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AUDとアルコール依存症の違いとは?診断基準・症状・治療までわかりやすく解説

アルコールに関する問題を調べていると、「AUD」という言葉と「アルコール依存症」という言葉の両方を目にすることがあります。一見すると同じ意味に見えますが、実際には使われ方や概念に違いがあります。この違いを正しく理解しておくことは、本人や家族が状況を把握し、適切な対応を考えるうえで非常に重要です。この記事では、AUDとアルコール依存症の違いを軸に、定義、診断基準、症状、治療や支援の考え方までを体系的に解説します。


目次

AUDとアルコール依存症の違いの全体像

AUDとは何か

AUDは「Alcohol Use Disorder」の略で、日本語では「アルコール使用障害」と訳されます。これはアメリカ精神医学会が定める診断基準(DSM-5)で採用されている正式な医学用語です。アルコール使用に関する問題を、軽度・中等度・重度という連続的なスペクトラムとして捉える概念が特徴です。

従来は「乱用」と「依存」が別々に扱われていましたが、AUDではこれらを一本化し、問題の程度によって評価します。つまり、必ずしも重い依存状態だけを指す言葉ではありません。

アルコール依存症とは何か

アルコール依存症は、日本で長年使われてきた呼称で、アルコールを自分の意思でコントロールできなくなり、身体的・精神的・社会的な問題が生じている状態を指します。一般的には「重度の状態」をイメージされることが多く、断酒しようとしてもできない、離脱症状が出るといったケースが想起されやすい言葉です。

両者の違いを一言で整理すると

AUDは「アルコール問題を幅広く捉える包括的な診断概念」であり、アルコール依存症は「その中でも特に重い状態を指す従来の呼び方」と整理できます。言い換えれば、アルコール依存症はAUDの一部に含まれると考えると理解しやすくなります。


診断基準の違い

AUDの診断基準の特徴

AUDの診断はDSM-5に基づいて行われます。過去12か月間において、アルコール使用に関連する複数の項目がどれだけ当てはまるかで判断されます。例えば、飲酒量や飲酒時間が増えた、やめようとしてもやめられない、飲酒によって仕事や家庭生活に支障が出ている、といった点が評価対象です。

該当項目の数によって、軽度・中等度・重度に分類されるため、「まだ依存症ではないが問題は起きている」という段階も明確に捉えられます。

アルコール依存症の診断の考え方

アルコール依存症の診断では、耐性や離脱症状といった身体的依存の要素が重視されてきました。飲酒をやめると手の震え、発汗、不安、不眠などが現れる場合、依存症と判断されることが多く、比較的進行した状態を前提とした診断が行われてきた歴史があります。

診断アプローチの違いが意味するもの

AUDは早期発見・早期介入を重視する考え方です。一方、アルコール依存症という言葉は、問題が深刻化してから初めて使われる傾向がありました。この違いは、治療や支援につながるタイミングに大きな影響を与えます。


症状と状態像の違い

AUDに含まれる症状の幅

AUDでは、症状の幅が非常に広く設定されています。毎日の晩酌がやめられない、飲み過ぎて翌日に後悔することが増えた、健康診断で異常が出ているのに飲酒を続けている、といった状態も含まれます。必ずしも毎日大量に飲んでいる必要はありません。

アルコール依存症で見られやすい症状

アルコール依存症では、飲酒が生活の中心になり、仕事や家庭、人間関係が著しく損なわれることが多く見られます。飲まないと落ち着かない、隠れて飲む、飲酒量が明らかに増えているなど、深刻な行動変化が特徴です。

周囲からの見え方の違い

AUDの軽度や中等度では、周囲から「少し飲み過ぎている人」と見られる程度の場合もあります。一方、アルコール依存症になると、問題が外からも明確に見えるようになり、社会的なトラブルが顕在化しやすくなります。


治療と支援の考え方の違い

AUDに対する治療の方向性

AUDでは、必ずしも即断酒が唯一の選択肢とは限りません。飲酒量を減らす「減酒」を目標にする場合もあり、生活習慣の見直しやカウンセリング、薬物療法などを組み合わせて対応します。問題の程度に応じた柔軟な治療が行われる点が特徴です。

アルコール依存症の治療の基本

アルコール依存症では、原則として断酒が治療の中心になります。身体的依存が強い場合には、医療機関での離脱症状管理が必要になることもあります。また、長期的な回復のために、専門治療や自助グループへの参加が重要とされています。

家族や周囲の関わり方

AUDの段階では、家族や周囲が早めに気づき、専門家につなぐことが重要です。アルコール依存症では、本人だけでなく家族も支援対象となり、共依存への対応や家族教育が重視されます。


用語の違いがもたらす影響

スティグマの違い

「アルコール依存症」という言葉には、重く否定的なイメージが伴うことが少なくありません。そのため、本人が問題を認めにくく、受診を避けてしまうことがあります。AUDという用語は、医学的で中立的な表現であり、早期相談を促しやすい側面があります。

医療・福祉現場での使い分け

現在の医療現場では、診断名としてAUDが使われることが増えています。一方、一般社会や報道では、依然としてアルコール依存症という言葉が使われる場面も多く、文脈によって使い分けが行われています。


まとめ:AUDとアルコール依存症の違いを正しく理解する

AUDとアルコール依存症の違いは、単なる言葉の違いではありません。AUDはアルコール問題を連続的に捉える現代的な診断概念であり、アルコール依存症はその中でも重度の状態を指す従来の呼称です。この違いを理解することで、問題を早期に捉え、適切な支援や治療につなげる視点が得られます。アルコールに関する問題は、誰にでも起こり得る身近なテーマであり、正確な知識が回復への第一歩となります。

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