SAN値とは?
インターネットやSNS上でたびたび見かける「SAN値」という言葉。たとえば、「SAN値直葬」「SAN値が削れる」といったフレーズで登場しますが、そもそも「SAN値」とは何なのか、どこから来た言葉なのかご存じでしょうか?
「SAN値」とは、「Sanity(正気度)」を表す数値で、元々はテーブルトークRPG(TRPG)の一つである『クトゥルフ神話TRPG』に登場するゲーム内用語です。英語では「Sanity points(正気度ポイント)」と呼ばれ、これが日本語圏では略されて「SAN値(さんち)」と表現されています。
つまり、SAN値はゲーム用語でありながら、あまりに独特な世界観とインパクトのある表現から、ネットスラングとして広く一般にも浸透していったのです。
どこの用語なのか?由来を解説
SAN値は、アメリカの作家H.P.ラヴクラフトが生み出した「クトゥルフ神話」を題材にしたTRPG『Call of Cthulhu(クトゥルフの呼び声)』に登場する概念です。
このゲームでは、プレイヤーキャラクターが超常的な存在や恐怖体験に触れるたびに「SANチェック(正気度判定)」を行い、その結果によってSAN値が減少します。SAN値がゼロになると、そのキャラクターは完全に正気を失い、発狂や自害といった末路をたどるのです。
このルールがあまりに強烈で、「正気を削られる体験=SAN値が減る」という感覚が、プレイヤーのみならずネットユーザーの間でも共有されるようになりました。
「SAN値直葬」ってどういう意味?
ネット上でよく見かける「SAN値直葬」という表現。これは「SAN値が一気にゼロになって正気を失うほどの衝撃を受けた」という意味で使われます。
「直葬」とは、通夜や告別式を行わずに直接火葬するという現実の用語ですが、ここでは比喩的に「一瞬でメンタルが死んだ」ような状態を指します。要するに、「これはもう正気を保てないレベルのヤバさだ!」というニュアンスです。
たとえば以下のような状況で使われます。
- 「あのホラー映画、SAN値直葬レベルだった」
- 「深夜にあれ見たらSAN値直葬確定」
- 「クトゥルフ神話のイラスト、SAN値持ってかれた」
なぜゲーム用語がネットスラング化したのか?
SAN値がこれほどまでにネットで広く使われるようになった理由はいくつかあります。
- 視覚的にわかりやすい感覚表現
「正気度が削られる」という概念は、多くの人が日常生活の中で感じるストレスや恐怖、ショックと結びつきやすく、共感を呼びやすい。 - クトゥルフ神話TRPGの人気拡大
ニコニコ動画やYouTubeなどでプレイ動画(リプレイ動画)が人気となり、ゲーム未経験者でも「SANチェック」や「発狂」などの用語が知られるようになった。 - ミーム化しやすいインパクト
「SAN値直葬」という言葉のインパクトや語感が独特で、ネタやジョークとして使いやすいのも浸透の一因です。
他にもあるSAN値関連ワード
「SAN値」に関連して使われる表現は他にもいくつかあります。
- SANチェック:恐怖や異常に直面した際に行う正気度判定のこと。
- SAN回復:癒しや安心感を得て、精神的なダメージから立ち直ること。「この猫動画でSAN値回復した」など。
- SAN値がゴリゴリ削られる:不快・怖い・不安といった強い感情でメンタルを削られている様子。
これらはすべて、元々のTRPGのルールをベースに、ネット上で創意工夫されて発展したスラングです。
まとめ:SAN値は「正気」を数値化したネット発の共感ワード
SAN値は、元はクトゥルフ神話TRPGにおける「正気度」を表すゲーム用語ですが、今やネットスラングとして定着し、「精神的ダメージ」や「衝撃的な体験」を表現する便利な言葉となっています。
もしあなたが「SAN値 何?どこの用語?」と疑問に思っていたなら、今日からはぜひ自信を持って使ってください。
そして何か強烈な画像や映像を目にしたとき、こうつぶやいてみましょう。
「うわ、今のでSAN値直葬だわ……」
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