LANケーブルを挿している。それなのにインターネットにつながらない。
さらにWindowsを確認すると、「イーサネット」がない。「ネットワークアダプターが見つからない」と言われる。デバイスマネージャーを開いても、有線LANらしい項目が見当たらない。
「LANポートが壊れた?」「Windowsを初期化するしかない?」
ここまで来るとかなり焦る。
しかし、いきなりWindowsを初期化するのはおすすめしない。この症状は、LANケーブルではなく、Windowsがイーサネットアダプターを正しく認識できていないことが原因の場合があるからだ。
そして重要なのは、「ネットにつながらない」と「イーサネットアダプターそのものが存在しない」は別のトラブルだという点である。
私なら、まずデバイスマネージャーを見る。
そこでイーサネットアダプターが表示されているかどうかで、その後にやるべきことは大きく変わる。
この記事ではWindows 11を中心に、「イーサネットアダプターが存在しない」「イーサネットが表示されない」「ネットワークアダプターが見つからない」ときの原因と対処法を、実際に確認する順番に沿って解説する。

「イーサネットアダプターが存在しない」とはどんな状態?
まず「ネットにつながらない」と区別する
Windowsで有線LANを使うには、PCに搭載されたLAN機能をWindowsがネットワークアダプターとして認識する必要がある。
たとえばデバイスマネージャーの「ネットワーク アダプター」には、PCによって次のような名前が表示される。
- Realtek PCIe GbE Family Controller
- Intel Ethernet Controller
- Realtek Gaming 2.5GbE Family Controller
名称はPCによって違う。
ここで大事なのは、この機器がWindowsから見えているかどうかだ。
アダプターは表示されているのにインターネットへ接続できない場合、LANケーブル、ルーター、IPアドレス、ドライバーなどが原因として考えられる。
一方、デバイスマネージャーにもイーサネットアダプターが表示されない場合は話が違う。
Windowsから見れば、「通信できない」のではなく「通信に使う機器そのものが見つからない」に近い。
ここを混同すると、LANケーブルを何本交換しても直らない。人間はトラブルになると、とりあえず抜いて挿したくなる生き物だが、存在を認識されていない機器はケーブル交換だけでは戻らない。
イーサネットアダプターが表示されない主な原因
ドライバーが正しく読み込まれていない
最初に疑いたいのがドライバーだ。
ドライバーとは、WindowsがLANアダプターなどのハードウェアを動かすために必要なソフトウェアである。
ドライバーが壊れている、削除されている、Windowsと合っていないといった状態では、LANアダプターが正常に動かないことがある。
Microsoftも、Windowsではネットワークアダプターを含むハードウェアのドライバーがWindows Updateなどから提供されると案内している。
ネットワークアダプターが無効になっている
故障しているとは限らない。
デバイス自体は認識されていても、Windows上で無効になっているケースがある。
特に設定変更やドライバー更新の前後では、「壊れた」と決めつける前に有効・無効の状態を確認したい。
Windows Update後に問題が起きている
Windows Update後から急に有線LANが使えなくなった場合は、ドライバーとの組み合わせも疑うべきだ。
Microsoftも、更新後にネットワーク接続が正常に動かなくなった場合には、ネットワークアダプターのドライバーをアンインストールして再起動する方法を案内している。
BIOS・UEFI側でLAN機能が無効になっている
PCによっては、マザーボードに搭載されたLAN機能をBIOS・UEFIから有効・無効にできる。
ここでオンボードLANが無効になっていれば、Windows側から正常に見えない可能性がある。
ただし、BIOSの画面や項目名はPCメーカーやマザーボードによってかなり違う。
「Onboard LAN」「LAN Controller」「Integrated NIC」など似た名前が使われることがあるが、分からない設定まで勢いで変更するのは危険だ。
LANポートやLANチップ自体が故障している
ソフトウェアを何度直しても改善しないなら、最後はハードウェア故障も考える必要がある。
特に、
- BIOSではLANが有効
- 正しいドライバーを入れても認識しない
- ハードウェア変更をスキャンしても出てこない
- OSを再起動しても変化しない
という状態なら、物理故障の可能性は無視できない。
だからこそ、最初からWindowsを初期化するのではなく、一つずつ切り分ける必要がある。
イーサネットアダプターが存在しないときの直し方
1.デバイスマネージャーでネットワークアダプターを確認する
最初にここを見る。
Windowsの検索欄に、
「デバイス マネージャー」
と入力して開く。
次に「ネットワーク アダプター」を展開する。
ここにRealtekやIntelなどの有線LANアダプターが表示されているか確認する。
表示されているなら、完全に「存在しない」状態ではない。右クリックして「プロパティ」を開き、デバイスの状態を確認しよう。
黄色い「!」が付いている場合は、エラーコードも確認する。
