「電動髭剃りは、本体を買えばあとはほとんどお金がかからない」
そう思っているなら、少し危険です。
電動シェーバーには替刃があります。洗浄器を使えば洗浄液も必要です。数年使えば、バッテリーの劣化や本体の買い替えも出てきます。
では、結局いくらかかるのでしょうか?
結論から言えば、電気代はほぼ気にしなくていいです。問題は替刃と洗浄液です。
特に上位モデルでは、替刃だけで1万円前後になることもあります。本体価格だけを見て買うと、「維持費が思ったより高い」と感じても不思議ではありません。
私は電動シェーバーを選ぶなら、本体価格よりも「5年間でいくら払うか」を見たほうがいいと思っています。毎朝使う物だからこそ、ランニングコストまで計算しておくべきです。
今回は、電動髭剃りにかかる費用を、替刃・洗浄液・電気代・本体代まで含めて徹底的に計算します。
電動髭剃りのランニングコストは年間いくら?
まず、大まかな費用を整理すると次のようになります。
| 費用 | 年間コストの目安 |
|---|---|
| 替刃 | 約3,000〜9,000円以上 |
| 洗浄液 | 0〜約4,500円以上 |
| 電気代 | 数十円程度 |
| 本体代 | 購入価格と使用年数による |
| 合計 | 年間1万円前後から2万円以上になる場合もある |
かなり幅があります。
理由は単純です。
どのシェーバーを選ぶかより、「どう使うか」で維持費が変わるからです。
水洗いだけで済ませる人と、自動洗浄器を頻繁に使う人では費用が違います。また、替刃が安くても交換周期が短ければ、年間コストは上がります。
そのため、「替刃が安いから、このシェーバーがお得」とは簡単には言えません。
一番お金がかかるのは電気代ではなく替刃
電動製品なので、まず電気代を気にする人もいるでしょう。
しかし、ここはほぼ無視できます。
例えば10Wの充電器を1時間、毎週使ったとします。
年間では、
10W × 1時間 × 52回 = 0.52kWh
です。
仮に電気料金を1kWhあたり31円としても、
0.52kWh × 31円 = 約16円
にしかなりません。
多少条件が変わっても、シェーバーの充電だけで年間何千円もの電気代になる可能性はまずありません。
電気代を1円単位で気にして、1万円近い替刃を忘れる。これは家計管理としてかなり不思議な戦い方です。
見るべきなのは替刃です。
替刃代はメーカーによってかなり違う
電動シェーバーのランニングコストを比べるとき、重要なのは「替刃価格÷交換年数」です。
替刃そのものの価格だけでは判断できません。
主要メーカーを見ると、その違いがよく分かります。
パナソニックは外刃約1年、内刃約2年が交換目安
パナソニックは、シェーバーの外刃について約1年、内刃について約2年での交換を案内しています。
例えばラムダッシュ5枚刃用のES9038では、公式掲載価格はセット替刃9,350円、外刃ES9179が6,930円、内刃ES9170が2,970円です。
交換目安どおりに別々に交換すると考えると、
外刃:6,930円÷1年=6,930円/年
内刃:2,970円÷2年=1,485円/年
合計すると、
年間約8,415円
です。
もちろん、使い方やヒゲの濃さによって実際の交換時期は変わります。
それでも、年間8,000円前後という数字は無視できません。
月額に直すと約700円です。
「シェーバーだから維持費はほぼゼロ」と考えるより、毎月700円ほど替刃代を積み立てていると考えたほうが現実に近いでしょう。
ブラウンは約18か月ごとの替刃交換を推奨
ブラウンは、網刃と内刃について約18か月ごとの交換を推奨しています。
シリーズ9用のF/C94Mは、2026年9月時点の実勢価格例では約10,380円となっています。
10,380円を18か月使うなら、
10,380円÷1.5年=約6,920円/年
です。
つまり、年間では約7,000円です。
替刃そのものは1万円を超えますが、毎年交換するわけではありません。
ここが重要です。
高い替刃を見て「ブラウンは維持費が高い」と決めるのは早いです。交換周期まで含めて年間コストに直さなければ、本当の差は分かりません。
フィリップスは約2年交換なので年間コストを抑えやすい
フィリップスは、主要なシェーバーヘッドについて約2年ごとの交換を案内しています。
例えば9000シリーズなどで使われるSH91/51も、公式に約2年が交換目安とされています。
フィリップス公式ストアで確認できるSH91/51の価格例は13,665円です。
これを2年間使えば、
13,665円÷2年=約6,833円/年
です。
年間では約6,800円です。
価格だけを見ると高く感じますが、2年間使えるため、年間コストではブラウンシリーズ9と大きく離れません。
電動シェーバーは、やはり「替刃価格」ではなく「年間替刃コスト」で比較するべきです。
洗浄液を使うかどうかで年間数千円変わる
替刃の次に大きいのが洗浄液です。
ここは使い方によって、ほぼ0円にもできます。
水洗いなら洗浄液代はほぼゼロにできる
防水対応シェーバーの多くは水洗いできます。
そのため、自動洗浄器を使わず、水洗いを中心にすれば専用洗浄液を買う必要はありません。
もちろん、水道代はかかります。
ただし、シェーバーを数十秒から数分洗う程度なら、年間維持費を考えるうえで大きな金額にはなりにくいでしょう。
ランニングコストを最優先するなら、私はこの方法が一番合理的だと思います。
洗浄器は便利です。
しかし、便利さにはきっちり値札が付いています。人間はボタンを1回押す手間を減らすためなら、なかなか立派な金額を払います。
パナソニックの洗浄液なら年間約4,400円
