GPUマイニングで利益を少しでも増やしたいなら、グラフィックボードを初期設定のまま使うのは正直かなりもったいないです。
では、GPUクロックやメモリクロックを限界まで上げればいいのか?
私は実際にRTX 2060やRTX 3060 Tiの設定を何度も変更しましたが、答えは「違う」でした。
クロックを上げすぎればエラーが出ます。消費電力を増やせば電気代も上がります。さらに温度まで上がれば、24時間運用ではむしろ扱いにくくなります。
GPUマイニングで狙いたいのは最高速度ではありません。
ハッシュレート、消費電力、温度、安定性のバランスがいい設定です。
この記事では、私が実際にRTX 2060とRTX 3060 Tiで使ってきたOC設定を紹介しながら、NiceHashでGPUを調整する方法や、現在使いやすいOCソフトまでまとめます。
なお、GPUには個体差があります。さらにマイニングするアルゴリズムによっても最適値は変わります。ここにある数値をそのままコピーするのではなく、設定を探すための開始地点として使うのがおすすめです。

GPUマイニングのOC設定は「クロックを上げればいい」ではない
ゲーム用のオーバークロックと、マイニング用のオーバークロックは少し考え方が違います。
ゲームではFPSを上げるため、GPUの性能をできるだけ引き出す方向へ調整することがあります。
一方でマイニングでは、単純な速度だけを追いかけても意味がありません。
マイニングで確認したい4つの数字
私がOC設定を変えるときに見るのは、主に次の4つです。
- ハッシュレート
- 消費電力
- 効率
- GPU温度とエラー
たとえばハッシュレートが3%上がっても、消費電力が20%増えているなら、私はあまり良い設定だとは思いません。
反対に、ハッシュレートが少し下がっても消費電力を大きく下げられるなら、長時間のマイニングでは魅力があります。
NiceHashのOCTuneでも、SpeedだけではなくPowerやEfficiencyを確認しながら調整できます。NiceHash公式も、メモリクロックやコアクロックを少しずつ変更し、エラーを確認しながら効率の良いポイントを探す方法を案内しています。
最適設定はGPUごとに違う
ここはかなり重要です。
同じRTX 3060 Tiでも、メーカーや冷却性能、VRAM、個体差によって安定する設定が変わります。
さらにマイニングするアルゴリズムが変われば、GPUコアを重視するのか、メモリを重視するのかも変わります。
そのため、
「RTX 3060 Tiなら絶対にこの設定」
というものはありません。
私もネットにある理想値をそのまま入力してみましたが、結局安定せず、自分のGPUに合わせて設定を落としていきました。
マイニングのOC設定は、他人の数字をコピーして終了ではありません。
そこから調整が始まります。
RTX 2060のGPUマイニングOC設定
私がRTX 2060で最初に使っていた設定は次のようなものでした。
RTX 2060で使っていた設定
| 設定 | GPUクロック | メモリクロック | Power Limit |
|---|---|---|---|
| 設定v1 | -50 | +700 | 79% |
| 設定v2 | +150 | +1100 | 79% |
最初は比較的おとなしい設定から始めました。
その後、メモリクロックを+1100まで上げ、GPUクロックも+150まで変更しています。
ただし、これは当時の私の環境で動作した設定です。
現在使っているアルゴリズムやドライバーが違えば、同じ設定でも結果は変わります。
RTX 2060は少しずつ設定を上げるほうがいい
RTX 2060でいきなりメモリクロックを大きく上げるのはおすすめしません。
私はまず、
- 初期設定で動かす
- メモリクロックを少し上げる
- 数分から数十分動かす
- エラーを見る
- 問題がなければ再び上げる
という形で調整します。
エラーや画面の乱れ、マイナーの停止が出たら、一段階戻します。
地味です。
しかし、24時間動かす機械に派手さは必要ありません。
RTX 3060 TiのGPUマイニングOC設定
RTX 3060 Tiでも同じ方法で調整しました。
RTX 3060 Tiで使っていた設定
| 設定 | GPUクロック | メモリクロック | Power Limit |
|---|---|---|---|
| 設定v1 | -240 | +920 | 82% |
| 設定v2 | 0 | +920 | 82% |
RTX 3060 Tiでは、GPUクロックを下げながらメモリクロックを上げる設定も試しました。
その後はGPUクロックを0に戻し、メモリクロック+920、Power Limit 82%という設定でも運用しています。
NiceHashの過去のOCTune資料でも、RTX 3060 Tiではメモリクロックを高めながらコアクロックを制限して効率を探す方法が紹介されています。
ただし、ここでも数字だけを見てはいけません。
+1200や+1300まで上げられる個体があったとしても、自分のGPUが同じとは限りません。
+900で何日も安定しているなら、私は無理に+1200を狙う必要はないと考えます。
数MH/sのためにマイナーが頻繁に落ちるほうが面倒です。
GPUマイニングのOC設定方法
では、実際にどのように設定を探せばいいのか。
私は一気に全部変更しません。
原因が分からなくなるからです。
まず初期状態の数値を記録する
最初にOCしていない状態でマイニングを動かします。
確認するのは、
- ハッシュレート
- GPU温度
- 消費電力
- ファン回転数
- エラーの有無
です。
これが基準になります。
基準がなければ、設定を変えて良くなったのか悪くなったのか判断できません。
メモリクロックを少しずつ調整する
次にメモリクロックを調整します。
一度に大きく変更するのではなく、小さな幅で上げます。
NiceHash公式のOCTuneガイドでも、設定を少しずつ変更し、HW ErrorやRejected Shareが出る地点を確認して戻す方法が紹介されています。
エラーが出たら「もっと電圧を入れればいける」と考えるより、まず設定を下げるほうが安全です。
最高値を探しているのではありません。
安定して動く範囲を探しています。
コアクロックとPower Limitを調整する
次にGPUコアとPower Limitを調整します。
ここで重要なのが効率です。
