの割れや変形など、初期不良が原因になっていることもある。異常があるのに無理やり使い続けるのは危険だ。
この記事では、ベッドがキシキシいう原因と、自分でできる改善方法を分かりやすく解説する。
買ったばかりのベッドがキシキシいう主な原因
ベッドのきしみ音は、どこかの部品が動き、別の部品とこすれることで発生する。
ニトリの公式サイトでも、きしみ音は接合部の部材同士がこすれることで発生し、ネジの緩みによって隙間ができると音が出やすくなると説明されている。
新品のベッドでも、組み立て方や設置場所によっては、使い始めたその日から音が出る。
ネジやボルトの締め付けが弱い
最初に確認するべきなのが、ネジやボルトだ。
ベッドフレームは、ヘッドボード、サイドフレーム、フットボード、中央の補強板など、複数の部品をネジで固定している。
このネジが少しでも緩いと、寝返りをしたときに接合部分が動く。そこで木材や金属がこすれ、キシキシという音が出る。
特に、自分で組み立てたベッドは注意が必要だ。
説明書どおりに組み立てたつもりでも、左右のネジを均等に締めていないことがある。また、組み立て途中でネジを強く締めすぎると、最後にフレーム全体がうまく合わなくなる場合もある。
私なら、ベッドが鳴り始めたら、まずネジを疑う。マットレスを買い替えるより、ネジを確認するほうが圧倒的に早く、お金もかからない。
フランスベッドも、ベッドからギシギシ音がするときは、マットレスと床板を外し、フレームの取り付けネジを締め直すよう案内している。
フレームの部品同士がこすれている
ネジが締まっていても、フレームの接合部分がこすれて音が出ることがある。
木製ベッドの場合、木材同士が接触する場所から音が出やすい。金属製のパイプベッドでは、金具やパイプの接合部分が原因になる場合がある。
ベッドに体重がかかると、フレームはわずかに動く。その動きは目では分からなくても、音が出る程度の摩擦は発生する。
新品でも、部品の表面に小さな段差があったり、接合部分が少しずれていたりすると、音が出る可能性がある。
ただし、接触部分に何でも潤滑油をかければよいわけではない。木材や布に油が付けば、シミや変色の原因になる。
フランスベッドは、金属の接合部については潤滑油できしみ音を抑えられる場合があると案内している。使用する場合は、説明書を確認し、金属同士が接触する場所だけに少量使うべきだ。
すのこや床板がずれている
すのこベッドでは、すのこがフレームに当たって音が出ることがある。
すのこが固定されていないタイプでは、寝返りによって少しずつ位置が動く。その結果、すのこの端とフレームがこすれる。
また、すのこを支える部分に小さな隙間があると、体重をかけたときに床板が上下して音が出る。
確認方法は難しくない。
マットレスを外し、すのこを一枚ずつ手で押してみる。押したときに音が出る場所があれば、そこが原因の可能性が高い。
薄いフェルトや専用の緩衝材を接触部分に挟むと改善することがある。ただし、厚すぎる物を入れると床板が浮き、別の場所に負担がかかる。大量に詰めればよいという話ではない。
ベッドの脚が床に正しく接していない
ベッド本体ではなく、脚と床の間から音が出ている場合もある。
床が完全に平らとは限らない。見た目では分からない程度に傾いていたり、フローリングの一部が沈んでいたりすることもある。
ベッドの脚が均等に床へ接していないと、寝返りをするたびにベッド全体がわずかに動く。そのとき、脚と床がこすれてギシギシと鳴る。
ニトリは、床が少し傾いた場所にベッドを置くと、床と脚の摩擦で音が出ることがあり、設置位置の変更やフェルトなどの緩衝材で軽減できると説明している。
フランスベッドも、脚と床の間から音が出る場合には、カーペットやフェルトを敷く方法を勧めている。
中央の補強脚が浮いている
ダブルベッドやクイーンベッドなど、横幅が広いベッドには、中央部分に補強用のフレームや脚が付いていることが多い。
この中央脚が床に届いていないと、ベッドに体重がかかったときだけフレームが沈む。そのたびに金具や床板が動き、きしみ音が出る。
反対に、中央脚だけが長すぎる場合も問題だ。ベッドの四隅がわずかに浮き、全体が不安定になる。
