パソコンを買うとき、用途にぴったり合わせてスペックを自由に選べる「BTO（Build To Order）」。ゲーム目的でも、仕事用でも、動画編集でも、無駄のない構成で組めるため、近年ますます人気が高まっている。とはいえ、どのメーカーを選ぶべきか、どんな選び方をすれば後悔しないのか、初めての人にはわかりにくい部分が多い。本記事では、BTOの仕組みからおすすめのショップ、用途別構成の考え方まで整理し、安心して選べるように詳しくまとめた。
BTOとはなにか
BTO（Build To Order）とは、注文を受けてからパソコンを組み立てる方式を指す。既製品とは異なり、CPU、メモリ、ストレージ、GPUなどをユーザーの用途に合わせて細かく選び、価格を最適化できるのが最大の特徴。不要なパーツを削れば価格を抑えられ、必要な部分だけを強化すれば性能に無駄が出ない。そのためゲーミングPC、クリエイター向けPC、ビジネス向けPCなど、幅広いユーザー層から支持されている。
BTOの仕組み
BTOショップは複数のパーツ在庫を持っており、注文内容に応じて組み立てて出荷する。メーカー製パソコンのように固定構成ではないため、ユーザーにカスタマイズの自由度がある。一方で、自由度が高い分「どのパーツを選べばよいか」で悩む人が多く、ショップ側の提案力やサポート体制が重要になる。
BTOのメリット
・必要な性能だけを選ぶため無駄なコストを払わなくてよい
・GPU強化やストレージ増量など柔軟なカスタマイズが可能
・メーカー製よりもコストパフォーマンスが高い場合が多い
・パーツの型番が公開されておりスペックが明確で安心
BTOのデメリット
・即納モデル以外は納期に時間がかかる場合がある
・パーツの選定を自分で考える必要がある
・ショップごとに品質・サポート体制に差がある
おすすめのBTOショップ・ブランド
BTOショップは国内に多数存在し、それぞれ特徴や得意分野が異なる。価格重視、サポート重視、ゲーミング重視など、目的に合わせて選ぶと満足度が高い。
ドスパラ（GALLERIA）
国内でも最大級のBTOショップで、ゲーミングブランド「GALLERIA」が有名。品揃えが豊富で、初心者にも分かりやすいラインアップが揃う。納期は業界トップクラスの速さで、コスパ重視の構成も多く、迷ったら候補に入れるべきショップ。
パソコン工房（LEVEL∞）
全国に店舗を持ち、実店舗サポートを受けたいユーザーに向いている。ゲーミングブランド「LEVEL∞」はプロゲーマーの使用モデルもあり、性能と価格のバランスが優秀。クリエイター向けやビジネス向けも強い。
マウスコンピューター（G-Tune）
国内製造を強くアピールしており品質管理が丁寧。24時間サポートが強みで、初心者でも安心して利用できる。ゲーミングブランド「G-Tune」はプロ仕様の高耐久モデルが多く、配信者やクリエイターからの評価が高い。
ツクモ（eX.computer）
パーツにこだわりがある層から支持が強いショップ。ケースの冷却性能が高く、長期間安定して使える構成が魅力。PCパーツを深く理解しているユーザーに特に好まれる。
フロンティア
割引セールが非常に多く、タイミング次第で他社より大幅に安く買えることも珍しくない。コスト重視で性能を確保したいユーザーに人気。
初めての人向け：用途別パーツ選びの考え方
BTO最大の難関は「どのパーツを選べばいいのか」。用途に応じて重要なパーツが変わるため、余計な部分にコストをかけないよう注意したい。
ゲーミングPCの場合
ゲームの快適度を左右するのはGPUであり、最優先でチェックすべきポイントとなる。高FPSを求めるなら最新のミドル〜ハイエンドGPUを選び、CPUはGPU性能を引き出せるミドルクラス以上が適切。メモリは16GB以上、可能なら32GBを推奨。
動画編集・クリエイター用途
CPUのコア数とメモリ容量が重要。4K編集ならCPUは高性能帯、メモリは32GB以上、ストレージは高速SSDを複数搭載して作業領域と保存領域を分けると効率が良い。GPUは編集ソフトの対応状況に応じて選ぶ。
ビジネス・学習用途
オフィスソフト、ブラウジング中心ならハイスペックは不要。CPUはミドルクラスで十分、メモリ16GB、SSD500GBもあれば快適。静音性や耐久性を重視する構成が長期間使いやすい。
配信・複数作業用途
ゲーム配信はCPU/GPU両方に負荷がかかるため、ゲーミングPCより一段上の構成が必要。マルチコアCPU、余裕のあるGPU、メモリ32GBを目安にすると安定する。
BTOショップの選び方
価格だけで決めると後悔しやすい。以下の基準で総合的に判断すると安心。
パーツ表記の透明性
型番まで公開しているショップほど信頼性が高い。特に電源・マザーボードは品質差が大きいため、ここが非公開だと選びにくい。
納期の安定性
急ぎの場合は即納モデルがあるショップを選ぶ。注文生産モデルはショップによって大きく差が出る。
保証とサポート体制
電話サポートの有無、保証期間の延長、初期不良対応の丁寧さを確認すると安心。マウスコンピューターやパソコン工房は初心者サポートが強い。
ケースと冷却性能
長期間使う上で重要。ケースのエアフローが弱いと熱がこもり、パーツ寿命に影響する。ツクモは冷却構成に定評がある。
セールの頻度
フロンティアは季節ごとに大規模セールが行われ、同じ構成でも他社より圧倒的に安い場合がある。
BTOで失敗しないためのチェックポイント
・電源容量と電源の品質が適切か
・メモリがシングル構成になっていないか
・ストレージがSSD＋HDDなど用途に合った構成か
・GPUがCPU性能に対して過剰・不足になっていないか
・保証内容が用途に合っているか
特に電源は見落とされがちだが、品質が低いとトラブルの原因となるため、80PLUS認証の製品がおすすめ。
まとめ
BTOは性能・価格・自由度すべてを両立できる合理的なPC購入方法であり、ゲーミングからビジネスまで幅広く対応できる。ショップごとに強みは異なるため、用途に合わせて適切なブランドを選ぶことで満足度が大きく変わる。パーツ選びのポイントやショップごとの特徴を踏まえて選べば、初めてでも安心して最適な1台が手に入る。
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