Microsoftはデバイスマネージャーのエラーコードごとに原因と対処方法を公開している。コード10やコード43などが表示されるなら、この番号はかなり重要な手掛かりになる。
2.「非表示のデバイス」も確認する
通常表示だけで終わらせない。
デバイスマネージャー上部の「表示」から「非表示のデバイスの表示」を有効にする。
そのうえで、もう一度「ネットワーク アダプター」を確認する。
以前使われていたアダプターが薄い表示で残っている場合もある。
また、「ほかのデバイス」「不明なデバイス」に黄色い「!」が付いた機器がないかも見ておきたい。
LANアダプター自体は検出されているものの、適切なドライバーがなく、正しい名前で表示できていない可能性があるからだ。
3.PCを再起動してハードウェアを再検出する
単純だが、再起動は外せない。
さらにデバイスマネージャーでは、メニューから「ハードウェア変更のスキャン」を実行できる。
Microsoftも、デバイスの再インストール手順として「ハードウェア変更のスキャン」を案内している。
これでLANアダプターが再検出されれば、少なくとも物理的な機器はWindowsから見えている可能性が高くなる。
4.Windows Updateでドライバーを確認する
次にWindows Updateを確認する。
Windows 11では、
「設定」
→「Windows Update」
→「詳細オプション」
→「オプションの更新プログラム」
と進む。
利用できるドライバー更新が表示されている場合は、その中にLANやEthernet、Realtek、Intelなどに関係するものがないか確認する。
Microsoftによると、推奨ドライバーはWindows Updateから自動的に提供される一方、オプションのドライバーは手動でインストールする必要がある場合がある。
Windows Updateだけ確認して「何もない」と判断するのではなく、オプションの更新プログラムまで見るべきだ。
Microsoft公式:Windows Updateでドライバーを更新する方法
5.PCメーカー公式サイトからLANドライバーを入れる
Windows Updateで見つからない場合は、PCメーカーの公式サイトを確認する。
ノートPCやメーカー製デスクトップなら、型番を検索し、その機種向けに公開されているLAN・Ethernetドライバーを使う。
ここは非常に重要だ。
ネット上で見つけた「ドライバー自動更新ソフト」を適当に入れるより、PCメーカーやLANチップメーカーが提供する正規ドライバーを優先したほうが安全だ。
インターネットにつながらないPCでは、別のPCやスマートフォンでドライバーを入手し、USBメモリなどを使って移動する方法もある。
Microsoftも、ネットにつながらない場合は別のPCでネットワークドライバーをダウンロードし、USBメモリ経由でインストールする方法を案内している。
6.ドライバーを一度削除して再インストールする
イーサネットアダプター自体はデバイスマネージャーにあるが、正常に動かない。
そんな場合は、ドライバーの再インストールを試す価値がある。
デバイスマネージャーから対象のネットワークアダプターを右クリックし、「デバイスのアンインストール」を選択する。
ただし、先にメーカー公式サイトから使えるドライバーを確保しておくほうが安全だ。
その後PCを再起動する。
Microsoftによると、再起動後にWindowsがネットワークアダプターのドライバーを検索し、再インストールする場合がある。自動で入らない場合は、事前に保存したドライバーをインストールする。
Microsoft公式:Windowsのイーサネット接続の問題を修正する
デバイスマネージャーにも表示されない場合はBIOS・UEFIを確認する
オンボードLANが無効になっていないか確認する
ドライバー以前に、デバイスマネージャーへ有線LANアダプターがまったく出てこない。
この場合はBIOS・UEFIも確認候補になる。
PCを再起動し、メーカー指定の方法でBIOS・UEFI設定画面を開く。
入り方はメーカーによって違うため、「F2を押せば絶対に入れる」とは限らない。ここは自分のPCメーカーの公式マニュアルを確認したほうがいい。
LANに関係する設定が「Disabled」になっているなら、「Enabled」へ変更する。
ただし、関係のない項目を片っ端から変更してはいけない。
BIOSはWindowsより深い部分の設定だ。分からない設定には触らない。それだけは徹底したい。
アダプターはあるのにインターネットにつながらない場合
コマンドによるネットワーク設定のリセットを試す
ここで初めて、IPアドレスやWinsockなどのネットワーク設定を疑う。
「管理者として実行」でターミナルまたはコマンドプロンプトを開き、必要に応じて次のコマンドを使う。
netsh winsock reset
Winsockは、Windows上のアプリとネットワークサービスの通信に関わる仕組みだ。Microsoftによると、netsh winsock reset はWinsockカタログをクリーンな状態へ戻し、設定破損によるネットワーク問題の解決に使える。
Microsoft公式:netsh winsockコマンドの解説
ほかにもMicrosoftは、イーサネット接続のトラブル対処としてIP設定の更新やDNSキャッシュの消去などを案内している。
ただし、ここには大きな注意点がある。
