心拍数が40を下回ると聞くと、多くの人が「命に関わるのでは?」と不安を感じるでしょう。特に安静時に極端に脈が遅くなる状態は「徐脈(じょみゃく)」と呼ばれ、体に十分な血液が行き渡らない可能性があります。場合によっては放置することで意識消失や心停止につながることもあるため、軽視は禁物です。この記事では、心拍数が40を切ることが「やばい」とされる理由、考えられる原因、受診すべきサイン、そして日常的な予防・対処法までを詳しく解説します。
心拍数が40を下回るのはなぜ危険なのか
心拍数とは、心臓が1分間に打つ回数を指します。一般的な成人の安静時心拍数は60〜100回/分が正常範囲とされます。40回を下回ると「徐脈」と診断される可能性が高く、心臓が全身に十分な血液を送れなくなる危険があります。
脳や臓器は酸素を必要とするため、心拍数が極端に遅いと酸素不足に陥り、めまい・失神・呼吸困難などの症状を引き起こすことがあります。特に高齢者や持病のある人ではリスクが高まり、命に関わるケースもあるのです。
心拍数が40を下回る主な原因
生理的な要因
- アスリート心臓:マラソン選手や競技者は心臓のポンプ機能が発達しており、安静時心拍数が40程度まで下がることがあります。これは病的ではなく、効率の良い循環の証拠です。
- 睡眠中の徐脈:眠っている間は副交感神経が優位となり、心拍数が自然に低下します。
病的な要因
- 洞不全症候群:心臓のペースメーカーである洞結節が正常に働かず、脈が遅くなる病気。
- 房室ブロック:心房から心室へ電気信号が伝わりにくくなり、心拍数が極端に低下する。
- 心筋症や心筋梗塞後:心臓の筋肉に障害が起きている場合、拍動のリズムが乱れる。
- 薬剤の副作用:β遮断薬やカルシウム拮抗薬などの降圧薬は脈を遅くする作用を持ちます。
- 甲状腺機能低下症:代謝の低下によって心拍数が減少する。
心拍数40で現れる可能性のある症状
- 強い疲労感や倦怠感
- めまい、ふらつき
- 息切れ、動悸
- 胸の圧迫感や痛み
- 集中力の低下
- 失神、意識消失
特に「意識が飛ぶ」「息苦しさが強い」などの症状がある場合は、すぐに救急要請が必要です。
心拍数が40を下回った時の対処法
自宅でできる応急対応
- 横になり安静を保つ
- 家族や周囲に体調を伝える
- 脈が途切れる、胸痛がある場合は迷わず119番
医療機関での治療
- 心電図検査で脈のリズムを確認
- 必要に応じて ホルター心電図で24時間測定
- 病的な徐脈であれば ペースメーカーの植え込み が検討される
- 薬が原因の場合は 処方の見直し を行う
受診が必要なサイン
心拍数が40を下回る場合、次のような症状があるときはすぐに医療機関を受診しましょう。
- 意識がぼんやりする、失神する
- 強い息切れや呼吸困難
- 胸痛や圧迫感
- 脈が飛ぶ、リズムが不規則
- 薬を飲み始めてから心拍数が低下した
心拍数40は必ずしも「やばい」とは限らない
「心拍数が40を下回る=即危険」とは限りません。特に若くて運動習慣がある人やアスリートの場合、問題ないこともあります。ただし、自覚症状がある場合や、加齢・基礎疾患がある場合は注意が必要です。
日常生活でできる予防・改善策
- 規則正しい生活リズムを整える
- ストレスをためない(自律神経の乱れを防ぐ)
- 適度な有酸素運動を取り入れる
- アルコールや喫煙を控える
- 薬を服用している場合は副作用の可能性を確認
心拍数の測り方と注意点
- 手首や首の動脈に指を当てて計測する方法
- スマートウォッチや心拍計を利用する方法
- 朝起きた直後や安静時に測定すると基準を把握しやすい
ただし、家庭での測定値だけに頼らず、異常を感じたら医師の診察を受けることが大切です。
よくある質問(FAQ)
Q1. 心拍数が40でも元気なら問題ない?
A. アスリートや若年者では問題ない場合もありますが、症状があるなら受診が必要です。
Q2. 寝ているときに心拍数が40を下回るのは普通?
A. 睡眠中は副交感神経が優位になり、40前後まで落ちることもあります。異常ではありません。
Q3. 心拍数が40だと寿命は縮む?
A. 原因が病気の場合はリスクが高まりますが、運動習慣によるものなら心臓が強い証拠で寿命には直結しません。
Q4. 薬の副作用で心拍数が下がった場合はどうする?
A. 医師に相談して処方を見直してもらう必要があります。自己判断で中止するのは危険です。
Q5. 心拍数が40前後でも運動して大丈夫?
A. 自覚症状がなければ軽い運動は可能ですが、医師の許可を得るのが安全です。
Q6. ペースメーカーはどんなときに必要?
A. 重度の徐脈で失神や心不全のリスクがある場合に植え込みが検討されます。
まとめ
心拍数が40を下回るのは「やばい」場合と「正常な範囲」の場合があります。アスリートや睡眠中の一時的な徐脈は問題ありませんが、めまい・失神・胸痛などの症状を伴う場合は命に関わる危険信号です。自宅での安静やセルフチェックに加え、異常を感じたら早めに医師の診察を受けることが大切です。
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