5月の終わり。ようやく暖かさが安定し、春から初夏への移ろいを感じる季節ですが、なぜか「くしゃみ」「鼻水」「目のかゆみ」「喉の違和感」など、風邪に似た症状に悩まされる人が少なくありません。特に「もうスギ花粉の時期は終わったはずなのに…なぜ?」と戸惑う人も多いはずです。
この時期の不調は風邪なのか、それとも花粉症などのアレルギーなのか――原因が分からないと、適切な対処が難しく、症状をこじらせてしまうリスクもあります。この記事では、「5月末に現れる体調不良の原因」と「花粉症と風邪の見分け方」について、医療的知見や最新の環境情報をもとに詳しく解説します。
5月末でも花粉症はある?どの植物が原因?
一般的にスギ花粉は3月下旬~4月上旬でピークを過ぎますが、5月末でも別の植物の花粉が飛んでいます。
特に注目すべきは以下の花粉です:
- ヒノキ花粉:スギの後に飛散し、地域によっては5月中旬まで続くことも。関東地方ではゴールデンウィーク明けまで残ることが。
- イネ科花粉:5月から本格的に始まり、初夏まで断続的に飛びます。公園・河川敷・学校のグラウンドなど、日常生活に密接な場所に多く存在。
- カモガヤ・オオアワガエリなどの雑草系花粉:湿った場所や芝生で多く、都会でも見られます。
これらの花粉にアレルギー反応がある人は、スギ花粉の時期が終わっても、5月末から6月にかけて再び症状が出始めるのです。
風邪との違いは?症状から判断するポイント
5月末の体調不良が「風邪」か「花粉症」かを見分けるためには、症状の出方や質に注目することが重要です。
症状 | 花粉症 | 風邪 |
---|---|---|
発熱 | ほとんどなし | 微熱〜高熱が出ることも |
鼻水 | サラサラの水のような鼻水 | 粘り気のある黄色や緑の鼻水 |
鼻づまり | 強いことが多い | 軽度〜中程度 |
目のかゆみ | 強く出やすい | ほとんどなし |
くしゃみ | 発作的に連発 | 単発で少なめ |
喉の痛み | 軽度〜違和感程度 | 強い痛みになることも |
咳 | 乾いた咳 | 痰を伴う咳が多い |
上記の表を参考にして、自分の症状に近い方を判断材料としましょう。
例えば、「目のかゆみが強く、サラサラした鼻水が続くけれど熱はない」という場合は、典型的な花粉症のパターンです。一方、「喉がひりつくように痛く、微熱もある」という場合は、風邪を疑った方がよいかもしれません。
花粉症なのに風邪と間違いやすい理由
花粉症の症状は風邪と似ている上、特にイネ科花粉によるアレルギー性鼻炎は喉のイガイガ感や軽い咳を伴うことがあるため、自己判断で「風邪かな」と思ってしまうことがよくあります。
また、5月末は寒暖差も激しく、体調を崩しやすい時期。免疫力が落ちていると、花粉症と風邪が併発するケースもあります。こうなると症状が複雑化し、市販薬が効かないなどの事態になりがちです。
医療機関を受診する目安とは?
以下のような場合は、迷わず医療機関を受診しましょう:
- 3日以上、症状が改善せずに続く
- 熱が出たり、喉の強い痛みがある
- 市販薬を服用しても改善しない
- 花粉症の薬を飲んでもまったく効かない
- 呼吸が苦しい・目が真っ赤になるなど、重い症状がある
早めに耳鼻咽喉科や内科を受診し、アレルギー検査を受けることで、風邪との違いがはっきりします。原因が分かれば、適切な薬で症状を速やかに抑えることが可能です。
日常でできるセルフケアと予防策
5月末の花粉や風邪に対して、日常生活でできる予防策も紹介します:
- 外出時はマスクを着用:イネ科花粉は粒子が細かいため、花粉症対策マスクが有効。
- 帰宅後はすぐに洗顔・うがい・手洗い:花粉の除去と風邪ウイルスの排除を兼ねて。
- 洗濯物は室内干しがおすすめ:特に風の強い日は花粉が付着しやすい。
- エアコンのフィルターを清掃:室内の花粉・ホコリ対策にも。
- 体を冷やさない:朝晩は冷えるため、寒暖差による免疫低下に注意。
- 栄養と睡眠をしっかり取る:花粉・風邪のどちらに対しても、免疫力維持は基本。
まとめ
5月末に鼻水やくしゃみ、喉の違和感などが現れたら、それは風邪ではなく花粉症やアレルギーの可能性があります。スギ花粉が終わっても、ヒノキ・イネ科花粉はしっかり飛んでおり、多くの人に影響を与えています。
「ただの風邪だろう」と見過ごすと、症状を長引かせたり、対処を間違えて悪化するおそれも。風邪と花粉症の見分け方を知り、早期に適切な対処を取ることが、5月末を快適に過ごすための第一歩です。
季節の変わり目、体からのサインを見逃さず、賢く乗り切りましょう。
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