デバイスマネージャーにもLANアダプターが存在しないなら、ネットワークコマンドを何度実行しても本質的な解決にならない可能性が高い。
存在していない蛇口に水圧調整をしても水は出ない。それと同じだ。
「ネットワークのリセット」は最後に試す
最初からリセットしないほうがいい
Windows 11には「ネットワークのリセット」という機能がある。
「設定」→「ネットワークとインターネット」→「ネットワークの詳細設定」などから実行できる。
ただし、私はこれを最初には使わない。
Microsoft自身も、ネットワークのリセットを最後に試す手順として案内している。実行すると、インストール済みのネットワークアダプターとその設定が削除され、再起動後に再インストールされ、設定も初期状態へ戻る。
VPNソフトなどを使っている場合、ネットワーク関係の設定をやり直す必要が出ることもある。
「ネットにつながらないから、とりあえず全部リセット」は豪快だが、トラブル解決としては順番が逆だ。
まず原因を絞るべきである。
どうしても内蔵LANが認識されない場合
USBイーサネットアダプターで切り分けできる
ここまで確認しても内蔵LANが認識されない場合は、USBイーサネットアダプターを使う方法がある。
USBポートへ接続するだけで、有線LAN端子を追加できる機器だ。
これは単なる応急処置としても使えるが、原因切り分けにも役立つ。
USBイーサネットアダプターなら正常に通信できるのに、内蔵LANだけが認識されない。
この状態なら、ルーターやインターネット回線よりも、PC内部のLAN機能側を疑いやすくなる。
デスクトップPCならPCI Express接続のLANカードを追加する方法もある。
つまり、内蔵LANが壊れたからといって、必ずしもPC本体まで買い替える必要はない。
修理を検討したほうがいい状態
ソフトウェアで直らないなら深追いしない
次のような状態なら、修理やハードウェア故障の確認まで進んだほうがいい。
- デバイスマネージャーにLANアダプターが出ない
- BIOS・UEFIではLANが有効
- メーカー公式ドライバーでも認識しない
- ハードウェア変更のスキャンでも出ない
- Windowsを再起動しても変わらない
- USBイーサネットアダプターなら正常につながる
ここまで来ると、内蔵LANポートやLANコントローラーなどの故障も現実的な候補になる。
保証期間内なら、下手に分解する前にメーカーサポートへ相談したほうがいい。
Windowsの再インストールはさらにその後だ。
ネットワークトラブルひとつで、いきなりPC全体を初期化する必要はない。
よくある質問
Wi-Fiは使えるのにイーサネットだけ表示されないのはなぜ?
Wi-Fiと有線LANは別のネットワークアダプターとして動作している。
そのため、Wi-Fiが正常でも有線LAN側だけにドライバーやハードウェアの問題が起きることはある。
「Wi-Fiが使えるからPCのネットワーク機能は全部正常」とは判断できない。
LANケーブルを交換しても直らないのはなぜ?
LANケーブルの断線なら交換で直る。
しかし、デバイスマネージャーからイーサネットアダプターそのものが消えている場合、ケーブルよりもPC側の認識、ドライバー、BIOS・UEFI、ハードウェアを確認する必要がある。
デバイスマネージャーに「!」マークが付いている場合は?
右クリックして「プロパティ」を開き、「デバイスの状態」に表示されるエラーコードを確認する。
コードによって原因が違うため、番号を無視しないほうがいい。
Microsoftはデバイスマネージャーのエラーコードと対処法を公開している。
「ネットワークアダプター」の項目自体がない場合は?
「表示」から「非表示のデバイスの表示」を有効にし、「ほかのデバイス」や「不明なデバイス」も確認する。
それでも見つからないなら、ドライバーだけではなくBIOS・UEFIやハードウェア側まで疑うべき段階になる。
Windows Update後から有線LANが使えない場合は?
まず再起動し、デバイスマネージャーでアダプターの状態を確認する。
その後、メーカー公式ドライバーの再インストールを試す。
Microsoftも、最近の更新後からネットワーク接続が正常に動作しなくなった場合、ネットワークアダプターのドライバーをアンインストールして再起動する方法を案内している。
まとめ:イーサネットアダプターが存在しないなら「認識されているか」から確認する
「イーサネットアダプターが存在しない」「ネットワークアダプターが見つからない」と表示されると、PCそのものが壊れたように感じる。
しかし、最初に見る場所は意外と単純だ。
デバイスマネージャーに有線LANアダプターが存在するか。
ここが分かれば、かなり話が整理できる。
表示されているなら、ドライバー、IP設定、ネットワーク設定などを確認する。
表示されていないなら、非表示デバイス、ハードウェアの再検出、メーカー公式ドライバー、BIOS・UEFIへ進む。
それでも認識されなければ、そこで初めてハードウェア故障を強く疑えばいい。
そして「ネットワークのリセット」は最初ではない。Microsoftも最後に試す手順として案内している。
トラブルが起きたときほど、全部を一気に触らない。
一つ確認する。一つ結果を見る。そして次へ進む。
PCトラブルでは、この地味な切り分けが結局いちばん強い。


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