中央脚の高さを調整できる製品では、床へ軽く接するように調整する。ただし、製品ごとに正しい状態は異なるため、必ず付属の説明書を確認してほしい。
組み立て説明書を紛失した場合でも、メーカーの商品ページからダウンロードできることがある。例えばIKEAでは、商品ページの「商品の詳細」から組み立て説明書を確認できる。
ヘッドボードが壁に当たっている
音の原因がベッド内部ではなく、ヘッドボードと壁の接触という場合もある。
寝返りでベッドが少し動き、ヘッドボードが壁紙にこすれると、キュッキュッという音や低いきしみ音が出る。
確認するには、ベッドを壁から数センチ離して寝てみればよい。それだけで音が消えれば、原因はほぼ壁との接触だ。
壁から離して設置するか、ヘッドボードの裏側にフェルトやクッション材を貼ると改善しやすい。
ただし、ベッドの種類によっては壁に固定する部品が付属している。安全対策のための部品を勝手に外すのは避けるべきだ。
マットレスから音が出ている
フレームを疑っても原因が分からない場合は、マットレスを確認する。
スプリング入りマットレスでは、内部の金属や詰め物が動くことで音が出る場合がある。
フランスベッドによると、マットレスは構造上、寝返りをしたときに多少の音が発生する場合があり、ザワザワした音は生地や詰め物の接触音である可能性がある。
ただし、買ったばかりのマットレスから大きな金属音や異常なきしみ音が出る場合は、正常とは限らない。
マットレスを床に直接置き、その上で寝返りをしてみると切り分けやすい。床に置いても同じ音が出るなら、フレームではなくマットレス側が原因の可能性が高い。
ベッドのきしみ音を改善する方法
原因を確認せず、いきなりネジを限界まで締めたり、潤滑油を大量に吹きかけたりするのは危険だ。
順番に確認すれば、無駄な作業を減らせる。
マットレスとフレームを分けて確認する
最初に、音がベッドフレームから出ているのか、マットレスから出ているのかを切り分ける。
まず、マットレスを床へ移動し、寝返りをして音を確認する。
床でも音が出れば、マットレス側の可能性が高い。床では音が出なければ、フレーム、すのこ、脚などを確認する。
次に、マットレスを外した状態で、フレームの四隅や中央部分を手で押す。
音が出る場所を特定できれば、修理や調整は一気に楽になる。音の場所も分からないまま全部を触ると、原因を増やしかねない。
ネジを一度緩めてから均等に締める
ベッド全体が少しゆがんだ状態で固定されている場合、ネジを上から強く締めるだけでは改善しないことがある。
私が勧めるのは、主要なネジを少しだけ緩め、フレームの位置を整えてから均等に締め直す方法だ。
片側だけを最初から強く締めず、左右を少しずつ締めていく。車のタイヤを固定するときと同じように、全体のバランスを見ながら進める。
ただし、締めすぎは逆効果だ。
ニトリも、ネジを締めすぎるとネジや受け側の部品が破損する原因になると注意している。
力任せに締めれば頑丈になるわけではない。人間は工具を持つと急に限界へ挑戦したくなるが、ベッドは筋力測定器ではない。
フェルトや薄い緩衝材を入れる
フレームとすのこ、脚と床、ヘッドボードと壁など、部品同士がこすれている場所には、フェルトや薄い緩衝材が使える。
効果が期待できる場所は次のとおりだ。
・ベッドの脚とフローリングの間
・すのことフレームの接触部分
・ヘッドボードと壁の間
・床板と金属フレームの接触部分
厚いゴムや布を無理に詰め込む必要はない。接触をやわらげる程度の薄さで十分だ。
床とベッドの間にゴム製シートやマットを敷くことは、音だけでなく床の傷を防ぐ対策にもなる。
ベッドの設置場所を変える
床の傾きや沈みが原因の場合は、ベッドを10センチから20センチ動かすだけで改善することがある。
特に古いフローリングや畳の部屋では、場所によって床の状態が違う。
ベッドを少し移動して音が消えるなら、フレームを分解する必要はない。
水平器があれば、ベッドの左右と前後を確認すると分かりやすい。水平器がなくても、ベッドを軽く押し、特定の脚だけが浮いていないか確認できる。
すのこの位置と向きを確認する
すのこが正しい位置に置かれているかも確認する。
