二画面モニターにしたのに、なぜか作業しにくい。首が疲れる。結局、片方の画面しか見ていない。
そんな状態なら、そのデュアルモニター環境はかなりもったいない。
「モニターは2枚あれば作業効率が上がる」と思われがちだが、本当に重要なのは枚数ではない。二画面モニターは配置と向きを間違えると、むしろ視線移動が増えて疲れやすくなるのではないか?
私は、二画面なら何でも横に並べればいいとは思わない。
おすすめは、メインモニターを正面に横置きし、サブモニターを横または縦のピボットで横に置く配置だ。
特に文章作成、Web閲覧、ChatGPT、メール、SNS、プログラミングなどをよく使うなら、
「横+縦」
の二画面配置がかなり強い。
ただし、誰でも縦置きにすればいいわけではない。作業内容によっては「横+横」のほうが快適だ。
二画面モニターは、画面の枚数より役割分担で決まる。
二画面モニターのおすすめ配置は「メイン正面+サブ横」が基本
最初に結論を出す。
二画面モニターのおすすめ配置は、基本的に次の形だ。
メインモニター:体の真正面
サブモニター:メインの左右どちらか
これがもっとも失敗しにくい。
米国労働安全衛生局(OSHA)も、複数モニターを使う場合、メインモニターを使用者の正面に置き、もう一方をその横に置く方法を案内している。2台を同じ程度使うなら、頭の動きが少なくなるよう隣り合わせにする考え方だ。
メインモニターは絶対に正面に置く
一番よく使う画面を斜めに置くのはおすすめしない。
例えば、
- ブラウザ
- WordPress
- Word
- Excel
- 動画編集ソフト
- メインの作業アプリ
など、長時間見るアプリは正面に置く。
毎回少し右を向きながら作業するような環境では、その「少し」が何時間も積み重なる。
OSHAも、頭や首を横に向けた状態を長時間続けると、首の筋肉への負担や疲労につながるとして、モニターを正面に置くことをすすめている。
二画面だからといって、机の中央に2台を均等に置く必要はない。
使用時間に差があるなら、一番使う画面を中央に置く。
これでいい。
サブモニターはメインのすぐ横に置く
サブモニターは、メインモニターから離しすぎないほうが使いやすい。
私ならベゼル同士をかなり近づける。
そしてサブモニターだけを少し自分側へ向ける。
真正面から見ると、わずかに「くの字」になる配置だ。
サブ画面を見るたびに体ごと大きく向きを変える必要がなくなる。
資料やChatGPTを横に表示して、中央のモニターで文章を書くような使い方では、この配置がかなり使いやすい。
二画面を同じくらい使うなら中央を境目にする
少し話が変わる。
左右のモニターをほぼ50:50で使う人なら、片方だけを真正面に置く必要はない。
2台の境目を体の正面にする
例えば、
- 左で資料を確認
- 右で入力
- 左右のExcelを比較
- 2つのブラウザを同時操作
といった作業が多いなら、2画面の中央部分を自分の正面に置く方法もある。
左右の画面を少し内側へ向ければ、視線移動も小さくできる。
OSHAも、複数モニターをほぼ同じ時間使う場合は、快適な視野の中で隣り合わせに配置し、頭の動きを少なくする考え方を示している。
逆に、片方を8割使うのに境目を正面に置くのはおすすめしない。
メイン画面を一日中斜めから見ることになるからだ。
「どちらを正面に置くか」ではなく、「どの画面を一番長く見るか」で決めるべきだ。
二画面モニターの向きは「横+縦」がかなり使いやすい
ここからがピボットの話だ。
二画面モニターを使うなら、ぜひ一度試してほしいのが、
横置き+縦置き
の組み合わせである。
私は二画面環境を考えるなら、まずこの配置を候補に入れる。
メインモニターは横向きがおすすめ
メインモニターは横向きが使いやすい。
理由は単純だ。
現在のPCアプリの多くは横方向のスペースを使う設計になっているからだ。
ブラウザ、Excel、動画編集、画像編集、YouTubeなどは横画面との相性がいい。
Windowsのウィンドウを左右に並べる場合も使いやすい。
そのため、特殊な用途がなければメインモニターは横向きでいい。
無理に縦にする必要はない。
サブモニターはピボットして縦向きにする
面白いのがサブモニターだ。
縦画面では、横画面より一度に見られる文章量が増える。
例えば、
- Webサイト
- WordPressの記事
- メール
- SlackやDiscord
- ChatGPT
- XなどのSNS
- プログラムコード
- 長い資料
との相性がいい。
EIZOも、90度回転させた縦表示について、Webページやテキスト文書を快適に表示できる用途を紹介している。
Webページを見るたびに延々とスクロールする作業では、縦画面がかなり便利だ。
特に文章を書く人との相性は強い。
中央の横モニターでWordPressを開く。
横の縦モニターで資料やChatGPTを開く。
この組み合わせだけでも、ウィンドウを何度も切り替える回数を減らしやすくなる。
ピボットモニターとは?縦置きすると何が変わる?
