アメリカンフットボールの定期戦で関学大選手に悪質プレーを繰り返した日大の内田正人監督(62)が19日、辞任を表明。
騒動後初めて公の場に姿を見せ、大阪・伊丹空港で「全て私の責任。日大アメフトの監督を辞任します。日大学生にはまだ説明していない。弁解はしません」と説明した。
この日は兵庫・西宮市内で関学大の負傷した選手らに謝罪した。
日大監督辞任原因は悪質プレー!
問題が起きたのは、東京都内で6日にあった両校の51回目の定期戦。
パスを投げ終えて無防備な状態にあった関学大のクオーターバック(QB)に対し、日大の守備選手が背後から走り込んで激しくタックル。
関学大の選手は全治3週間のけがを負った。
この守備選手はさらに反則行為を続け、資格没収(退場)になった。日大広報部によると学内の調査に対し、内田監督は「反則行為を指示したことはない」と話し、守備選手も「監督から指示されたことはない」と答えているという。
さらには試合後に内田監督が「うちは力がないから、厳しくプレッシャーをかけている。あれぐらいやっていかないと勝てない。やらせている私の責任」などとプレーを容認するような発言をしていたことから、騒動が拡大し、関学大から10日付の抗議書を受け取っていた。
15日夜には日大のコーチが回答書を関学大に持参。
主な内容は以下の通りだった。
<1>意図的な乱暴行為を行うこと等を選手へ教えることは全くない
<2>(監督の)コメントは規則に違反してもよいと意図するものではなく、選手に「厳しさ」を求めていることから発したもの
それに対して関学大は17日、2度目の記者会見を開いた。
日大からの回答書の内容が不十分であり、さらには日大側が回答書に「意図的な乱暴行為を行うこと等を選手へ教えることは全くございません」と記していたことなどに、疑問を呈していた。
東西で何度も日本一を争ってきたライバルだが、関学大の小野宏ディレクターが「決定的に信頼関係が失われている。完全に崩壊している状態」と正直に語るなど、大きな亀裂が生まれていた。
日大は回答書で悪質なタックルについて、指導者はルールに基づく「厳しさ」を求めたが、選手の受け取り方に乖離(かいり)があったなどと説明した。
ただ、事実や経緯を確認中で24日をめどに再び回答する、としている。
関学大の鳥内秀晃監督は「乖離があったのなら、なぜ指導者は最初の危険なプレーが起きた時点で、その選手を呼んで『そういう意味ではない』と指導しなかったのか」などと指摘。
回答書は「疑念が解消出来ず、誠意ある回答とは判断しかねる」として、再回答からも誠意が感じられなかった場合、定期戦をとりやめる方針だ。
アメフト部はどうなる?
日大アメリカンフットボール部が崩壊危機に向かっている。
日大関係者が18日、退部者続出の可能性があると明かした。
ラフプレー問題が拡大する中、日大は関学大の抗議に指導者と選手が乖離(かいり)したなどと回答。
謝罪会見もない対応などに、反則したDLと同じ3年以下の下級生が指導陣に不信感を強めている。
春のオープン戦も残りすべて中止となり、今後への不安からもすでに退部を決意している部員が増えているという。
普段なら掛け声の響く日大グラウンドは静まり返っていた。
関学大が前日に会見し、24日までに日大が再回答することが明らかになった。
一夜明けたこの日は表面上動きはなかったが、その裏で日大部員の指導陣への不信感は日増しに強まっている。
関係者は「選手の指導陣への不信感や不満は強まるばかりだ。すでに退部を決意している部員も増えている」と明かした。首脳陣と幹部選手が今後を話し合っているようだが、謝罪会見もなく、状況は報道で知るだけ。大半の部員は蚊帳の外に不安は募る一方だ。
反則したDLに、内田監督が「反則をやるなら試合に出してやる」と指示したとされる。
逆らえずに従ったが、関学大に「指導と選手の受け取り方に乖離(かいり)が起きた」と回答。
特にDLと同じ3年は不信感が強まり、1、2年を含めた下級生も指導陣にはもうついていけない思いが強まっているようだ。
約150人いる部員のうち、3年以下は100人を超える。
6月の就職活動解禁を控え、来春の卒業後に不安を持つ4年や保護者もいるという。
3年以下も同様。
昨年は厳しい練習に方針が変わり、春シーズン開幕前に4年も含めて約20人が退部した。
退学した1年が他大を再受験で合格して今春からプレー。
同じ道を選ぶ部員がいても不思議はない。
指導陣と部員の溝が深まる中、チームが再始動してもボイコットや退部者続出の可能性は十分ある。
関東学生連盟の最終処分を含めて、名門日大が崩壊、存続危機にまで追い込まれてきた。
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