たとえば、
- 120Wで60MH/s
- 150Wで61MH/s
なら、私は120W側を選びます。
1MH/sのために30W増やす意味はかなり薄いからです。
NiceHashもOCTuneではSpeed、Power、Efficiencyを確認しながら、効率の高いポイントを探す方法を案内しています。
最後は実際に長時間動かす
ベンチマークを通過したから完成ではありません。
実際にマイニングを数時間から長時間動かして確認します。
短時間では問題がなくても、時間がたつと、
- マイナーが落ちる
- GPUドライバーが停止する
- Rejected Shareが増える
- 画面が乱れる
- PCが再起動する
といった症状が出ることがあります。
こうなったら設定を少し戻します。
「ギリギリ動く設定」より「余裕を持って動く設定」のほうが、私は使いやすいです。
GPUマイニングにおすすめのOCソフト
GPUの設定にはいくつか方法があります。
現在なら、NiceHash OCTune、MSI Afterburner、ASUS GPU Tweak IIIあたりが使いやすいです。
AMD RadeonならAMD Software: Adrenalin Editionも有力です。
NiceHash OCTune
NiceHash QuickMinerを使うなら、私はまずOCTuneを使います。
別のOCソフトを用意しなくても、
- コアクロック
- メモリクロック
- 消費電力
- ファン
- Efficiency
などを確認できます。
NiceHashには自動調整機能もあり、Efficiency重視で設定を探すこともできます。
初心者なら、いきなり細かく手動設定するより扱いやすいです。
MSI Afterburner
汎用性ならMSI Afterburnerが強いです。
MSI製以外の多くのGPUでも利用でき、GPUクロック、メモリクロック、電力制限、温度、ファンなどをまとめて確認できます。
MSI公式ではOC Scannerによる自動オーバークロックにも対応しています。
私もGPU設定を試すなら、まず候補に入れるソフトです。
ただし、設定をWindows起動時に自動適用するのは、十分に安定動作を確認してからのほうがいいです。
ASUS GPU Tweak III
以前はGPU Tweak IIを使っていましたが、現在はGPU Tweak IIIが現行です。
GPU Tweak IIIでは、
- GPUクロック
- メモリクロック
- 電圧
- Power Limit
- ファン
- OC Scanner
- OSD
などを操作できます。NVIDIAとAMDのディスクリートGPUに対応しています。
画面が比較的分かりやすいので、設定を目で確認しながら触りたい人には使いやすいです。
AMD Software: Adrenalin Edition
Radeonを使っているなら、AMD純正のAdrenalin EditionでもGPUを調整できます。
GPUクロックだけでなく、VRAM、電圧、Power Limit、ファンなどを変更できます。
対応GPUでは自動オーバークロックやアンダーボルトも利用できます。
AMD Software: Adrenalin Edition パフォーマンスチューニング
Radeonなら、まず純正ツールから試していいでしょう。
GPUのOC設定でエラーが出たときの対処
OC設定を上げていくと、どこかで不安定になります。
これは珍しいことではありません。
CUDAエラーやマイナー停止が出る
メモリクロックを上げすぎたときは、まずメモリ設定を少し下げます。
+1100で不安定なら+1050、+1000というように下げて確認します。
限界値から少し下げたところに、長時間運用しやすい場所があることが多いです。
画面がブラックアウトする
GPUクロックやメモリクロックが高すぎる場合があります。
まず初期設定へ戻し、一つずつ設定を適用します。
全部を同時に変更すると、原因探しが地獄になります。
Rejected Shareが増える
ハッシュレートだけ高くても、Rejected Shareが増えているなら良い設定とは言えません。
NiceHashも、メモリクロックを上げながらHW ErrorやRejected Shareを確認し、エラーが出ない地点まで戻す方法を案内しています。
数字の見た目より、正常に処理できているかを優先したほうがいいです。
GPUをオーバークロックするときの注意点
OCはメーカー標準設定を超える操作です。
当然、リスクはあります。
MSIも、GPUには保護機能があるものの、オーバークロックによって発生した損傷は保証対象外になる可能性があると案内しています。
AMDも、規定仕様を超えるオーバークロックによる損傷などについて注意を出しています。
私は特に、
- 温度を確認する
- 電圧を無理に上げない
- エラーが出たら設定を戻す
- 長時間の安定性を確認する
- 自動適用は安定してから使う
ことを重視しています。
マイニングでは数分だけ速くても意味がありません。
安定して長く動くことのほうが重要です。
まとめ
RTX 2060やRTX 3060 Tiを使ってマイニングしてきましたが、最終的に感じたのは「理想値を探しすぎないほうがいい」ということです。
RTX 2060ではメモリクロック+700から+1100、RTX 3060 Tiでは+920前後など、私は何度も設定を変えました。
しかし、ネットで見つけた高い設定値に合わせても安定するとは限りませんでした。
見るべきなのは、
ハッシュレートだけではなく、消費電力、効率、温度、エラーを含めた全体です。
NiceHash QuickMinerならOCTune、幅広く使うならMSI Afterburner、細かく設定したいならGPU Tweak IIIも選べます。RadeonならAdrenalin Editionという選択肢もあります。
まず初期状態を記録する。
少し設定を変える。
動かす。
エラーを見る。
問題があれば戻す。
結局、この地味な作業が一番確実でした。
GPUマイニングでは「最大クロック」が最適設定とは限りません。
自分のGPUが無理なく長時間動き、消費電力に対して十分な性能を出せる場所。
そこが、そのGPUにとっての本当のOC設定です。


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