「高性能トラックボールを導入したい」、「手首に負担をかけず快適に操作できるマウスがほしい」といったニーズに対して、**Kensington Bluetooth SlimBlade Pro (K72085JP)**は非常に魅力的な選択肢のひとつです。本記事では、その使い勝手や性能、長所・短所までを幅広くレビューし、導入を検討している人に役立つ実際の使用感をお伝えします。
製品概要と特徴
接続方式の柔軟性
SlimBlade Pro は、Bluetooth 5.0、2.4GHz ワイヤレス(USB ドングル)、**有線(USB-C ケーブル)**という三つの接続方法を備えており、状況に応じて切り替えが可能です。 (ハウツーギーク)
左側面にスライド式の切り替えスイッチがあり、直感的にモードを変えられる設計です。 (ハウツーギーク)
また、有線接続用には USB-A – USB-C の変換アダプタが付属しているため、最近の USB-C ポートのみのノートPCなどでも対応できます。 (ハウツーギーク)
大型トラックボールとスクロール機能
このトラックボール最大の特徴は、直径 55 mmの大型ボールです。 (NAGATSUKI WORKS)
この大きなボールは人差し指と中指の二本で操作する構造で、細かいポインタ移動と勢いのある動きの両方に強みを持っています。 (NAGATSUKI WORKS)
スクロールはホイールではなく、トラックボールを水平にひねる(回転させる)ことで実現します。この操作時にはクリック感のあるカチカチというフィードバックがあります。 (NAGATSUKI WORKS)
ボタン構成とカスタマイズ性
上面には 4つの大きなボタン があり、さらに左右同時押しによって追加アクションが可能。 (NAGATSUKI WORKS)
これらのボタンは専用ソフト KensingtonWorks を通じて割り当てを自由に設定できます。 (NAGATSUKI WORKS)
DPI(ポインター速度)は 400 / 800 / 1200 / 1600 の4段階が用意されており、右側面のボタンで切り替えられます。 (The Gadgeteer)
環境への配慮
ボディには 再生プラスチック が使われているモデルもあり、環境への配慮が見られる仕様になっています。 (Review-Rating)
また、USB ドングルとの接続は 128ビット AES 暗号化が施されており、セキュリティ面も考えられているとされています。 (トラックボールマウス)
対応 OS・互換性
Windows や macOS に対応しており、KensingtonWorks を使ってボタンや加速設定を変更可能です。 (Review-Rating)
ただし、一部ユーザーからは KensingtonWorks が SlimBlade Pro を正しく認識しない、不具合があるとの報告もあります。 (Reddit)
使用感とパフォーマンス
操作性と慣れ
最初は慣れが必要ですが、数日使えば十分に習熟できます。How-To Geek のレビューでも、慣れるにつれて大型ボールを使った操作が心地よくなってきたとの評価があります。 (ハウツーギーク)
人差し指・中指でボールをつまむように操作するスタイルは、親指トラックボールとは異なる手応えがあり、精密な操作も比較的安定して行えます。 (blue green photography)
スクロールの体験
水平にひねって行うスクロールは独特で、直感的には慣れが必要です。The Gadgeteer のレビューでは、最初はスクロール動作が難しく感じるが、指をリング部分にかけて操作すると安定するというアイディアが紹介されています。 (The Gadgeteer)
フィードバックの「カチカチ音」は、多くのユーザーにとって好評。軽快で気持ちのいい操作感を提供します。 (NAGATSUKI WORKS)
ポインタの精度と遅延
一般的な作業用途では十分な精度があるものの、競技性の高いFPSゲームなどには向かないという評価もあります。 (RTINGS.com)
RTINGS によれば、Bluetooth 接続ではクリック遅延が約 25ms になるなど反応性の点でハイパフォーマンスなゲームには制約があります。 (RTINGS.com)
また、最大ポーリングレートが 125Hz に制限されている点も、高リフレッシュレートのモニターを使うユーザーには注意点として挙げられています。 (RTINGS.com)
耐久性・不具合・注意点
接続の不安定さ
Reddit などのユーザー報告によれば、Bluetooth や 2.4GHz 接続が断続的に切れるというケースが一定数あります。 (Reddit)
特にスリープ復帰時や接続切り替え時に再接続が必要になるユーザーも。 (Reddit)
バッテリー・充電の問題
