他人から嫌われても気にせず生きていく心得とは?

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作家のDavid Foster Wallace氏が著作『Infinite Jest』に書いているように、「あなたが何をしようとあなたのことを好きじゃない人はいる」ものです。
どんなに好かれるように振る舞っていても、会う人すべてに愛されることは不可能なのです。
催眠術療法士であり不安の専門家でもあるChloe Brotheridge氏もこう言っています。

目次

他人から嫌われても気にせず生きていく心得とは?

誰も彼もを喜ばせることはできません。
あなたにはあなたの性格があります。
つまり、あなたを愛してかわいがってくれる人がいれば、そうでない人もいます。

このような考え方は、表面的には誰もがわかっていると思います。
それでも、たとえば同僚のパーティーに自分がよばれていないことを知ったり、友達になれそうだった相手から曖昧な返答が来たり、ルームメイトの悪口を聞いてしまったりしたとき、そのような考え方をするのはなかなか難しいと思います。
社会的な人間関係や恋愛関係など、種類を問わず、拒絶は苦しくて同然です。仲間はずれにされて、自尊心を傷つけられない人はいないのです。
でも、まずは落ち着いて。
人から嫌われることは、よくあるだけでなく、健全なことでもあるのですから。
拒絶は、人と人との相性を試すための手段です。
恋人に振られるのは「もっと適したパートナーに出会うため」、グループで仲間はずれにされるのは「もっと気の合う仲間に出会うため」と考えてください。
そして、嫌われることを恐れない気持ちを持ちましょう。
社会的規範に反する行動をしろと言っているのではありません。
他人から好かれることにエネルギーを費やすのをやめたとき、自分のことを本当に好きになってくれる人に出会えるでしょう。
そうやって築いた人間関係は、続けていくのが苦になることはありません。
それでも、やっぱり嫌われるのは嫌ですよね。
そこで、他人から嫌われても、悲しみの淵に沈まないようにするための方法を紹介しましょう。

1.苦しむのはいたって普通のこと

そもそも人間は社会的な生き物であり、拒絶に対して生物学的に苦しい反応をするようにできています。Brotheridge氏はこう言います。

歴史的に、それは人類の生存に欠かせないものでした。進化を遂げ、部族で暮らすようになったとき、拒絶は生死に関わる問題になったからです。

拒絶されると、脳は感情的な化学反応を示します。それがあまりにも強いと、身体的な痛みを伴います。また、悲しみの各段階と似たような、一連の反応を経験することも多いようです。そのプロセスは、自分を責めることからはじまります。
『When Kids Call the Shots』の著者であり心理療法士でもあるSean Grover氏はこう言います。

最初の停車駅は、「自分のせいだ。私は彼らを怒らせることをしてしまったに違いない」という自己非難です。次は羞恥心。恥ずかしい、屈辱を受けた、自分は弱いという感覚に襲われます。

そのあと、見捨てられた人と同じように、拒絶者を取り戻そうとします。Grover氏は、このプロセスをこう説明します。

相手に好かれたいというよりも、自分が嫌われている感覚が好きになれないからです。つまり、「自分の気持ちを改善したいから、相手を好きにさせてやろう」という感情です。

ただ、これは失敗に終わることが多く、結果として気持ちが落ち込みます。

これは非常に原始的な初期の感情であり、退行を引き起こします。あなたは恐らく、自分がクールかどうかがすべてだった高校生や中学生、小学生時代にまで引き戻されるでしょう。そのような感情に陥ると、気持ちが落ち込み、苦しむことになるのです。

この感情は、喜ばしいものではないかもしれません。でも、くよくよ悩んで前に進めなくならない限り、いたって健全で普通のことなので安心してください。

2.あなたのせいではない

誰かにはっきり「嫌い」と言われると、自分の存在価値に疑問を感じてしまうのは無理もありません。でも誰しも、不安や自身の経験に基づいて行動をしています。そして多くの場合、嫌いという感情は双方向のもの。つまり、悪いのは相手だけでもあなただけでもなく、両方なのです。
動物行動の専門家で、デューク大学の非常勤教授を務めるJennifer Verdolinさんはこう言います。

相手がその人生で置かれているシチュエーションは、あなたのものとは異なります。
誰しも性格の好みがあり、あなたの性格が悪いわけではありません。「私とあなたとは性格が違い、できれば自分に似た人と一緒に時間を過ごしたい」
それだけの話です。

ひょっとすると、相手が気づいていないだけで、あなたの性格にも、相手と一致する側面があるかもしれません。

人間はとても社会的な生き物であり、極めて強力なヒエラルキーが存在しています。社会的な集まり(特に職場)において、誰もが戦略的な同盟を結び、自分のニーズに合うように同盟関係を切り替えたりします。だから人は、地位を獲得しようとするのです。そして多くの場合、他人から好かれているかどうかは、あなたの人間性には何の関係もありません。

