こんにちはTac^^です。
簿記の方法には、単式簿記と複式簿記というものがあります。
単式簿記では、基本的には収支のみを帳簿に付けるためシンプルです。
一方で複式簿記は、「借方」「貸方」という概念を用いて、少し複雑に帳簿を付けていくことになります。
「会計」が持つ報告するという意味との関係で考えた場合、単式簿記で作成された帳簿では記録自体がシンプルであるため、報告内容は簡単なものにならざるを得ず、複式簿記で作成された帳簿では記録が詳細になるため、報告もより詳細に行うことができます。
1 単式簿記
単式簿記は、「単式」とあるように取引を1つの勘定科目に絞って記載する方法です。いくつか、具体例をみてみましょう。
例1:12月8日に電気代を10,000円、現金で支払った場合
12月8日 支出 電気代 10,000円
例2:12月25日に商品30,000円を売り上げて、現金でもらった場合
12月25日 収入 商品売上 30,000円
例3:12月27日に金融機関から100,000円の借入れをした場合
12月27日 収入 借入金 100,000円
このような形で記帳を繰り返し行い、収入の合計から支出の合計を引けば、手許の現金がいくら増えたのか、減ったのかがわかる仕組みです。
とても簡単なのでわかりやすく、複雑な簿記の知識がなくとも計算できるのが特徴です。
誰でもすぐにはじめられるので、開業から間もない場合や取引が多くない場合には、単式簿記で記帳するのもよいでしょう。
しかし、単式簿記は、基本的には現金の増減を把握して記帳を行っていくため、その結果としての財政状態(現金や借金などの残高)がわからないという欠点があります。
先ほどの例でいうと、電気代が支払われ、現金が10,000円減少したということは記録されますが、その結果として例えば現金が990,000円になった、という情報はわかりません。
また、仮に借金で100,000円借りた場合なども、収入として把握しますが、その結果として現時点で借入金残高がいくらになった、という情報はわかりません。
このように、入出金だけを把握する単式簿記では、十分な報告を行うための情報提供ができないため、その欠点を補うために用いられるのが複式簿記です。
2 複式簿記
複式簿記は、「複式」とあるように、取引を複数の科目で記載する方法です。先ほどと同じ例でみてみましょう。
例1:12月8日に電気代を10,000円、現金で支払った場合
12月8日 電気代 10,000円 / 現金 10,000円
例2:12月25日に商品30万円を売り上げて、現金でもらった場合
12月25日 現金300,000円 / 商品売上 300,000円
例3:12月27日に金融機関から100,000円の借入れをした場合
12月27日 普通預金100,000円 / 借入金 100,000円
例1であれば、借方(左側)に「電気代」、貸方(右側)に「現金」というように複数の科目で記帳されています。これが複式簿記の記帳方法です。
複式簿記では、左側を「借方(かりかた)」、右側を「貸方(かしかた)」と呼びます。例1~3ともに、「借方」か「貸方」のどちらかに、「現金」や「借入金」などの勘定科目が使用されていますが、これが複式簿記の特徴であり、取引の結果として財政状態がどのように変化したのか(現金や借金がいくら減ったのか、増えたのかなど)を簿記によって表すことが可能になるのです。
ここで、簿記を知るうえで、仕訳の基本的な構成要素について紹介しましょう。
複式簿記では、資産、負債、純資産、収益、費用の5つのグループに分け、仕訳により、基本的には以下の8つを表現します。
1 資産が増えた 又は 2 資産が減った
3 負債が増えた 又は 4 負債が減った
5 純資産が増えた 又は 6 純資産が減った
7 収益が発生した
8 費用が発生した
先ほどの例1で考えると、電気代は費用(上記8)に該当し、現金を支払うことで資産が減っています(上記2)。このため、借方に電気代10,000円記入し、貸方に支払った現金10,000円を記入することになります。
次は、複式簿記をすることによって作成される貸借対照表と損益計算書についてみていきましょう。
貸借対照表と損益計算書
1.貸借対照表
貸借対照表は、先ほど挙げた5つのグループのうち「資産」「負債」「純資産」を示す書類です。
そして、「貸方」と「借方」の合計を一致させて示す書類であることから、「貸借対照表」もしくは「バランスシートB/S」と呼ばれています。
借方(左側)には、現金や売掛金といった資産項目が計上され、貸方(右側)には、買掛金や借入金などの負債項目と資本金などの純資産が計上されます。
具体的には次のようなイメージです。
借方と貸方それぞれの合計が1,250,000円で一致しています。
この貸借対照表を見れば、単式簿記ではわからなかった現金残高や、販売したけど入金がされていない売掛金の残高、借入金の残高などがわかるようになります。
下の方が大きいほど安定した運営と言える。
理想はピラミッドのようになるといい。
2.損益計算書
損益計算書は、先ほど挙げた5つのグループのうち「収益」と「費用」を示す書類です。そして、収益から費用を差し引き、会社や事業の利益を算定します。
借方(左側)には費用が、貸方(右側)には収益を記入します。
また、収益と費用の差額として利益を算定します。この損益計算書を見れば、会社や事業が儲かっているか、儲かっていないかがわかるようになります。
https://biz.moneyforward.com/blog/12515/
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