日本は「銃社会ではない」とよく言われます。しかし本当にそうでしょうか?
実は、日本警察は日常的に銃を携帯し、状況によっては発砲も行っています。では、その“実際に使われている銃”とは何なのか——?
そしてなぜその銃が選ばれているのか?そこには日本ならではの理由が隠されています。
この記事では、現在の日本警察の使用銃型を中心に、配備理由や特徴まで詳しく解説します。
日本警察の基本装備としての拳銃とは
日本の警察官は原則として拳銃を携帯しています。これは交番勤務の警察官であっても例外ではありません。
ただし、海外と大きく違う点は「発砲のハードルの高さ」です。
日本では発砲は厳格な基準に基づき、最終手段としてのみ認められています。
そのため、銃に求められる性能も「威力」よりも以下が重視されます。
- 安全性が高い
- 暴発しにくい
- 扱いやすい
- 過剰な殺傷力を持たない
この前提を踏まえると、日本警察が採用している銃の特徴が見えてきます。
現在の日本警察の主な使用銃型
ニューナンブM60(長年の主力拳銃)
日本警察の象徴とも言える拳銃が「ニューナンブM60」です。
特徴
- 国産(ミネベアミツミ製)
- 回転式拳銃(リボルバー)
- 5発装填
- .38スペシャル弾使用
なぜ採用されているのか
ニューナンブM60は1960年代から配備されている超ロングセラーです。
その理由は非常にシンプルで、「とにかく安全で壊れにくい」からです。
オートマチック拳銃と違い、構造が単純なため
- ジャム(弾詰まり)が起きにくい
- 故障しにくい
- 操作ミスが少ない
といったメリットがあります。
一方で
- 装弾数が少ない
- リロードに時間がかかる
といった弱点もありますが、日本の治安環境では大きな問題になりにくいとされています。
S&W M37 エアウェイト(軽量モデル)
ニューナンブと並んで配備されているのが「S&W M37」です。
特徴
- アメリカ製
- リボルバー式
- 軽量(アルミフレーム)
- .38スペシャル弾
採用理由
この銃は軽量で携帯性に優れているため、
- 女性警察官
- 私服警察官
などに多く配備されています。
特に長時間携帯する場合、重量は大きな負担になります。
そのため、軽さを重視したモデルとして重要な役割を担っています。
SAKURA(サクラ)M360J(次世代リボルバー)
近年注目されているのが「SAKURA M360J」です。
特徴
- S&W製(日本警察仕様)
- リボルバー式
- ステンレス+軽量フレーム
- 日本警察向けに改良
なぜ導入が進んでいるのか
ニューナンブM60はすでに製造終了しており、後継問題が発生しています。
そこで導入が進んでいるのがこのSAKURAです。
改良点としては
- 耐久性の向上
- 軽量化
- メンテナンス性の改善
などが挙げられます。
つまり、「ニューナンブの良さを引き継ぎつつ現代化したモデル」と言えます。
なぜ日本警察はオートマチック拳銃を採用しないのか
海外の警察では主流となっているのがオートマチック拳銃です。
それにも関わらず、日本ではリボルバーが中心です。
理由① 安全性の高さ
リボルバーは構造上、
- 引き金を引かない限り発射されない
- 誤作動が少ない
という特性があります。
日本では「誤射」は重大問題になるため、安全性は最優先です。
理由② 操作がシンプル
オートマチックは
- スライド操作
- セーフティ
- マガジン管理
など覚えることが多いですが、リボルバーは
- 弾を入れる
- 引き金を引く
だけです。
つまり、訓練コストが低く、誰でも扱いやすいというメリットがあります。
理由③ 日本の治安との相性
日本は銃犯罪が非常に少ない国です。
そのため
- 多弾数
- 高火力
よりも
- 確実に1発を当てる
- 必要最低限の威力
が重視されます。
結果としてリボルバーが合理的な選択となっています。
特殊部隊・機動隊の使用銃型
一般警察官とは別に、特殊部隊では異なる銃が使用されています。
SAT(特殊急襲部隊)
- H&K MP5(サブマシンガン)
- H&K G36(アサルトライフル)
- SIG P226(拳銃)
機動隊
- 散弾銃(ショットガン)
- 催涙弾発射器
これらはテロや凶悪事件への対応を目的としており、一般警察とは装備思想が大きく異なります。
日本警察の銃に対する考え方
日本警察の銃運用の本質は「抑止力」です。
つまり
- 発砲しないことが前提
- 見せることで犯罪を防ぐ
という考え方です。
実際、発砲件数は年間でも非常に少なく、多くの警察官は一度も発砲せずにキャリアを終えます。
今後の日本警察の使用銃型はどうなるのか
今後のポイントは以下の3つです。
① ニューナンブの完全更新
製造終了により、SAKURAへの移行が進むと考えられます。
② 軽量化・高耐久化
警察官の負担軽減のため、より軽くて丈夫な銃が求められています。
③ オートマチック導入の可能性
現時点では低いですが、
- テロ対策
- 国際基準への対応
などにより、一部で導入が進む可能性もゼロではありません。
まとめ
日本警察の使用銃型は、世界的に見ても非常に特徴的です。
- 主力はリボルバー(ニューナンブM60など)
- 安全性と確実性を最優先
- 治安の良さに適した装備選択
そして現在は、SAKURA M360Jへの移行という転換期にあります。
「なぜ強い銃を持たないのか?」
その答えは、日本という国の治安と価値観にあります。
ただし時代は変化しています。
今後、日本警察の銃装備がどのように進化していくのか——注目しておく価値は十分にあるでしょう。

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