こんにちはTac^^です。
雇用保険の適用除外・対象外の基本的な考え方・要件は、雇用保険法で定められている雇用保険の加入が必要とされる条件下で働いている人の中で、特定の条件下にある方は加入をしなくて構わないというものです。
したがってまずは雇用保険に加入をしなければならないのはどういった条件に該当する場合なのかを理解しておく必要があります。
原則としては下記の要件に該当するかどうかが一つの指標となります。
より厳密にいえば労災保険と雇用保険で多少要件が異なりますので、下記条件に該当しそうな場合はハローワークに相談することをおすすめします。
また社会保険(健康保険・厚生年金保険)とは加入の要件が異なりますので、それぞれ整理しておくことも大切です。
また最近では厚生労働省に加えて国交省も社会保険、雇用保険の未加入問題に力を入れているため、加入が必要であることが判明した時点で早めの手続をとるほうがよいでしょう。
①:労働者は、所定労働時間が週20時間かつ31日以上の雇用見込みがある場合は原則として被保険者
会社に雇用されている労働者の所定労働時間が週20時間かつ31日以上の雇用見込みがある(継続的な雇用を想定している)場合は、原則として被保険者に該当します。
あくまで所定労働時間と継続雇用の見込み期間で判断をしますので、雇用形態は判断基準になりません。正社員、契約社員、パートなど形態を問わず、加入が必要です。
②:法人事業所は、従業員を1名以上雇っている場合
法人事業所の場合は、従業員が1名以上雇用していれば雇用保険の適用事業所になりますので雇用保険の設置が必要です。
適用除外
株式会社・有限会社の代表取締役(社長・経営者)・監査役などの役員
適用除外の労働者となる1つ目の例は、対象者が株式会社・有限会社の代表取締役(社長・経営者)、監査役など役員に該当する場合です。
ただし企業の監査役などの役員である場合には、従業員と同様の働き方をしているような場合であり、労働者性があれば適用除外に該当しないこともあります。
同居の親族・家族・専従者
適用除外の労働者となる2つ目の例は、対象者が同居の親族・家族・専従者に該当する場合です。
この例についても1つ目の例と同様に労働者性が認められるのかが論点となります。加入するための要件としては次の3点を満たす必要があります。
- 事業主の指揮命令に従っていることが明確であること
- 就労の実態が、他の労働者と同様であり、賃金もこれに応じて支払われていること
- 事業主と利益を一にする地位にないこと
同居の親族の場合は、事業主と利益を一にする地位にないことという要件を満たすことが非常に困難であることから加入するのが極めて難しいのが実情です。
親族が別居の場合は?
親族が別居の場合についても労働者性があるのかどうかがポイントです。同居の親族と比較すると、事業主と利益を一にする地位にないことについて立証が同居の場合よりも客観的に立証がしやすいため、加入のハードルは低めになるといえます。
季節的業務に従事する労働者(4ヶ月以内)
適用除外の労働者の3つ目の例は、対象者が季節的業務に従事する労働者(4ヶ月以内)である場合です。
この場合は、4ヶ月以上業務に従事することになった場合は、その時点で加入の必要性がでてきます。
昼間学生
適用除外の労働者の4つ目の例は、対象者が昼間学生である場合です。
ただし昼間学生の場合であっても、卒業見込証明書を有する者であって卒業前に就職し、卒業後も引き続き同一の事業主に勤務することが予定され一般労働者と同様に勤務し得ると認められる場合などは加入の必要がありますので注意が必要です。
また夜間学生の場合は、上記の例に該当しません。
外務員(外交員)
適用除外の労働者の5つ目の例は、対象者が外務員(外交員)である場合です。
外務員(外交員)の場合は業務委託契約を締結している場合も多く見受けられるため、雇用関係が成立しているのがどうかが論点となります。給与の形態が歩合給が主体となっており、出勤義務などの実態から判断して業務委託の関係と認められる者は被保険者とはなりません。
日雇い労働者(臨時・内職)
適用除外の労働者の6つ目の例は、対象者が日雇い労働者(臨時・内職)に該当する場合です。
対象者の賃金が家計の補助的なもので、反復継続して就労せず臨時内職的に就労するに過ぎない者は被保険者に該当しません。
国・都道府県・市区町村の公務員(国家公務員・地方公務員)
適用除外の労働者の7つ目の例は、国・都道府県・市区町村の公務員(国家公務員、地方公務員)です。
雇用保険については雇用保険法や労働基準法などの法律で要件が定められていますが、国・都道府県・市区町村の公務員(国家公務員、地方公務員)については、管轄が別の法律になっているのです。
公務員はなぜ適用除外か?理由は別途退職手当が用意されているから
公務員はなぜ適用除外となるのか、その理由は別途退職手当が用意されているからです。雇用保険ではなく、各公務員法に基づいて共済などから手当が支給されることになります。したがって雇用保険に加入していない公務員であったとしても、雇用保険に加入している方と同様に失業後の保障があるのです。
個人事業主
適用除外の労働者の8つ目の例は、対象者が個人事業主本人である場合です。
個人事業主の場合は、雇用関係が誰かと成立しているわけではないため、加入ができないということになります。
ただ一人親方など実態としては労働者と変わらないような働き方をしている方を保護する目的で特別加入という制度が設けられていますので要件に該当する方は加入することができる場合もあります。
船員保険の就労者
適用除外の労働者の9つ目の例は、対象者が船員保険の就労者である場合です。
船員保険の就労者は、公務員の場合と同様に、管轄する法律が別の法律になるため、対象になりません。
在日外国人労働者は雇用保険の対象
在日外国人労働者も加入の要件を満たせば雇用保険の対象となります。
ただし通常の雇用保険の加入手続とは異なり、加入手続を行う際にハローワークで在留資格の確認が求められるため、在日外国人労働者を採用する際にはその点に注意が必要です。
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