パナソニックの全自動洗浄充電器用洗浄剤「ES-4L03」は、3個入りで1,100円です。公式では、洗浄剤1個につき約30日間使用できるとされています。
つまり1箱で約3か月です。
1年間なら約4箱なので、
1,100円 × 4箱 = 4,400円/年
になります。
月額にすると約367円です。
実際にパナソニック自身も、1か月あたり約367円と案内しています。
替刃代が年間約8,415円とすれば、洗浄液まで使った場合、
8,415円+4,400円=年間約12,815円
です。
ここまで来ると、もう「ほとんど維持費がかからない家電」とは言いにくくなります。
フィリップスは洗浄する頻度でコストが大きく変わる
フィリップスのQuick Clean Podは少し面白い仕組みです。
公式では、カートリッジ1個について、毎日使用する場合は約30回、週1回なら最長約3か月使えるとしています。
つまり、毎日洗浄する人と週1回洗浄する人では、消費量がかなり違います。
3個入りのCC13/51は、フィリップス公式ストアで3,333円です。
週1回程度なら3個で最長約9か月使えるため、
3,333円 × 12÷9 = 年間約4,444円
です。
ところが毎日使えば、3個で約90日です。
単純計算すると年間4セットほど必要になります。
3,333円 × 約4セット = 約13,000円
です。
これは大きいです。
替刃より洗浄液のほうが高くなる可能性すらあります。
だから私は、洗浄器付きモデルを買ったからといって、毎日必ず洗浄器を使う必要はないと考えています。
水洗いと自動洗浄を使い分けたほうが合理的です。
5年間使った場合の総コストを計算する
ここからが一番重要です。
電動髭剃りは年間コストだけではなく、本体価格を含めた総額で考えるべきです。
例えば4万円の電動シェーバーを5年間使うとします。
本体代は、
40,000円÷5年=8,000円/年
です。
さらに替刃代を年間7,000円とすると、
8,000円+7,000円=15,000円
になります。
洗浄液を年間4,400円使えば、
15,000円+4,400円=年間19,400円
です。
月額では、
19,400円÷12=約1,617円
です。
電動シェーバーを「毎月約1,600円で使う物」と考えると、見え方がかなり変わります。
反対に2万円のシェーバーを5年間使い、水洗いだけで管理するとします。
本体代は年間4,000円です。
替刃代を年間5,000円とすれば、
4,000円+5,000円=年間9,000円
です。
月額750円です。
同じ電動髭剃りでも、使い方によって約2倍の差が出ます。
高級シェーバーほどランニングコストが高いとは限らない
「高級シェーバーは維持費も高い」
これは半分正しく、半分間違っています。
高級モデルは替刃が高い傾向があります。
しかし、交換周期が長ければ年間コストは下がります。
例えば、
9,000円の替刃を1年ごとに交換する製品と、
12,000円の替刃を2年ごとに交換する製品なら、
年間コストはそれぞれ9,000円と6,000円です。
高い替刃のほうが安くなります。
価格だけを見てはいけません。
「交換部品の価格÷交換年数」
ここまで計算して、ようやく本当のランニングコストが見えてきます。
互換替刃を使えばランニングコストは下げられるのか
ネット通販を見ると、純正品よりかなり安い互換替刃があります。
確かに金額だけなら魅力があります。
ただ、私は替刃については安さだけで互換品を選ぶのはおすすめしません。
シェーバーの刃は肌に直接触れます。
切れ味が落ちれば、同じ場所を何度も往復する必要があります。結果として肌への負担が増える可能性があります。
さらに、数万円する本体を使っているのに、数千円を節約するために性能が分からない替刃へ交換するのは少しちぐはぐです。
節約するなら、まず洗浄液の使用頻度を減らす。
私はこの順番のほうが合理的だと思います。
電動髭剃りのランニングコストを下げる方法
私なら、維持費を下げるために次の順番で考えます。
- 替刃の交換周期が長いモデルを選ぶ
- 替刃の年間コストを購入前に計算する
- 毎回自動洗浄せず、水洗いも使う
- 本体を短期間で買い替えない
- 本体価格ではなく5年間の総額で比較する
特に重要なのは、本体を安く買うことではありません。
例えば本体価格が5,000円安くても、年間維持費が3,000円高ければ、2年で差がほぼ消えます。
毎日使う家電では、購入価格より維持費のほうが効いてきます。
まとめ:電動髭剃りは「本体価格+5年間の維持費」で選ぶべき
電動髭剃りのランニングコストを調べると、最初に気になる電気代はほとんど問題ではありません。
本当に見るべきなのは替刃です。
パナソニックでは外刃約1年・内刃約2年、ブラウンでは約18か月、フィリップスでは約2年という交換目安が示されています。
さらに自動洗浄器を使えば、年間4,000円前後、使い方によってはそれ以上の洗浄液代が追加されます。
私なら電動シェーバーを比較するとき、
本体価格+5年間の替刃代+5年間の洗浄液代
まで計算します。
4万円のシェーバーと3万円のシェーバーを比べて、「1万円安いからこちら」と決めるだけでは不十分です。
5年間で見ると、安かったはずのシェーバーが高くなることもあります。
毎朝使う物だからこそ、本体価格だけで決めるべきではありません。
電動髭剃りは「いくらで買えるか」ではなく、「1年いくらで使えるか」で選ぶ。
これが一番分かりやすく、失敗しにくい考え方です。

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