ブログが「オワコン」と言われ始めて久しい。しかし実際には、環境が大きく変わっただけで、正しい戦略を取れば今も十分戦える媒体である。ただし、数年前とはまったく違うゲームになっているのも事実。なぜブログはオワコンと言われるのか、その背景を深堀りしつつ、依然として成果を出すための現実的な方法まで徹底的にまとめる。
ブログがオワコンと言われる主な理由
SNS主流時代になり情報の流れが変わった
SNSの普及により、情報発信の中心はブログからプラットフォームへと移った。特にX、TikTok、Instagramは短いコンテンツで完結するため、ユーザーは長文を読むよりも流し見で情報を得やすい。さらにSNSはシェア拡散が起きやすく、初速の速さではブログより圧倒的に優位にある。この流れが強まった結果、「ブログ=読まれにくい」という印象が生まれやすくなった。
Google検索の競争が激化しすぎた
ブログの中心は検索流入だが、この領域の競争は年々激しくなっている。企業メディア、大手ポータル、専門社が本気で参入してきたことで、個人のブログが勝てるジャンルが減少した。検索意図の複雑化も進み、Googleは「専門性・権威性・信頼性」の高いサイトを優先し、個人ブログが上位に入りにくい状況も生まれた。あるテーマでは、記事を100本書いても順位が動かないケースすらある。
検索アルゴリズムの変化が激しい
Googleアップデートによってトラフィックが急落する例は多い。昨日まで上位だった記事が、今日突然圏外になることも珍しくない。特に健康、金融、法律などのジャンルでは大規模アップデートで個人ブログが一掃されることもある。安定性の低さが「オワコン」と言われる一因だ。
読者の情報収集スタイルが多様化した
ブログは読むのに時間がかかるため、忙しいユーザーは動画やAI検索に流れやすい。動画は視覚的で理解しやすく、AIは短時間で回答を得られる。結果的にブログの参入障壁は低いが、読者を獲得する難易度は上昇している。一度流入が減少すると復活も難しい。
収益化のハードルが上がった
アフィリエイトの報酬単価低下、審査厳格化、各種サービスの終了も続いている。以前のように「初心者でも簡単に月5万円」は言いにくい時代だ。広告クリック率も低下し、収益構造自体が変化している。収益目的でブログを始めた人が続かず撤退する理由にもなっている。
それでもブログがオワコンにならない理由
情報を蓄積できる資産型メディアである
SNSは流れて消えるが、ブログは検索される限り継続的に読まれる。ストック型の価値は今も大きく、数年前の記事が収益を生み続けるケースも多い。最初の労力こそ必要だが、積み上げによって戦うスタイルは今も有効である。
深い内容はブログが最適
専門的な解説、比較記事、検証レビュー、長文のノウハウ記事はブログが最も強い。SNSや動画だけでは伝えきれない情報量を扱えるため、検索から流入した読者の満足度は高い。
SNSや動画と組み合わせると強力になる
今は単独でブログ運営をする時代ではなく、複数の媒体と組み合わせる時代。SNSからブログへ誘導し、ブログで濃い解説を読んでもらい、商品やサービスへ繋ぐ形が効率的。この導線を持つ個人はむしろ強くなっている。
ローカルキーワードやスキ間ジャンルは今も勝てる
大手が参入しない小規模のジャンルはまだまだ多い。商品レビュー、体験談、ローカル情報、実務系ノウハウなどは個人ブログの強みが光る領域。特に実際の体験や写真を使ったコンテンツは模倣されにくく、上位に残りやすい。
ブログが今も成果を出すために必要な戦い方
検索ボリュームより「読者の課題解決」を優先する
今はキーワードの大きさよりも「どれだけ読者の問題を解決できるか」が圧倒的に重要。検索意図に沿って深掘りされた記事はGoogleが評価しやすく、外部リンクがなくても十分上位を狙える。
実体験ベースの記事を書く
AI生成記事が増える中、実体験の記事は差別化の鍵となる。レビュー、検証、写真付きの手順記事など、実際の使用感に基づく記事は信頼性が高い。Googleも体験情報(EEAT)を高く評価している。
専門テーマに絞り、継続して深掘りする
雑記ブログは検索で不利になりやすいため、1つの領域で専門性を高める方が有利。専門性が高まるほど内部リンクも強化され、サイト全体の評価が上がりやすい。
SNS発信とセットで育てる
ブログ単体でアクセスを集めようとするのは非効率。X、Instagram、YouTubeと組み合わせ、初動の読者をSNSで確保することで検索順位も上がりやすくなる。SNSで反応が良かったテーマを深掘りする形が最も効率的。
ミドル・ロングテールを確実に取る
競合の少ない複合キーワードは依然として強い。「体験談」「比較」「トラブル」「使い方」「やめた理由」など、検索意図が明確な記事は長期的にアクセスを生みやすい。小さなキーワードを積み上げてサイト全体を強くすることが最も現実的な戦略。
ブログが生き残るためのジャンル選び
体験を基にしたリアルなレビュー系
商品レビュー、使い方、メリットデメリット、購入後の変化など、実体験ベースは今も上位を取りやすい。特にニッチ商品のレビューは競争が緩い。
実務や資格系のノウハウ
会計処理、確定申告、ITツール、仕事術などは検索需要が一定数ある。体験や失敗談を入れることで独自性が出る。
地域特化(ローカルSEO)
商業施設、店舗レビュー、地域イベントなどは大手が入りにくい。地域密着型ブログは今も強い。
人生経験の共有系
転職、結婚、離婚、節約、トラブル体験などは需要が高い。特に重い決断系のキーワードは検索意図が明確で上位が取りやすい。
結局ブログはオワコンなのか?現実的な結論
ブログがオワコンと言われる原因には確かな根拠がある。競争激化、アルゴリズム変化、SNS勢力の拡大など、以前より難しい媒体になったことは事実。しかし「難しい=終わった」ではない。戦略を変えれば個人でも十分戦えるし、むしろSNSと組み合わせることで以前より強い導線が作れる時代でもある。検索だけに頼らず、読者の課題解決に徹した記事を積み上げ、SNSで初速を作る流れを構築すれば、今でも安定した資産になる。ブログは環境が変わっただけで、終わったのではなく進化した。今のルールに合わせて戦略を更新すれば、個人でも十分に成果を出し続けられる。

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