いずれにしても、あなたが好かれるかどうかは、実感の有無を問わず、相手に何をもたらしているかが大きく関係します。

このことは、どんな種の動物にも共通します。どんな動物も、地位、性格、遺伝子的な何かが自分と似ている相手、すなわち家族との時間を好む傾向があります。つまり、双方の価値観に共通点がないかぎり、拒絶される可能性が高いということ。これはある意味、避けることができないのです。

3.自分が悪い行動をしていないか

誰かに嫌われるのは必ずしもあなたのせいではないと言いました。でも、どこに行っても嫌われるようなら、先入観のない目で自分の行動を見つめ直す必要があるかもしれません。Grover氏は言います。

患者を集団療法に参加させるとき、まずはその人が持つ問題や癖、言うなれば悪い社会的習性を見るようにしています。

Grover氏は、ハンサムで社会的に成功しているが、恋愛関係が続かないと相談に訪れた男性患者について話してくれました。個別の療法で問題を解決できなかったため、何とか説得して彼を集団療法に参加させることになりました。

5分もしないうちに、私は恐ろしくなりました。人々を前にした彼は、急に不安になり、過度に自信を見せることで不安をカモフラージュしようとしたのです。そのため、彼はとても傲慢に見えました。グループ内のある女性は、彼のことを知れば知るほど嫌いになりそうとコメントしました。

男性が社会的な場面で他人と関係を持つことが困難だったのは、不安がそのような形で表れてしまうためだったのです。でも、私たちの自尊心は自分の過失を認めようとしないため、彼は自分の悪習慣に気づいていませんでした。

そこで彼に、不安がそのような形で表れていることに気づかせてあげました。不安は、人を攻撃的にしたり、いっそう不安にしたりします。グループに参加させることで、それが現れます。

Verdolin氏によると、状況を把握するためには、嫌われている理由を自分から聞いてみるといいそうです。「うっとうしい」「自慢ばかり」「自己中心的」など、誰かから理由を聞けたなら、一歩引いて、その批判の証明になるものがないか自己分析してみましょう。

最終的には、「○○さんに言われた通りだ。自分にはそういう傾向があるし、それは他人から見たらあまり魅力的ではないかもしれない。これから変えていこう」と思えるほどに自分のことを知らなければなりません。真剣に考えなければならない重要な情報を教えてもらったと思って、真実かどうかを確かめてみましょう。

ただ、あなたの行動が他人をうんざりさせる可能性があっても、好き嫌いは双方向の感情であるのが普通です。Grover氏は言います。

相手があなたのことを好きか嫌いかは、その人の歴史、偏見、恐怖などを反映するのが普通です。

4.友達作りは簡単じゃない

私が特に苦手なのが、新しい仕事を始めたり引っ越したりしたときの友達作りです。所属する社会集団を変えるとき、人は孤立しやすく、嫌われている感覚や社会的不安にさいなまれやすくなるのです。Verdolin氏はこう説明します。

誰しも、「どこかの社会的集団に所属できるだろう」という非現実的な期待が心のどこかにあるのだと思います。ところが、たとえば新しい職場で人間関係を築くとき、そこにはすでにできあがった力関係が存在します。あなたからは見えない小グループができていて、それぞれの性格があり、それぞれの力関係があるのです。

そこでVerdolin氏は、あせらずに新しい環境の理解を進めることをすすめています。

動物の場合、グループ内の全員と試しに交流してからそのグループへの参加を決めます。言うなれば、飛び込む前に状況を把握しておくのです。

たとえば新しい職場では、一人ひとりの同僚と1対1でランチに行くことで、入りやすいポイントが見つかるかもしれません。

歓迎ムードの人もいるし、そうでない人もいます。

ゆっくり時間をかけてメンバーの人となりを知り、いちばん受け入れてくれそうな人にエネルギーを注ぎましょう。わざわざ排他的な人にアプローチする必要はありません。

5.自分を好いてくれる人と過ごす

一部の人から嫌われて落ち込んでいても、心のよりどころにできる人がきっと何人かはいるはず。Brotheridge氏は言います。

あなたのことを気にかけてくれている人と過ごすと、あなたの自尊心が高まり、安心感が得られます。

傷ついた自尊心の修復に取り組むよりも、あなたを尊重してくれる人との関係にエネルギーを注いだほうが、大局的に見て、時間と社会的エネルギーを有意義に使うことができるのです。
それから、真の友情を築くには、自分に誠実になることが大切です。Grover氏はこう言います。

好かれることばかり考えていると、あなたにとってストレスなだけでなく、周囲の人にも偽りであることがばれてしまうでしょう。

6.敵を受け入れる

Grover氏によると、たまの敵はいいものと受け入れるのがいいそうです。

状況を受け入れ、楽しむことです。いつも順風満帆でいるより、そういう時期もあったほうがいいのです。誰かに嫉妬されようと何だろうと、どんな感情でも歓迎してください。

わざわざ反感を買いにいく必要はありませんが、誰かがあなたのことを嫌いで、あなたもその相手のことが嫌いなら、無理をしてまでその感情を抑える必要はありません。

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