こんにちはTac^^です。
よく年金記録を書く時に免除期間を書きますが、その中で学生納付特例免除というのがあります。
で、その免除は将来の老齢基礎年金の額には計算されないが、老齢の年金を貰うための全体の期間である年金保険料納付済み期間+免除期間+カラ期間≧10年の中には組み込まれるだけ。
年金額に反映しないし、単なる期間にしか反映しないならあんまり意味ないと思われがちですがそうではないです。
年金免除は利用した方がいい?事例は?
年金免除は利用した方がいい?
もちろん20歳になってまだ大学生だから国民年金保険料支払うほど余裕はないよ! っていう人は多い中であっても、20歳になると国民年金には強制加入となり、保険料納付の用紙もガンガン送られてきます。
よって、保険料が払えないから学生納付猶予特例免除を使う。
そもそも、普通の人が使う全額免除と学生が使う免除は何が違うのか。
まあ、どちらも同じ保険料全額免除ではありますが、普通の保険料全額免除は老齢基礎年金の2分の1に反映する。
つまり、極端な話20歳から60歳まで全額免除でも、65歳からの老齢基礎年金の満額である779,300円の半分の389,650円が貰えるわけですが、20歳から60歳まで仮に学生納付猶予特例免除だったら1円にもならない。
※注意
平成3年4月から平成12年3月までの学生免除は老齢基礎年金の3分の1に反映する。
何でこういう差があるのか。
学生の保険料免除は免除になりやすい。
本人の所得しか見ないから。
目安としては前年所得が118万以下なら通る。
逆に普通の人が利用する保険料全額免除は、世帯主、配偶者、本人の所得で見るから本人の所得が全額免除に該当していても、世帯主や配偶者がそうでなければ全額免除にはならない。
なお、普通の全額免除が有利だから学生納付猶予特例免除は使わないという選択は不可。
学生はこの学生納付猶予特例免除の利用になる(法定免除除く)。
もし、学生納付猶予特例免除の期間を老齢基礎年金額に反映させたいなら、過去10年以内なら国民年金保険料の追納ができるからそれを年金事務所に申し出て追納の納付書で納めるしかない。
さてさて、じゃあこの学生納付特例免除は年金期間に組み込んだり、保険料を支払う負担が無くなるという以外にメリットは無いのか。
もちろんある。
年金は老後保障だけでなく自分が障害負った時の障害年金や、自分が死亡した場合の遺族年金による家族保障がありますよね。
その不幸な出来事があった時に力を発揮します。
ちょっと事例。
1.平成9年7月1日生まれの学生(今は20歳)
●何年生まれ→何歳かを瞬時に判断する方法!(参考記事)
誕生日の前日である平成29年6月30日が20歳到達日であるから、この6月分の国民年金保険料から納める義務が生じる。
まだ現在は学生だから、学生納付特例免除を使ってる状態。
しかし、平成30年3月13日に事故に合い(初診日)、片脚が動かなくなるという障害を負ってしまった。
医師からは平成30年4月20日にこれ以上治る可能性は無いという診断。
事故だと損害賠償の話になりますが、社会保障は無いのか。
そう、障害年金ですよね。
障害年金には条件があります。
初診日から1年6ヶ月経った日、またはそれまでにこれ以上治療の効果が期待できないと認められた日(この学生は平成30年4月20日を障害認定日という)の属する月の翌月から障害年金が請求により発生する。
なお、初診日が20歳以上の学生免除の期間にあるから支給されるとしたら国民年金からの障害基礎年金のみ。
そして、更に初診日までの年金保険料を納めた期間を見なければならないですよね。平成29年6月から、初診日の前々月(平成30年1月)までの保険料を納めなければならない期間8ヶ月の間に保険料納付済期間+免除期間が3分の2以上(つまり最低でも5.333…ヶ月はそうである)、または初診日の前々月までの直近1年間に未納がない事。
※参考
もし20歳以降滞納状態だったとしても、初診日の前々月までの保険料納付記録を見るから、初診日が平成29年7月までにあれば免除申請してなかったとしても問題ない。
だから免除申請も7月中までにしてもらえれば大丈夫。
なぜなら、平成29年6月と7月は保険料納付義務はありますが、初診日の前々月である平成29年5月までは20歳には到達してないので保険料納付義務が生じていないから。
今まで学生特例免除だったから、この保険料納付期間も問題ありません。
で、診断の結果障害等級2級に該当した。
治る見込みがないという事で、一生障害基礎年金が出る「永久認定」とされた。普通は1~5年間隔で再度診断書の提出を求めて障害状態を見ながら(有期認定という)その後障害年金を支給し続けるか見るが、もう治らないと認定されると永久認定として一生障害年金が支給される人もいる。
障害等級2級なら障害基礎年金779,300円が支給される(1級は1.25倍の974,125円)。
この779,300円という金額は20歳から60歳までの40年間完璧に国民年金保険料を納めた場合の老齢基礎年金額と同じ金額(金額は平成30年度価額。年金額は物価スライドするから年度によって変更される)。
途中で子供ができたら、18歳年度末未満の子が1人増えるごとに224,300円の子の加算金が付く(3人目以降は74,800円)。
この学生は今まで1円も年金保険料納めてないけど、年金が出る。
基礎年金の満額の状態。
仮にこの学生が今後平均的な寿命になる90歳まで生きるとしたら、779,300円×70年=54,551,000円が支給される。
子の加算が付くような場合は更に数百万から1,000万くらい変わってくる。
民間保険じゃこんな仕組みは絶対無理。
もし、学生納付特例免除をやっておらず、保険料滞納の状態にしていたら1円も年金は出なかった。
年金額に反映しないんじゃ旨味のない免除だな…っていうのは65歳から支給される老齢基礎年金の話であり、障害基礎年金や遺族基礎年金は年金額を最高額で支給する。
まあ、年金は「保険」だからちゃんと免除して保険事故に備えていたという事で、年金を支給するわけですね。
したがって、学生納付特例免除にはそういう重要な役割があるので未納は避けときましょう。
ちなみに、学生特例免除は3月までに申請すると過去2年1ヶ月の滞納期間とその年の3月までが学生特例免除になる。
4月にまた申請すると、翌年3月まで免除が適用される(学生の場合は4月から翌年3月までの年度単位の免除)。
なお、年度の途中でやっぱり年金保険料を納めたい場合は免除を取り消すことはできる。学生納付特例免除を取り消す場合は、年度ごと取り消す。
4月から翌年3月まで学生納付特例免除になったが、8月に取り消した場合は4月以降の免除が丸々取り消しという事。
普通の免除は申請した月の過去最大2年1ヶ月の滞納部分とその年の6月まで免除になり、その後は7月から翌年6月までの単位で免除になる。
免除取り消しの場合は、免除取り消しを申し出た月の前月以降が免除取り消しになる。
また、障害基礎年金2級が認定されたこの学生の今後の国民年金保険料は原則として全額免除(法律上当然に全額免除とする法定免除)になる。法定免除は老齢基礎年金の3分の1の額に反映。
ただし、保険料を納めたい場合は申し出により法定免除ではなく納める事は可能ですが、この学生の場合は一生障害基礎年金が出るから無理に納めるメリットは少ない。
無い事は無いけど永久認定の人であまり積極的に支払いたいと願い出る人を見た事ない。
なお、厚生年金に加入したり、サラリーマンの扶養に入って国民年金第三号被保険者になる時は保険料全額免除という扱いにはならない。
厚生年金保険料は強制的に徴収。
コメント