Intel第13世代CPU Core i9 13900Kを普段使いの常用環境向けにオーバークロックの設定。
自己責任でお願いしますね。
検証環境
使用したパーツ一覧
ケース | PM-N-FLAME-ATX-WHITE-KAI |
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OS | Windows 11 |
マザーボード | ASUS ROG MAXIMUS Z790 APEX |
CPU | Intel Core i9 13900K |
メモリ | HOF Pro DDR5 |
GPU | GALAX GeForce RTX™ 3090 HO |
ストレージ(システム) | SSD 980 PRO MZ-V8P1T0B/IT WD WDS100T1X0E |
電源ユニット | SUPER FLOWER LEADEX PLATINUM SE 1000W-WT |
クーラー | ROG RYUO III 360 ARGB WHITE EDITION |
OC設定
CPU
P-Core | 2-Cores Clock 6.1GHz 4-Cores Clock 6.0GHz 5-Cores Clock 5.9GHz 6-Cores Clock 5.8GHz 7-Cores Clock 5.7GHz 8-Cores Clock 5.6GHz |
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E-Core | 2-Cores Clock 4.7GHz 6-Cores Clock 4.6GHz 12-Cores Clock 4.5GHz 16-Cores Clock 4.4GHz |
Cache | 5.0GHz |
オーバークロック設定方法
使用するコア数に応じて倍率をそれぞれ設定するのがBy Core Usageです。
使用コア数が少ないときは高クロックを、使用コア数が増えるにつれて徐々にクロックを落としていく、といった設定内容になります。
Intel第12世代CPUからはP-CoreとE-Coreでそれぞれ設定ができるようになっています。
By Core Usage – P-Core
Extreme Tweaker > Performance Core Ratioで「By Core Usage」を選択。
1~8のCore Ratio Limit(動作コア数別の制限)が設定できるようになっています。
1コアまでの動作倍率上限、2コアまでの動作倍率上限…8コアまでの動作倍率上限というように、順に設定していきます。
2コア動作まで61倍、4コア動作まで60倍、5コア動作で59倍、6コア動作で58倍、7コア動作で57倍、8コア動作で56倍で動作するよう設定しました。
13900KをASUS Z790 APEXやASUS Z690 FORMULAで使用した際のデフォルト設定では1コア動作で58倍(5.8GHz)、2コア以上の動作で55倍(5.5GHz)で動作していたので、By Core Usageでシングル性能とマルチ性能両方をデフォルト設定より引き上げることができます。
続いて、Extreme Tweaker > Specific Performance Coreを選択して、コア別に倍率の制限を設定します。
P-Core 0~7までの8つそれぞれ倍率上限を設定できます。
優秀なコアには「*」マークがついてるため、高い倍率設定は優秀なコアに、そうでないコアは少し低い倍率にしてあげるのが良いです。
By Core Usage – E-Core
Extreme Tweaker > Efficient Core Ratioで「By Core Usage」を選択。
続いて、Extreme Tweaker > By E-Core Usageを選択して、動作コア数別の倍率上限を設定します。
Efficient Turbo Ratio Limitに倍率上限を、Efficient Turbo Ratio Coresに動作コア数を設定します。
E-CoreはP-Coreのようにクロック耐性が高くないので、50倍といった欲張った設定はできません。また、E-Coreは低発熱なコアになってはいるものの、倍率を上げると発熱は増え、CPU Package全体に熱影響を与えます。結果的にP-Coreの温度も上がりやすくなってサーマルスロットリングが起きてしまうため注意が必要です。
上の画像では、2コア動作まで47倍、6コア動作まで46倍、12コア動作まで45倍、16コア動作まで44倍としてます。
Efficient Core specific Voltage
E-Coreもオーバークロックすると安定動作には電圧の昇圧が必要です。
Extreme Tweaker > Specific Efficient Coreを選択。
ちなみに13900KのE-Coreは全部で16コアあるものの、4コアを1つのクラスタとしてキャッシュを共有しているため、Group0~3の4グループ仕様となってます。
Group0~3について一律、Efficient Core Group specific Voltageを「Adaptive Mode」、Offset Mode Signを「+」(プラス)、Efficient Core Group Offsetに「0.03000」としました。
P-Coreへの熱影響的にE-Coreのオフセット値は+0.05Vくらいまでにした方が良さそうな印象でした。逆にそれ以上昇圧しないと負荷テストをパスできないのであれば、無理せずE-Coreの倍率は落とした方がP-Coreのサーマルスロットリングが抑えられて良いと思います。
CPU Load-line Calibration
Extreme Tweaker > DIGI+ VRMでLoad-line Calibrationを確認します。
ASUSマザーでは、LLCは LEVEL 1~7まであるうちのLEVEL 4が自動で設定されていました。(By CoreでOCしてないときはLEVEL 3になってました)
常用環境でのOCであればLEVEL 4で十分ですし、逆にそれ以上のLEVELへ引き上げると、CPUとVRMの発熱が増えるためAuto(LEVEL 4)のまま、あるいはLEVEL 3で良いと思います。
Load-line Calibration:CPU負荷が増加した際、Vcoreがわずかに低下するVdropという電圧のブレを抑制し、安定動作させる機能。
LEVELを上げるほど、Vcoreのマージンが増え、安定しやすくなるが、CPU、VRMの発熱量が増える。
V/F Point Offset
デフォルトのままでは、電圧マージンが結構とられてるので、P-Coreのクロック別に降圧のオフセットを設定します。
Extreme Tweaker > V/F Point Offsetから設定します。
CPU Cache Ratio
Extreme Tweaker > Min. CPU Cache RatioとMax. CPU Cache Ratioを設定します。
13900KをASUS Z790 APEXやASUS Z690 FORMULAで使用した際のデフォルト設定では45倍(4.5GHz)~50倍(5.0GHz)の可変で動作していました。
CPU Cache(リングバス)のクロックも高い方がパフォーマンスは上がるので、50倍で固定しました。盛りすぎると要求電圧が上がって、CPU全体の発熱が増えてしまい、P-Coreのサーマルスロットリングにつながるため気を付けてください。
Profileの保存
By Core Usage – P-Core、By Core Usage – E-Core、Efficient Core specific Voltage、V/F Point Offset、CPU Cache Ratioとたくさんの項目を設定したので、オーバークロックしたいときに一つ一つ再設定するのは大変すぎます。設定した内容をプロファイルに保存しておくと簡単に反映できるのでオススメ。
Tool > ASUS User Profileを選択。
Profile Nameに任意のプロファイル名を、Save to Profileに保存するプロファイル番号(1~8)を入力してEnterを押下すれば保存できます。
保存したプロファイルの内容を反映するときは、Load from Profileに呼び出したいプロファイル番号を入力してEnterを押すだけです。
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