ロボットは、家庭でも仕事でも私たちの生活の一部に存在していて、今後はよりさまざまな場面でロボットが活躍すると言われています。しかし、ロボットの活躍を悲観的に捉えて、ロボットに人間の仕事を取られてしまうことを懸念している人たちもいるでしょう。
本当に、自動化やロボットの普及が人間の仕事に悪い影響を及ぼすのでしょうか?これから自動化が進んでいったときに、どのように対応していけばいいのでしょうか?
この記事では、その謎に迫っていきます。
ロボットはどれくらい普及しているのか?
国際ロボット連盟の「World Robotics 2020 Industrial Robots」最新レポートによると、世界の工場で稼働している産業ロボットは270万台を記録し、前年と比べると12%増でした。
ロボットの普及率の増加は、生産性だけではなく経済成長をも促し、産業界に新たな雇用を創出するだろうと言われています。しかしその一方で、製造業での人間の雇用がロボットによって奪われるという懸念も根強くあります。
ロボットの普及は雇用に影響を与えるのか?
マッキンゼーグローバル研究所が発表したレポートによると、業務を自動化することによって、2030年までに世界中で4億人から8億人の人々が仕事を失い、新しい職を見つける必要があると推定しています。
企業は効率を向上させようと産業ロボットに大金を費やしていますが、実は私たちも知らず知らずのうちに雇用喪失に加担しているというケースがあります。たとえば、ガソリンスタンドでのセルフ給油や、スーパーマーケットでの無人レジ、電車の自動改札機などは、かつては人手で行っていた作業を機械で代用しています。あらゆるものやサービスの自動化は、消費者にとってはとても便利な存在ですが、その裏で犠牲になっている人たちも存在するのです。
一方、自動化される可能性が低い仕事も存在します。たとえば、デザイナーやカウンセラーなど、抽象的なものを創造したり、高度なコミュニケーションを要したりする職業は、ロボットによって仕事を奪われる可能性が低いと言われています。
ロボットと共存するこれからの未来
ロボットが雇用に影響を与える可能性について説明しましたが、ロボットは特定の反復的な機能を実行するようにプログラムされていて、人間が退屈、汚い、または危険と思っているためにやりたくない作業を代行してくれている頼もしい存在でもあります。
また、人工知能(AI)は人間をより生産的にするツールでもあり、うまくAIを導入することで、同じ時間でより多くの成果を上げることができます。
「ロボットに仕事を奪われる」と考えるのではなく、「ロボットと共存する」と考えると、新たなライフスタイルや価値が生まれて、生活がより豊かになるのではないでしょうか。
創造的な思考や、ソーシャルインテリジェンス、非定型的スキルという人間ならではの強みを磨くことが、ロボットとうまく共存する鍵になってくるでしょう。
コメント