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個人で建物を解体する場合に許可は必要?知らないと危険な法律と安全ルールの全て

建物を自分で壊して費用を抑えたいと考える人は少なくありません。しかし、解体は法律・安全の両面で厳しいルールがあり、知らずに着手すると行政処分や罰則につながるおそれがあります。特に「個人でやる 建物解体許可いる?」という疑問は、実際に多くの人が検索するテーマです。この記事では、個人が自宅などを自力で解体する際に必要な許可や届出、安全面での注意点などを包括的に解説します。

建物の規模や工法によっては専門業者でなければ扱えない工程も多く、DIY感覚で始めるのは極めて危険です。無許可作業で行政に指導される例もあります。この記事では、個人での解体がどこまで可能なのか、法律的に必須となる届出は何か、どんなリスクがあるのかを網羅し、実際に行う際の判断基準として活用できる情報を詳しくまとめます。

個人でも解体できるケースは存在しますが、条件や制約が多く「できる=やってよい」とは限りません。正しい知識を押さえて安全・合法に進めるためのポイントを詳しく見ていきます。

目次

個人で建物を解体する場合に許可は必要なのか

解体工事は「建設業法」「廃棄物処理法」「建築リサイクル法」など複数の法律が関係するため、判断を誤るとトラブルになりやすい分野です。ここでは、個人で解体する場合に必要となる許可の範囲を明確に整理していきます。

個人で自宅を解体するだけなら建設業許可は不要

建設業法では「他人から請け負って建設工事を行う場合」に許可が必要と定められています。つまり、自分が所有する家を自ら壊すだけであれば建設業許可は不要です。これは解体工事に限らず、リフォームや改修でも同じ扱いです。

ただし、無償であっても知人の家を手伝うなど「第三者の建物」に手を加える場合は、事実上請負に該当する可能性があり、許可が必要と判断されるケースがあります。あくまで「自分名義の建物」のみに限定される点が重要です。

建築リサイクル法の届出は面積によって必要になる

建築物の解体には、規模に応じて自治体への届出が必要です。
対象となるのは以下の条件を満たす場合です。

・床面積80㎡(約24坪)以上の解体
・工事着手の7日前までに届出

この届出は個人が自ら解体する場合でも必須となります。届出を怠ると罰則の対象になり、改善命令や工事中止を命じられることもあります。書類の作成はそれほど難しくありませんが、排出する廃材の量・種類を記載する必要があるため、事前の把握は必須です。

危険物を含む建材の扱いには資格が必要な場合がある

古い建物の場合、アスベスト(石綿)を含む建材が使用されていることがあります。アスベストの除去や封じ込めは専門資格者でなければ作業できません。

・事前調査
・アスベスト含有建材の特定
・飛散防止措置
・適切な処分

これらは厳格に義務化されており、個人が無資格で行うことは法律違反となります。アスベスト調査の報告義務は2022年から強化されており、個人解体も例外ではありません。

廃棄物処理法により「運搬」「処分」は個人で行えない場合がある

解体で発生する廃材は「産業廃棄物」に該当します。自分で発生させた廃材であっても、処分場に運搬する際には自治体のルールに従う必要があり、自治体によっては「個人の産廃持ち込み不可」など制限が設けられています。

・木くず
・コンクリートがら
・石膏ボード
・金属類

これらは適切な処分が必要なため、ほとんどのケースで産廃業者に依頼することになります。「解体は自力」「廃材は業者へ」が一般的です。

個人解体ができる範囲とできない範囲

法律のほか、現実的な観点でも個人解体には限界があります。ここでは実務的に可能な範囲と危険な範囲を明確にします。

個人でも可能な作業の例

・庭の小屋(木造・小規模)
・物置の解体
・軽量なフェンスや外構の撤去
・室内の壁紙剥がしや簡易な内装解体

これらは工具さえあれば可能な場合が多く、危険性も比較的低めです。ただし、構造体に関わる部分を無断で壊すと倒壊リスクが高まるため注意が必要です。

個人では避けるべき作業の例

・鉄骨造・RC造の建物
・二階建以上の建物
・屋根瓦の撤去
・梁・柱・基礎部分の破壊
・アスベスト含有可能性がある建材の除去

これらは専門の重機・保護具・技術がなければ危険で、事故や倒壊の恐れが非常に高い領域です。現実的には業者へ依頼すべき部分になります。

事故・トラブルのリスク

個人解体で起こりがちな事故には以下があります。

・倒壊に巻き込まれる
・工具の誤使用による負傷
・隣家への破片飛散
・電線・ガス管の損傷
・基礎部分の崩落によるケガ

特に都市部は隣家との距離が近く「飛散事故」は実際に多く起きています。

個人が解体を行う際の手続きと流れ

実際に個人で解体する場合の段取りを整理します。手順を踏まないと法的リスクが大きくなるため、順番通りに理解することが欠かせません。

事前調査と自治体への相談

まず行うべきは自治体または建築指導課への相談です。

・建物の面積
・建築年(アスベストの可能性判断)
・解体時の届出の要否
・処分場へ持ち込めるかどうか

自治体は解体に関する案内を持っているため、確認することで重大なミスを防げます。

アスベスト事前調査の実施

2022年の法改正で、アスベスト調査は義務化されました。
調査結果は自治体へ報告が必要であり、無報告で着工すると罰則の対象となります。

調査は専門業者へ依頼する必要があります。

建築リサイクル法の届出(対象の場合)

床面積80㎡以上の解体は届出必須です。
必要書類は主に以下です。

・届出書
・配置図・平面図
・廃材の種類と数量
・工程表

届出が受理されると、解体作業がはじめて合法的に開始できます。

電気・ガス・水道の停止手続き

個人解体でもライフライン停止は必須です。

・電力会社のメーター撤去
・ガス管閉栓
・水道の止水

これらを行わずに解体すると重大事故の原因になります。

作業計画と安全対策の準備

・足場
・防塵マスク
・養生シート
・ヘルメットや手袋
・工具の点検

小規模でも安全装備がなければ危険度が跳ね上がります。

解体作業と廃材処理

作業は「上から下」「外側から内側」が基本です。
廃材は分別し、自治体ルールに従って処分します。

・木材
・金属
・ガラス
・瓦
・コンクリートがら

自治体によっては「個人持ち込み不可」があるため、事前確認が必須です。

個人解体と業者依頼の費用比較

個人で行う理由の多くは「費用を抑えたい」という点ですが、実際は必ずしも安くなるとは限りません。

個人解体の費用例

・工具・装備購入
・アスベスト調査
・廃材処分費用
・車両レンタル
・養生費

総額で数十万円に達することも多く、規模によっては業者依頼とそこまで差がないケースもあります。

業者依頼のメリット

・許可・届出をすべて代行
・廃材処理まで一括
・アスベストへの対応
・事故リスクが激減
・工期が短い

費用はかかりますが、リスクや安全を考えると業者依頼が最も合理的な選択となるケースが多いです。

まとめ

個人で建物を解体する場合、建設業許可は必要ありません。しかし、建築リサイクル法の届出やアスベスト調査など、法律上の手続きは規模に応じて必ず発生します。また、解体後の廃材は産業廃棄物として扱われるため、自治体ルールに従った処分が必須です。危険性も高く、特に構造部分の破壊は素人では極めて危険です。

小規模で安全な範囲のみを個人で行い、難易度の高い部分や廃材処理は業者に任せる方法が現実的です。合法性と安全性を確保したうえで、無理のない範囲で解体作業を進めることが重要です。

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