ピーターパン症候群治し方パーソナリティ障害

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大人の年齢に達し身体は立派な成人なのに、精神的に大人になれない…というよりは、大人になることを拒んでいる男性。こうしたパーソナリティを、1980年代初頭に米国心理学者ダン・カイリーは「ピーターパン症候群」と名づけました。
精神医学の正式用語ではありませんが、パーソナリティ障害に似たコンセプトと言えるでしょう。

目次

パーソナリティ障害

パーソナリティ障害の定義は、「その人の属する文化から期待されるものより著しく偏った内的体験および行動の持続的パターンであり、ほかの精神障害に由来しないもの…」とされています。 (世界保健機構の精神疾患の診断基準(ICD-10)やアメリカ精神医学会の診断基準(DSM-IV-TR 2000)による)。
これを「パーソナリティそのものが病的である」と解釈したり、いわゆる「性格が悪いこと」と混同したりしてはいけません。パーソナリティ障害は、心理学的な意味のパーソナリティとも、一般的な意味の「個性」に近いパーソナリティとも性質が異なるものです。この障害は、治療によって徐々に改善することが期待できる精神疾患です。
パーソナリティ障害にはいくつかのタイプがあり、アメリカ精神医学会の診断基準で10種、世界保健機構の診断基準で8種があげられています。アメリカ精神医学会の診断基準では大きく分けて、次の3つに分類されています。括弧内にそれぞれの特徴を記します。

  • A群(奇妙で風変わりなタイプ)
    • 妄想性パーソナリティ障害 (広範な不信感や猜疑心が特徴)
    • 統合失調質パーソナリティ障害 (非社交的で他者への関心が乏しいことが特徴)
    • 統合失調型パーソナリティ障害* (会話が風変わりで感情の幅が狭く、しばしば適切さを欠くことが特徴)
  • B群 (感情的で移り気なタイプ)
    • 境界性パーソナリティ障害 (感情や対人関係の不安定さ、衝動行為が特徴)
    • 自己愛性パーソナリティ障害* (傲慢・尊大な態度を見せ自己評価に強くこだわるのが特徴)
    • 反[非]社会性パーソナリティ障害 (反社会的で衝動的、向こうみずの行動が特徴)
    • 演技性パーソナリティ障害 (他者の注目を集める派手な外見や演技的行動が特徴)
  • C群 (不安で内向的であることが特徴)
    • 依存性パーソナリティ障害 (他者への過度の依存、孤独に耐えられないことが特徴)
    • 強迫性パーソナリティ障害 (融通性がなく、一定の秩序を保つことへの固執(こだわり)が特徴)
    • 回避性[不安性]パーソナリティ障害 (自己にまつわる不安や緊張が生じやすいことが特徴)
※ICD-10で該当するタイプの名称を大括弧内に示す。*印はICD-10にないもの。なお、ICD-10では、境界性パーソナリティ障害は情緒不安定性パーソナリティ障害の下位分類のひとつである情緒不安定性パーソナリティ障害境界型と位置づけられている。

これらのパーソナリティ障害の共通の特徴としては、発達期から(遅くとも思春期から成人期早期から)その徴候が認められること、認知、感情、衝動コントロール、対人関係といったパーソナリティ機能の広い領域に障害が及んでいること、その徴候が家庭や職場など広い場面で見受けられるなどを挙げることができます。
参照:http://www.mhlw.go.jp/kokoro/know/disease_personality.html

「身体は大人、心は子ども」のピーターパン症候群とは?

表面的にはプライドが高く立派な大人のように見えても、内心、非常に傷つきやすく臆病な男性。
ピーターパン症候群には次のような特徴がみられます。
・12~50歳の男性
・「無責任」「不安」「孤独感」「性役割における葛藤」の基本症状を抱えている
・人生において漠然とした不平不満を持っているが、自分はノーマルだと思っている
・成長した大人を演じようとし、第一印象はよく、深く知らない人には好感をもたれやすい
・結婚して父親になり安定した仕事は持っていても、人生は退屈だと絶望している
・45歳ころから憂うつや苛立ちの症状が強く表れ、それまでのライフスタイルに反抗する
・デートは年下や幼い印象の女性を好む。
・結婚後は家庭よりも友だちを優先する

・若いころは職を転々とし必要に迫られなければ働かない。立派なキャリアにあこがれるが努力を嫌う
・年長になると仕事人間が増える
・豊かな家庭で育った長男に多い。父親はデスクワーク、母親は専業主婦のケースが多い
・パーティ好きで、騒ぐのが好き
人当たりは悪くないけれど未成熟で、積極的に社会に適応していこうとはしないパーソナリティです。
その原因には、経済的な豊かさとこれに反比例する精神的な貧しさや、両親の不和といったことがあるようです。このことは、1980年代のいわゆる「バブル期」を象徴する文化でもありました。

自己愛と男尊女卑へ向かう「ピーターパン症候群」基本的な4つの症状

無責任

過保護に育てられて「自分は特別」と思っている。でも、さまざまなことを訓練していないので、自分に自信がない。

不安

両親の不和、子どもの頃からの家庭の緊張感、温かいコミュニケーションの欠如、遊びと仕事のアンバランスなど、両親の結婚生活の悪影響で不安になっている。

孤独感

経済的に豊かな家庭で育っているので、働くことへの価値観が崩壊し、時間を持て余している。そこで、流行を追いかけ、たくさんの友だちを作って仲間外れにならないようふるまっているが、神経をすりきらせて結果的に「孤独感」だけが残っている。

性役割の葛藤

「男らしくあれ」ということに適応できずに、葛藤している。
一言でいえば「未熟」なパーソナリティは、上に挙げた4つの基本症状が発展して、ナルシシズム(自己愛)と男尊女卑の傾向を生み、愛を通して成長することを阻んでしまうと言われています。しかし、ピーターパン症候群の男性たちは、こうした自己愛や男尊女卑を露骨に見せることはなく、表面上は「やさしく」ふるまいます。

参照:http://www.mag2.com/p/news/213084

ピーターパン症候群の治療

ピーターパン症候群の症状は12歳頃から発現し始めるため、発見が早ければ治療も可能なものです。両親の不和を解消することが最も効果的な治療法であると言えます。
問題は既に成人しているピーターパン症候群の男性の治療であり、地道にカウンセリングをしていくほかに方法はありません。
しかしピーターパン症候群の男性が自ら治療のためにカウンセリングを受けようとすることは稀であり、第三者がカウンセリングを勧めても拒絶してしまうことがほとんどです。わがままも何もかも受け止めてくれる「ウェンディ」のような存在が居てくれるならそのままでも生きていけるかもしれません。しかしそんな存在を持たない男性は回復する手立てのないまま増大していく社会との軋轢に心を病み、うつ病を患ってしまうこともあると言います。
また別の精神疾患の症状としてピーターパン症候群と合致する症状が現れていることもありえます。上述の症状が現れているからと言ってピーターパン症候群であるとは限らないため注意が必要です。
参照:https://www.mentalshinri.net/byouki/%E3%83%94%E3%83%BC%E3%82%BF%E3%83%BC%E3%83%91%E3%83%B3%E7%97%87%E5%80%99%E7%BE%A4%E3%81%AE%E7%97%87%E7%8A%B6%E3%83%BB%E5%8E%9F%E5%9B%A0%E3%83%BB%E6%B2%BB%E7%99%82%E3%81%AB%E3%81%A4%E3%81%84%E3%81%A6/

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