役員賞与のもらい方や手続き、必要な作業について詳しく知りたいと考えていませんか?
中小企業の経営者や役員にとって、「どうすれば役員賞与を適切にもらえるのか」「税務上問題にならないためには何が必要か」は極めて重要なテーマです。
この記事では、役員賞与のもらい方、具体的な手続き方法、必要な書類や注意点を徹底的に解説します。
そもそも役員賞与とは?
役員賞与とは、企業の取締役や執行役員などに対して支給されるボーナスのことです。
一般従業員への賞与とは異なり、**税務上の取り扱いが非常に厳しく規定されており、適切な手続きを踏まなければ損金不算入(経費として認められない)**となってしまう可能性があります。
役員賞与をもらうための大前提:事前確定届出給与
役員賞与をもらうには、単純に支給するだけでは不十分です。
「事前確定届出給与」として税務署に届け出ることが、役員賞与の損金算入(経費処理)に必要不可欠な条件です。
この届出とは、「いつ」「誰に」「いくら」支給するかを、あらかじめ定めて税務署に提出するものです。
届出の提出期限に要注意!
事前確定届出給与の届出は、以下のいずれか早い日が期限となります。
- 株主総会などで賞与の決議がされた日から1ヶ月以内
- 会計期間開始日から4ヶ月以内
この期限を1日でも過ぎると、たとえ実際に支給したとしても、賞与分は法人の損金(経費)として認められず、法人税が高くなるリスクがあります。
役員賞与のもらい方・実際の手続きと流れ
役員賞与を適切にもらうためには、以下のステップが必要です。
① 支給内容の決定(社内会議または株主総会)
まず、役員賞与の支給金額、対象者、支給日などを明確に決定します。
これは取締役会議事録や株主総会議事録に記録しておく必要があります。
② 事前確定届出給与の作成
決定した支給内容に基づき、「事前確定届出給与に関する届出書」を作成します。
ここには、支給日や支給額、支給対象役員の氏名などを記載します。
③ 税務署への届出提出
作成した届出書を、会社の所在地を管轄する税務署へ提出します。
書面提出・電子申告どちらでも可能ですが、提出期限を過ぎないことが最重要ポイントです。
④ 支給日の実施
届け出た支給日どおりに、記載した金額を確実に支給します。
日付や金額にズレがあると、損金算入が認められなくなるため、口座振込の記録などを必ず残しておきましょう。
必要な作業と注意点
役員賞与を問題なくもらうためには、細かい作業と正確な管理が求められます。
- 株主総会議事録・取締役会議事録の作成
- 事前確定届出給与の届出書作成(様式は国税庁のサイトでダウンロード可能)
- 提出期限の管理(カレンダーやリマインダーで徹底管理)
- 支給日の厳守と証拠書類の保管
- 社会保険・所得税・住民税の処理(給与と同様に源泉徴収が必要)
また、税理士などの専門家と相談しながら進めることで、法令違反のリスクを避けつつ、節税効果も期待できます。
まとめ:正しく手続きすれば、役員賞与は合法的に受け取れる!
役員賞与のもらい方にはルールがあり、適切な手続きを踏めば損金算入も可能となります。
一方で、手続きが一つでも抜けると、税務署から否認されて結果的に税負担が増えるという事態にもなりかねません。
「役員賞与のもらい方」「手続き方法」「必要な作業」を正しく理解し、確実に実行することが、経営の安定にもつながります。
迷ったら、税理士や会計の専門家へ相談することも一つの手です。
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