ピボットとは、モニターを90度回転させ、縦長の画面として使う機能だ。
対応モニターならスタンドごと回転できる。
モニターアームを使って回転させる方法もある。
ピボットは情報量を増やすというより「縦方向」を広げる
ここは少し誤解されやすい。
モニターを縦にしたからといって、解像度そのものが増えるわけではない。
例えば2560×1440のモニターなら、縦画面では1440×2560として使うことになる。
つまり、横方向は狭くなる。
その代わり縦方向がものすごく長くなる。
これが文章との相性を良くする。
例えばWeb記事なら、見出しから本文までかなり先まで見える。
コードでも長いファイルを一気に確認しやすい。
チャットも過去の会話を追いやすくなる。
「情報量が増える」というより、
一度に見える縦方向の情報が増える。
ここがピボットの強みだ。
Windowsなら画面の向きを設定できる
Windowsでは、
「設定」→「システム」→「ディスプレイ」
から対象モニターを選び、「画面の向き」を変更できる。
Microsoftも、外部ディスプレイを物理的に回転させて縦向きで使用する方法を公式に案内している。
モニターだけ90度回転させても、Windows側が横向きのままでは当然使えない。
物理的な向きとWindowsの設定をセットで変更する必要がある。
人間だけ首を90度曲げて対応する方式は却下である。
ピボットに向いている作業・向いていない作業
縦モニターは便利だ。
ただし万能ではない。
ピボットがおすすめの作業
特におすすめなのは文章中心の作業だ。
ブログを書くなら相性はかなりいい。
メイン画面でWordPressを編集しながら、縦画面に参考資料を表示できる。
ChatGPTも縦画面との相性がいい。
回答が縦方向へ続くため、横画面より多くの文章を一度に確認できる。
メールやSNSも同じだ。
縦に流れるサービスは基本的に縦画面と相性がいい。
ピボットが向かない作業
一方、
- 動画編集
- 映画やYouTube
- 横長のExcel
- 大きなタイムライン
- 横長の画像
- ゲーム
などは縦画面との相性があまり良くない。
Excelも表による。
列が大量にある表なら横画面のほうが圧倒的に見やすい。
行を大量に確認する表なら縦画面も使いやすい。
つまり、「Excelだから横」ではない。
表示したい情報が横へ伸びるのか、縦へ伸びるのか。
ここで判断すれば失敗しにくい。
二画面モニターは右と左のどちらに置くべきか
これは意外と気になるところだ。
結論として、右と左に絶対的な正解はない。
よく使うサブ画面を自然に見られる側へ置く
私は、左右より使用頻度を優先する。
例えば机の右側に壁があり、左側のほうがモニターを自然に置けるなら左でいい。
PC本体やスピーカーとの位置関係もある。
窓からの光も無視できない。
大事なのは、
首を大きく回さずに見られることだ。
わざわざ「サブモニターは右」というルールを守って使いにくくする必要はない。
ピボットモニターは外側へ少し向ける
縦モニターを横画面と完全な一直線に並べると、端を見るときに角度がつきすぎる場合がある。
そこで私は、縦モニターを少し自分側へ向ける配置をすすめる。
メインモニターの横から、自分を囲むような形だ。
わずかな違いだが、長時間作業ではこちらのほうが自然になりやすい。
二画面モニターの高さと距離も重要
配置だけ整えても高さが変なら意味がない。
モニターを増やす前に、ここは必ず調整したい。
画面上端は目の高さか少し下
厚生労働省の「情報機器作業における労働衛生管理のためのガイドライン」では、ディスプレイ画面の上端を目の高さとほぼ同じか、やや下にすることが望ましいとしている。
これはかなり大事だ。
特に縦置きモニターは高さが出る。
横画面と中央をそろえようとして縦モニターを高くすると、上を見る動きが増えてしまう。
見た目の左右対称より、首の自然さを優先したほうがいい。
モニターとの距離は40cm以上を目安にする
厚生労働省は、ディスプレイとの視距離について、おおむね40cm以上確保することを示している。
OSHAでは少なくとも20インチ、約51cm離すことを目安としている。
実際にはモニターサイズや文字サイズでも変わる。
重要なのは、文字を見るために顔を前へ出さないことだ。
4Kモニターで文字が小さいなら、顔を近づけるのではなくWindowsの拡大率を上げたほうがいい。
二画面モニターならモニターアームもかなり便利