表裏や向きが決まっている製品もある。固定用のネジやテープが付属しているのに、使っていない可能性もある。
付属部品が余っている場合は要注意だ。
組み立てが終わったあとに小さな金具やワッシャーが残っているなら、「予備だった」で済ませず、説明書の部品一覧と照らし合わせるべきだ。
正しく組み立てることは、音を減らすだけでなく、安全に使用することにもつながる。IKEAも、組み立て説明書の注意事項や手順を確認するよう案内している。
買ったばかりなら初期不良も疑うべき
調整しても改善しない場合は、初期不良や部品の不具合を疑ったほうがよい。
新品なのに音が出るからといって、すべてが初期不良とは限らない。しかし、何をしても直らないベッドを我慢して使い続ける必要もない。
フレームに割れや変形がある
木製フレームに割れ、ヒビ、欠け、反りがある場合は、使用を中止したほうがよい。
特に、ネジ穴の周辺や中央の補強部分に割れがある場合は危険だ。
金属フレームでも、溶接部分の割れ、パイプの曲がり、ネジ穴の変形があれば、自分で修理しないほうがよい。
ニトリも、異常な揺れや音がある場合は使用を中止し、折れ、割れ、ヒビなどがないか点検するよう案内している。
部品が不足している
ワッシャー、固定金具、補強板などが不足していると、ネジを締めても部品同士に隙間が残る。
説明書に書かれた部品数と、実際に取り付けた部品を確認する。
不足している場合は、似たサイズのネジをホームセンターで買って代用する前に、販売店へ連絡したほうがよい。
ネジの長さや太さが少し違うだけでも、フレーム内部を傷つける可能性があるからだ。
組み直しても同じ場所から大きな音が出る
正しく組み直し、設置場所を変え、緩衝材を入れても同じ場所から大きな音が出る場合は、部品そのものに問題がある可能性が高い。
その場合は、音が出る様子を動画で撮影しておくとよい。
購入日、商品名、注文番号、音が出る場所、試した対策を整理して販売店へ伝える。電話だけで「キシキシいいます」と説明するより、動画があるほうが状況を理解してもらいやすい。
販売店ごとに返品や交換の条件は異なるため、購入先の規約を確認する必要がある。例えばIKEAでは、商品に不具合が確認された場合の返品手続きや、配送時のダメージに関する申請方法を案内している。
自己流で穴を開けたり、接着剤で固定したりする前に問い合わせるべきだ。自分で大きく加工すると、交換や保証の対象外になる可能性がある。
ベッドのきしみを防ぐために定期点検する
一度音が消えても、ベッドは使っているうちにネジが緩むことがある。
毎日の寝返りや乗り降りによって、フレームには少しずつ振動が伝わるからだ。
ニトリは、ネジ類の緩みと締め直しを定期的に行い、月に1回程度を目安に点検するよう案内している。緩んだまま使うと、きしみだけでなく、グラつきや破損につながる可能性がある。
毎月ベッドを完全に分解する必要はない。
フレームを軽く揺らす、ネジに緩みがないか確認する、脚が浮いていないか見る。この程度でも十分に意味がある。
音が大きくなってから慌てるより、数分の点検で終わらせたほうがよい。
まとめ
買ったばかりのベッドがキシキシいう主な原因は、ネジの締め不足、フレームやすのこの摩擦、脚と床の接触、設置場所の傾き、マットレス内部の音だ。
まずはマットレスを床に置き、音の原因がマットレスかフレームかを切り分ける。
フレームが原因なら、次の順番で確認するとよい。
- ネジやボルトを均等に締め直す
- すのこや床板の位置を確認する
- ベッドの脚と床の接触を確認する
- フェルトや薄い緩衝材を入れる
- ベッドを壁や現在の設置場所から少し動かす
それでも改善しない場合や、割れ、変形、強いグラつきがある場合は、使用を中止して販売店へ相談するべきだ。
新品ベッドのきしみ音は、簡単な調整で直ることも多い。しかし、「そのうち音が消えるだろう」と放置するのは勧めない。
ベッドは毎日、長時間使う家具だ。小さな音でも、毎晩続けば立派なストレスになる。
安眠のために買ったベッドなのだから、我慢して寝るのではなく、原因を見つけて早めに直すべきだ。

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