小規模企業共済は、個人事業主や小規模企業の経営者が将来の退職金の積立として利用できる制度です。しかし、実際の会計処理については仕訳方法や注意点が存在します。この記事では、小規模企業共済の基本的な会計処理の方法について解説します。

小規模企業共済の会計処理:仕訳の基本
小規模企業共済の掛金は、所得税の「小規模企業共済等掛金控除」の対象です。払った掛金は全額、課税される所得から差し引けます。1年以内の前納掛金も同じです。
では、会社の役員が加入したなら、掛金を会社の経費にできるのでしょうか。会社が払えば損金になりそうに思えます。ところが、中小機構の説明では、掛金は共済契約者本人の個人名義の口座から引き落とされ、本人の収入から払うものです。そのため、事業上の損金や必要経費には入りません。
個人事業主でも会社の役員でも、ここは変わりません。違うのは、控除の受け方と帳簿のつけ方です。
1. 会社の役員が加入している場合
掛金は役員本人が個人の口座から払うので、会社の費用(福利厚生費など)として計上することはできません。税金が軽くなるのは法人税ではなく、役員本人の所得税・住民税です。
役員報酬を受けているなら、年末調整で「給与所得者の保険料控除申告書」に掛金の証明書を添えて申告できます。
2. 個人事業主の場合
個人事業主も、掛金を事業の必要経費にはできません。確定申告で「小規模企業共済等掛金控除」として差し引きます。
事業用の口座から掛金を払ったときは、経費ではないので、「事業主貸」で記録します。
仕訳例
(借方)事業主貸 ×××円 /(貸方)現金・預金 ×××円
受け取るときの税金の扱い
受け取るときの税金は、一つに決まっていません。受け取り方と、受け取る事情で変わります。
- 共済金(死亡を除く)や準共済金を一括で受け取る:退職所得扱い
- 共済金を分割で受け取る:公的年金等の雑所得扱い
- 65歳未満で任意解約して解約手当金を受け取る:一時所得扱い
- 65歳以上で任意解約して解約手当金を受け取る:退職所得扱い
- 加入者が亡くなり、遺族が共済金を受け取る:相続税のみなし相続財産
「受け取りはすべて退職所得」と覚えていると、解約したときの税金を見誤ります。請求や解約の前に、中小機構の案内で自分の場合の扱いを確かめてください。
注意点
- 掛金は、会社の役員・個人事業主のどちらが加入していても、事業の損金・必要経費にはなりません。
- 掛金は月額1,000円から70,000円の範囲で、500円単位で決めます。
- 一括で受け取る共済金は退職所得として扱われますが、分割で受け取る場合や65歳未満の任意解約では扱いが変わります。
まとめ
小規模企業共済は、個人事業主や会社の役員が退職金を積み立てる制度です。掛金は事業の経費ではなく、加入者本人の所得控除として扱います。間違えやすいのは、会社の役員が入っても会社の経費にはならない点です。受け取るときの税金は受け取り方で変わるので、請求や解約の前に確かめておきましょう。


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