二画面になると、純正スタンドだけでは位置調整が難しくなることがある。
そこで便利なのがモニターアームだ。
高さと角度を細かく調整できる
特に、
横+縦
の組み合わせでは、高さが合わなくなりやすい。
モニターアームなら、
- 高さ
- 左右位置
- 前後位置
- 角度
- ピボット
を調整しやすい。
BenQのデュアルモニターアームなども、高さ調整やピボットに対応する設計になっている。
机の奥行きが足りない場合にも便利だ。
スタンドの台座がなくなるため、キーボードや書類を置くスペースも広げやすい。
二画面環境では、高価なモニターを買うより先にアームへ投資したほうが快適になることすらある。
ピボット非対応モニターを無理に縦置きしない
ここは注意したい。
すべてのモニターが縦置きに対応しているわけではない。
製品仕様を必ず確認する
スタンドが回らないだけなら、VESA対応のモニターアームで解決できる場合もある。
しかし、モニター自体が縦向き設置を想定していない機種もある。
実際、Dellの一部モデルでは、90度のポートレート配置を行わないよう公式に注意されている。
逆にDell P2723DEのように90度のポートレート表示へ正式対応する製品もある。
そのため、
「VESA穴があるから縦にして大丈夫だろう」
と判断するのは危ない。
ピボット運用をするなら、メーカーが縦置きに対応しているか確認したほうがいい。
用途別におすすめの二画面モニター配置を決める
最終的には、何をするかで決めるのが一番いい。
ブログ・文章作成なら「横+縦」
私が一番すすめたい組み合わせだ。
横:WordPress、Word、Googleドキュメント
縦:資料、ChatGPT、Web、メール
この役割分担が使いやすい。
文章を読みながら文章を書く人にはかなり向いている。
Excel・事務作業なら「横+横」
横方向に広い表を扱うなら、横画面を2枚並べるほうがいい。
左に資料。
右にExcel。
あるいは左右に別々のExcelを表示する。
こうした使い方なら横+横が強い。
動画編集なら「横+横」
動画編集ではタイムラインが横方向へ伸びる。
メイン画面で編集。
サブ画面で素材やプレビュー。
この場合も横+横が扱いやすい。
プログラミングなら「横+縦」
横画面でIDE。
縦画面でコード、ドキュメント、ブラウザ、ターミナル。
これも相性がいい。
特に縦に長いコードを確認するとき、ピボットのメリットが出やすい。
ゲームなら「横+縦」も便利
メインは当然横画面。
サブを縦にして、
Discord、攻略サイト、YouTube、配信コメントなどを表示する。
ゲーム自体を縦画面で遊ぶ必要はない。
サブ画面を情報表示専用にすると便利だ。
二画面モニターで避けたい配置
最後に、私なら避ける配置も挙げておく。
2台とも遠くへ離す
モニターの間に大きな隙間があると視線移動が増える。
特別な理由がなければ近づけたほうがいい。
メインモニターを斜めにする
毎日長時間見る画面を斜めに置く必要はない。
正面を譲るべきではない。
縦モニターを高くしすぎる
ピボットすると画面が高くなる。
上端を見るたびに顔を上げる状態なら下げたほうがいい。
見た目だけで左右対称にする
デスク写真としては美しい。
しかし仕事道具として快適とは限らない。
人間の体はInstagramのデスク写真を評価してくれない。
使用頻度に合わせて少しずらしたほうが実用的だ。
まとめ
二画面モニターのおすすめ配置は、単純に2枚を横へ並べれば完成ではない。
一番使うモニターを正面に置く。
サブモニターをその横へ近づける。
文章やWebを見ることが多いなら、サブをピボットして縦向きにする。
この形がかなり使いやすい。
迷ったら、私はまず、
メイン:横向き・正面
サブ:縦向き・左右どちらか
という「横+縦」配置から試す。
一方、Excelや動画編集など横方向の情報を多く扱うなら「横+横」でいい。
重要なのは、二画面にすることではない。
それぞれの画面に役割を与えることだ。
さらに、画面上端を目の高さ付近にし、十分な視距離を取り、サブモニターを少し自分側へ向ける。
ここまで整えると、二画面モニターはただデスクを豪華に見せる道具ではなく、本当に使える作業環境になる。
画面を増やしたのに忙しくウィンドウを探しているなら、増やすべきなのは3枚目のモニターではない。
まず配置を直すべきだ。

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