バッテリー関連の報告では、「30分ほどで電池が切れる」「充電が不安定」といった意見があり、リチウム電池の持ちと信頼性には一部不満が見られます。 (Reddit)
また、一部ユーザーは保証対応で交換を受けたものの、在庫切れなどの対応の遅れがあったとの声もあります。 (Reddit)
ソフトウェアの課題
KensingtonWorks に関して、バグや認識問題を指摘するユーザーが一定数います。 (Reddit)
特に起動直後や再起動後に設定が反映されない、ドライバが不安定といった現象が報告されているため、ソフト面での使い勝手には改善の余地があります。
クリックとボタンの感触
一部のユーザーはボタンの「プリトラベル」(クリックする前の遊び)が大きいと感じており、製造時の個体差を疑う声もあります。 (Reddit)
また、素材感が安っぽい、プラスチック感が強めという意見も。 (ハウツーギーク)
どんな人に向いているか / 向いていないか
向いている人
- 長時間作業・デスクワークを行う人:手首を動かさず指だけで操作できるため、疲れにくい。
- マルチディスプレイ環境 / ウルトラワイドモニターを使用する人:大きなボールでカーソル移動量が大きいため、広い画面でも快適。 (NAGATSUKI WORKS)
- クリエイティブ用途:DPIの切り替えやボタン割り当てを活用すれば、ショートカット操作が効率化できる。
- エコ意識がある人:再生プラスチック素材モデルがあり、環境配慮がある。
向いていない人
- 競技性の高い FPS ゲームをプレイする人:クリック遅延や低いポーリングレートが足枷になる可能性がある。
- 高精度を求める作業(例えばドット単位のデザインや細かい選択操作):慣れが必要で、初期の精度感に不満を持つ人も。 (Reddit)
- 接続の安定性を最重視する人:無線接続での断続的な切断を避けたい場合、常時有線運用を選ぶ必要がある。
- ソフトウェアの安定性が重要な人:KensingtonWorks の不具合が気になるユーザーにはストレスの要因になるかもしれません。
デザイン・外観・カラー展開
本モデルにはいくつかのカラーバリエーションがあります。たとえば、グレーモデルは光沢感があってスタイリッシュ。 (note(ノート))
また、ホワイトモデル(再生プラスチック使用)が用意されており、クリーンでモダンなデスク環境にマッチします。 (blue green photography)
どの色を選んでも、55mm の大玉トラックボールが存在感と操作性の両方を兼ね備えています。
メンテナンスと実用時の工夫
- 定期的な清掃:大きなボールゆえにホコリや皮脂がたまりやすいため、定期的に取り外して転がす、または清掃をすることを推奨します。How-To Geek でも清掃の重要性が指摘されています。 (ハウツーギーク)
- スクロール操作のコツ:最初のうちは薬指や中指をリング部分に置くなどして操作の軌道を安定させると、慣れやすくなります。 (The Gadgeteer)
- 接続モードの使い分け:バッテリーを節約したいときや遅延を抑えたいときは、有線接続や 2.4GHz モードを活用するのが効果的。
- ソフトウェアの管理:KensingtonWorks を使う際に不安定さを感じる場合は最新版や別バージョンを試す、あるいは再インストールを行うことで改善を図るユーザーもいます。 (Reddit)
総評
メリットとしては、三方式の接続、多機能なボタン、そして大型ボールによる快適なポインタ操作などが挙げられ、特にデスク作業やクリエイティブ用途では非常に強力な選択肢です。環境に配慮した素材やセキュリティ面もプラス要素です。
一方で、デメリットとしては接続の不安定さやバッテリーに対する不満、ソフトウェアの信頼性、さらにはゲーム用途などへの適性の低さが指摘されています。購入前には、自分の使い方(ゲームをやるか/やらないか、無線か有線か、細かい操作が多いか)をよく考えるべきでしょう。
まとめ
Kensington Bluetooth SlimBlade Pro は、その多接続性、大きなボール、高いカスタマイズ性から、作業効率や身体的負荷軽減に重きを置くユーザーにとって非常に魅力的なデバイスです。とはいえ、一部のユーザーからは無線の安定性やソフトウェアの信頼性に対して改善を望む声もあるため、購入を検討する際には使用目的や自分のワークスタイルをよく見極めることが重要です。
もし、同じ Kensington 製でほかのモデル(例えば Expert Mouse や他メーカーのトラックボール)と比較したレビューも見てみたい場合などがあれば、お知らせください。
追加カスタマイズ
X-Mouse Button Controlで追加カスタマイズ(筆者は右利き)
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